推しから2年越しのプレゼントを貰った嵐オタクの話

 わたしは生まれながらにオタクだと思う。幼い頃に頭を占めていたのは当時大好きだったアニメの妄想(今思えば二次創作)だったし、ハマったアニメやゲームがあればあらゆる手段を使ってその二次創作サイトを見つけ出していた。そんな小学生だった。そんな根っからのオタク気質だった子どもは気づけば大人になっていて、今でもオタクを辞められずにいる。

 そんなわたしは当然ながら複数の推し・推しジャンルがあるのだが、その中でも人生の半分以上推し続けて最早衣食住に並び立ってしまった推しがいる。タイトルを見ればお察し案件だが、ジャニーズ事務所所属のアイドル『嵐』だ。2020年12月31日、21年の歴史に一旦幕を下ろした彼らの姿を、今もなお探し続けている。大野智、櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、松本潤ではなく、『嵐』とそのメンバー達を。
 ……なんて事を言うと「えっ、何が違うの?」と言われるかもしれないが、嵐オタクにとっては大きな違いなのだ。当人達には酷い話なのかもしれないが、わたしが推しているのはあくまで嵐だ。もちろん、個人としての彼らも応援はしているけれども。嵐として活動している彼らが、わたしにとっては何よりも眩しくて愛おしい。
 そんなわけで今、わたしは10年以上推してきた最愛の推しを失った寂しさを引きずりながら生きている。そんなことを言いつつ今は某ソシャゲにドはまりし、慰められて別名義で布教noteを書くほど夢中になってはいるけれども。それでも日々生きているふとした瞬間にとてつもない虚無感と寂しさを感じてしまうし、何かしらの推し事をしていても嵐のことが過ぎってしまうことも少なくない。

 ここでようやく本題に入るが、本日わたしはとある映画を鑑賞した。

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『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』

 エンドロールが終わり、最後のワンシーンを見届けた後、「これは、嵐からのプレゼントだ」とそう思った。はじめにソレを言っていたのは親しい嵐オタク仲間だったのだが、本当にその通りだと思った。それも、でっかい愛がこもった。そして、わたしはこうして筆を執ることにした。自分の中にある想いを昇華したい、そう思って。きっと数日後には黒歴史の塊になるのかもしれないけれど。

作品の概要

『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”』

 簡単な概要を説明すると、彼らがまだ活動していてコロナで日常が一変してしまった時よりも少し前に彼らが行っていた20周年記念ライブツアーの締めくくり直前に公演したライブを映画として撮った作品だ。更に正確に言うと、嵐のライブ映画を作る為に開催されたライブを映画にしたものだ。ちなみに使用されたカメラは125台らしく、その日は日本の映画撮影がストップした日かもしれないと言われているらしい。凄い。しかも、監督はTRICKシリーズやSPECなどで有名なあの堤幸彦監督だ。凄い。
 ちなみに、嵐のデビュー日である11月3日にドルビーシネマとかいうなんかすごい映画体験ができる日本に数カ所しかないスクリーンで現在先行上映されていて、大野智の誕生日の11月26日に全国の劇場にて公開予定だ。どうか劇場に足を運んでもらえると、とても嬉しい。わたしが行ってきたのは当然、ドルビーシネマの先行上映だ。(ドルビーシネマについて詳しく興味がある方はこちらを参照ください)

 余談だが、上映時間は148分と長丁場なので尿意との戦いが待ち受けている。これから観に行く方は是非気をつけていただきたい。約2時間半なのでライブとして考えるとむしろそんなものだとは思うが、ドルビーシネマではペンライトを振り回したりするのは禁止だし、あくまで映画ではあるので流石にライブよりはアドレナリン量も少なく尿意を感じやすい(※個人の感想です)ので……。上映中にお花を摘みに行きたくて仕方なくなってしまうので……(※個人の感想です)。

映画館で嵐と夢のつづきを


 11月3日、それは嵐と嵐ファンにとって特別な日だ。当然、わたしも有給申請をしたし、初回上映の席を勝ち取るつもりでいた。ところがどっこい、嵐はライブのチケットがなかなか取れない超貴重なライブ。たとえそれが映画の席だとしてもそれは同じで、座席の予約サイトはパンクし、格闘するも11月3日分は最終上映分以外一瞬で取れない状態になった。(正確には梅田ブルク7さんはそもそも席予約がなかなかできない状態になっていたが、予約戦争中は仕事の兼ね合いで途中離脱するしかなかった。悔しい!)

 次に席が取れて自分の休みと合うのが今日しかなく、鑑賞するまでに1週間近くかかってしまった。そうして待っていたり、鑑賞していたファンの感想を観た分、期待も跳ね上がっていた。

 そしてようやく訪れた瞬間、もう上映開始してものの数分で大号泣だった。基本のセットリスト(曲目)は従来のツアーと変わりないができるだけそれ以上のネタバレは避けたいと思うが、まず最初にわたしの大好きな『嵐』とそのメンバー達の文字列が浮かんだ時点でダメだった。

「ああ、また嵐と会えるんだ」

そう思うと、本当ブワッと気持ちが溢れ出してきて止まらなかった。というか、別の作品の応援上映の為に散々通い詰めて慣れ親しんだ梅田ブルク7さんが嵐仕様に染まっているのを目にした時点で若干泣いてしまっていたけれど……。「ああ、ずっと待ち望んでいた嵐の現場へ久々に来れたんだ」って……。

 そして嵐を好きになってからずっと聴き慣れていた感謝カンゲキ雨嵐のイントロが流れて、わたしの大好きな5人がステージに現れる瞬間が映し出された。そして楽しそうに眩しい笑顔の5人を観て、また大号泣。セトリを頭が覚えてなくても魂は覚えてるってぐらいに観たツアーなのに、もう情緒がめちゃくちゃだった。

 次に訪れたのは、ただただ「楽しい!」って感情だった。現実のことも全て忘れてしまうくらい、ただひたすらに楽しい!眩しい!幸せだ!わたしにとって世界で一番輝いている空間、それが嵐のライブだ。スクリーンと音響を通して、もう二度と体験できないと思っていたその光景をできる限り再現されていた。

 この作品の何が凄いかって、従来の円盤や配信では見れない視点での映像がふんだんに見れることだ。ステージの横側、ムビステ(動くステージ)の360度周りからの姿、メインステージでファンを見る彼らの背中、彼らが見る景色、ファンが実際に見る視点、ファンが現場では見えない景色。それらがたくさん詰まっていて、最高の臨場感があった。この作品を見ている間だけは、嵐が活動休止した今日現在でも『嵐』に会える。嵐と夢のつづきが見れる。それが、嵐ロスの中生きるわたしにとってどれほど幸せなことか。

 二年前、このライブをしていた時は既に活動休止の発表がされた後だった。そんな中で、嵐がいなくなった世界を生きるファンがまた嵐に会えるように、そんな気持ちが込められているような気がした。この作品のエンドロール前、最後の楽曲で流れた『またここで君と会えた』という歌詞に、更にそんな気がした。ああ、やっぱりわたしは嵐が大好きだ。嵐に出会えてよかった、そう思えた。

嵐オタクが嵐から貰ったモノ


 わたしにとって、嵐は青春そのものであり人生の一部だった。多分、この先もそうなんだと思う。

 嵐と出会って二次元以外にも楽しいことがたくさんあることを知って、嵐を通じていろんな人と出会って中にはかけがえのない友だちにもなって、嵐を見てつらかったことや嫌なこともなんとか乗り越えたり乗り越えられなくてもやり過ごしたり。そのひとつひとつがかけがえのないもので、嵐からもらったものだと思う。なんだか感情が高ぶりすぎて意味のわからない言動になっている気がする。

 つまるところは、そんなたくさんの思い出をくれた嵐にこうしてまた会えてよかった。ただそれだけの話だ。

 本当は布教記事を書きたかったけど、残念ながら感情がぐちゃぐちゃ過ぎて書ける気がしない。

 もしこの記事を読んでる人であの作品をまだ観てない・観る予定がない方は、是非劇場に足を運んでもらいたい。嵐がなんで国民的アイドルと呼ばれたのか、その一片が観られるはずだから。

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