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日報 2020.01-

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日々の小話とイラスト
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2020年1月の記事一覧

0124 電話こわい

電話こわいなにかトラウマがあるわけでもないのに、電話が億劫だ。To doリストに「電話をかける」が入っている間、ずっと憂鬱。早く済ませればいいのに vs 電話こわい。 仕事・プライベート関係なくそうなので、電話かぁ…というだけで疎遠になってしまった人も少なからずいる。末長く仲良くしたい気持ち vs 電話こわい。 これを外向型の友人に話すと「な、なにそれ!」と驚かれた。電話、今はちょっとしたくない、エネルギーが足りない、みたいな感覚が皆無だそうだ。正直、うらやましい。 大

0123 時を越えた中国紀行

時を越えた中国紀行父の蔵書に中国語の教本を探してみたところ、一冊のCD付き教本と、『中国紀行』と題された本が出てきた。これがなんと、親戚のおじさんが自費出版したものだという。1995年にご夫婦で行かれた念願の中国旅行を、ご自身の詠まれた漢詩とともに(!)振り返る、厚さ3cmほどもする大作だ。 残念なことにもうご夫婦は亡くなっているのだけど、本のあとがきにはこの旅行への強い思いと、家族への愛情と感謝が惜しみなく綴られていた。 自分とほとんど入れ違いの世代の人たちの、まるで目

0122 曖昧な音たち

曖昧な音たち 「早上好(zǎo shàng hǎo)」という言葉を覚えた。中国語でおはようという意味らしい。中国語ネイティブの同僚に、日本人の同僚が「覚えたで!」という顔で言っていた。楽しそうなので、私も「知ってるで!」という顔で真似してみた。中国の同僚は、陽気に「早上好!」と返してくれた。 母語以外の言語を、自分の口から発することが楽しい。これまでに学習したり聞きかじったりした言語全て、日本語にない音と雰囲気があって素敵だ。死ぬまでに、できる限りたくさんの言語を口にしたい

0121 パンがなければ

パンがなければある朝、ベルリンから持ち帰った Biscoff CRUNCHY スプレッド(日本でも入手できそうだが、ルームメイトがくれた記念品なのでわざわざ郵送したのである)をパンにつけて食べたくなった。が、パンがない。母に「パンがないね」と言うと、「じゃあ、焼いたらいいね」と返された。買ってこようか?と提案するつもりだったので、驚いた。 うちの家電の中ではおそらく一番新しい オーブンレンジ を使って、着手から1時間以内に焼けた。バターの香りがよく、思いの外おいしい。ちょっ

0120 イカとバターと魔法使い

イカとバターと魔法使い母は料理が上手(と言うと「この味で育ったからじゃない?」と謙遜されるが、本当に美味しいのです)で、さりげない一品を忘れ得ぬ逸品にしてしまうことがある。 最近のそれは、イカ。イカと小松菜をバターで炒めただけのもの、なのに、頭に散らばる全思考と五感が箸先のイカに吸い寄せられてしまった。 そういう時、なぜこんなに美味しいのかと問い詰めても、「おいしいよね〜」などとはぐらかされる。実は母は魔法使いなのだ、と半分本気で信じている。 - + - + - + -

0119 ティファニーと不安定な若者

映画は気に入ったものを何回も観てしまう。毎回、こんなシーンあったっけ?と思う。内容は全然覚えられない。感想だけ覚えている。 お気に入りの映画のなかで、最近観たのが『ティファニーで朝食を』だ。今回は、ホリーとポールのそれぞれの生活に思いを馳せてしまった。きっと敢えて描かれていないのだけど。 家族もいない仕事もない大都会に出てきて、雇われることなく生計を立てるのは難しいはずだし、労働ではなく他人に好かれることでお金をもらう不安定さも、決して平穏ではないだろう。 そんなことは

0118 身体ベース

身体ベース『「生きる」とは、心臓が脈打って血液が循環し、肺が膨らんでは萎んでいくようなこと。』 急に真面目な話で失礼。上の引用は臨床心理士の方の言葉。『「生きる」とは(中略)どういうことだと考えられますか』という質問に対する答えでした。「生きる」って身体ベースで考えたら本当にシンプルで、毎秒毎秒、無意識にちゃんと「生きて」いるのに、脳が暴走していろんな意味をどんどん付与して、「べき」が増えていって、いっぱいいっぱいになる〜 寝て、食べて、動いて、身体ベースで「生きる」を実

0117 白髪と宝毛

白髪と宝毛頭頂部に白髪を見つけた。その部分だけを見ると、母と瓜二つである。最近は自然のまま染めないスタイルが流行っているらしい(母談)が、流石に20代で白髪は少し気になってしまう。けれど、白髪は体に悪いわけではないし、老いを感じるとしても、なぜ老いを感じさせることを拒むのだろう。思いの外深い問いである。 別の白い毛に、宝毛がある。私はなんとなく損をしたくないので、宝毛を抜かずに保護している。これまで何人かに気色悪がられた。たしかに、予想外のところからヒョロッと出ている白い毛

0116 ラピッドフィルム

ラピッドフィルムドイツの蚤の市でフィルムカメラを買った。大きな蚤の市で、本や食器やインテリア等ありとあらゆる物があったけれど、日本に持って帰れるものがいいと思ってカメラにした。値段交渉でセット割を提案され、よくわからずに2台買った。 それをようやく使おうと、今日フィルムをセットしようとしたのだが、様子がおかしい。フィルム巻き取り棒の代わりに空のフィルムケースのようなものが入っているし、それを抜いてフィルムを入れようとしても、入らない。 どうやら、今はなき*1「ラピッドシス

0115 泡だてかた論争

泡だてかた論争 お風呂、という究極のプライベート空間での行動は、普段誰ともシェアしないものだけれど、お正月の親戚の集まりで面白い論争が起こった。石鹸をどう泡立てるか? タオルで石鹸を包んで泡立てる派 vs 石鹸をタオルに擦り付けて泡立てる派。前者は女性、後者は男性にきれいに分かれたのも興味深い。 私はタオルで石鹸を包む派なので、石鹸を手でつかんでタオルに擦り付ける派に対して「石鹸のヌメリで泡だて中に石鹸が飛んでいくのではないか」と論破しました。 ※シャワージェル派および

0114 オメガさん

オメガさん帰国以来、実家に居候している。実家の一番好きなところは母の料理なのだが、最近やたらと魚が多い。それも背の青い魚だ。小さい頃から魚より肉派の私としては、何も言えない立場ながら、気になってしまう。 聞いてみたところ、「オメガさん」のためだという。母曰く、産後うつは母親が赤子にオメガさんを吸い取られて脳が萎縮するからというのだ。よくわからない。誰も産後ではないし。 昨日頂き物のニシンを食べきったので、今日はお肉かな?と期待して仕事から帰ると、グラタンが待っていた。お、

0113 カクテキとごまめ

カクテキとごまめバイト先で、韓国人の同僚と子どもの頃の遊びについて話した。指を交互にタッチして足して5になったら負けの遊び(韓国ではお箸と呼ぶらしいが私は日本での名称を知らない)、イッセーノーデで指の数を当てる遊び、ドラゴンボールの技を同時に繰り出す遊び(溜め、ハッ、ガード、かめはめ波)、氷鬼、が共通していた。インターネットのない時代に誰が伝道師の役割を果たしたのだろう?と盛り上がった。今度中国人の同僚にも聞いてみよう。 子供同士で遊ぶとき、小さい子が混じっていたら特別ルー

2020 あけましておめでとうございます

お正月から既に2週間経過しているけれど、あけましておめでとうございます。子年、猫のイラストにて開幕。 2019年はドイツ・ベルリンにて、イラスト・デザイン・プログラミングと手を出し、なんとか「海外フリーランス」を成立させようと試みました。 ダンケくらいしか分からないのに、ドイツ語環境の居酒屋で働きクビになったり、翻訳機片手に役所を回ったり。主に「移民の大変さ」「貧乏の痛さ」を骨の髄まで味わう?結果となりました。 辛いばかりではもちろんなく、興味深い人々と出会って(間違い