トートタロットの物語(#Ⅴ The Hierophant・司祭長)

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私はエジプトの王・オシリス。下からライトを当てているのは妻のイシス。そして私の胸の部分にいるのは跡継ぎの息子・ホルスである。2000年の間、国を治めてきたが、そろそろ代替わりの時期が来たようだ。大事に息子を育てることにしよう。

司祭長とは分かり易く言えばローマ法王である。「#Ⅳ」エンペラーは社長であり父であった。これは物質面での権力者であり上に立つ者だ。「#Ⅴ」ハイエロファントである私は精神的な父であり心の拠り所であり精神的な指導者だ。

また司祭は信者に対して儀式を行う役割もある。入学式や卒業式、入社式、結婚式。節目の時に人間は儀式をするものだ。それを通過儀礼と呼んでいる。通過儀礼とは「ある集団や社会で一人前の人間として認められるための儀式」である。自分が「どの世界に属して生きていくのか」を社会において認めてもらうものだ。人は必ず人との関わり、つまり集団活動の中で生きている。それを社会性と呼び「#Ⅴ」ハイエロフェントは社会性を表すカードである。

人にとって始めて出会う集団(社会)は「家族」である。だから私は「家族」というキーワードもある。

式(儀式)は昨日までの環境や自分と気持ちの中で区切りを付けることが出来る。きっと「さぁ、次が始まるぞ」と気持ちを新たに出来るだろう。きっと数十年先に式を思い出して懐かしむこともあるかもしれない。

「#Ⅱ」プリッテスと同じく私の目が白目なのは「見えること」だけに囚われないようにしているからだ。覚えているかな?「#Ⅱ」プリッテスはに描かれているのはギリシャ神話の狩りと貞操の女神・アルテミスだった。アルテミスはエジプト神話では妻のイシスでもある。「#Ⅱ」プリッテス(イシス)は「精神性」を大事にしていたが、そのイシスが私の心にスポットライトを当ててくれている。心の声にフォーカスすることを促している。胸の中にいるホルスは私の心の声の表れでもあるのだ。

子供は純真無垢で物事に対して素直に疑問を持つことが出来る。時に子供は思っていても口に出来ない大人とは違ってビックリするくらい的を得た意見を言うだろう?私のように役割が大きく社会性が強い人間ほど、世間の目が気になって素直な想いを忘れてしまう。そしてその役割に本心が負けてしまうこともある。ホルスは私の良心なのだ。

司祭長として良きアドバイザーでありたいと思う。頭でっかちな知恵ではなく経験に基づいた知識として伝えられるように日々学んでいる。そして「良心」というものを問いかけることを心掛けている。それが人々からの「信頼」を得るのに必要不可欠だと思うからだ。

役割的に少々頑固で保守的ではあるが、教えを乞う人には常に良い援助者・支援者でありたい。現代では公務員や教師に近いイメージかもしれないな。四隅の仮面は私のペルソナだよ。「父」「司祭長」等々、誰でもその場その場での役割があるだろう。社会で生きていく為にはその仮面が必要でもあるのだから上手く使い分けると良いだろう。妻がライトを当てて私を本物よりも大きくクローズアップしていようにも見える。内助の功は有り難いものだ。

これでも美意識は高いほうだが、やはり伝統とか長く続いたものが好ましい。私の長所でもあり短所でもあるが、一度掴んだものは離さないから変化は苦手だ。だから過去ことはよく覚えているので喧嘩をする時は100年前の話を持ち出してしまい妻に怒られるよ。立場的に安定感や安心感を与えるのが私の役目だと思うので、それはそれで大切なことだと思っている。

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