見出し画像

心の病院シリーズ3~ARTIZON MUSEUM~

どうもこんにちは。みいです。
去年行った衝撃の展覧会を共有します。



またしても、東京に居た。
このシリーズはまず東京に居るところからはじまっているのだろうか。
東京以外も美術館は巡っているのだが、今日はやっぱりこの話がしたい。



1.ARTIZON MUSEUM


石橋財団のアーティゾン美術館(旧ブリジストン美術館)が意外と宿の近くにあると知ったその夜、どんな展示があるかもわからないまま翌日の入館予約をした。
石橋財団なら間違いないだろうという私の見立て。

間違っていなかった。

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 
写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
(下のリンクから展覧会の3Dビューが楽しめます!おすすめ!)


という展覧会が行われていた。
タイトルだけみても???という感じだったのだが、セザンヌという文字に惹かれて日本橋と京橋と八重洲の間のようなところにある真新しい建物に足を運んでいた。
今になると、以下の説明が一番ピンとくる気がしている。

両作家がその活動の初期より関心を寄せ続けていた
セザンヌの作品を起点に、現代の写真作品と絵画の関係を問う試みです。

公式HP https://www.artizon.museum/exhibition/past/detail/539
より

両作家というのが、写真家の柴田敏雄さんと鈴木理策さん。
このお2人がセザンヌやモネ、雪舟などの作品をを見事に写真で表現されているのだ。
誰が見ても写真なのに、ただの日本の鉄橋だったり、アメリカの山肌だったりするのに、全開で画家たちの息遣い、筆遣いを感じる構成。
あれ?画家の方が影響を受けたのかな?なーんて思ってしまいそうなくらいに、見事にその画家の空気感なのだが、もちろん彼らの質感もしっかり表現されている。


2.鈴木理策

まずは、鈴木理策さん。

ええいっまどろっこしいのは抜きにして、見ていただきたい。
百聞は一見に如かず。

ジヴェルニー 16,G-41(2016)
鈴木理策
水鏡 14,WM‐77(2014)
鈴木理策


画質と色調が悪いのが申し訳なさすぎるのだが、それにしたってすごい。
どうみたってモネの睡蓮。

鈴木さんはモネやセザンヌに関心を持ち、彼らの制作した場所を実際に訪れて撮影した。(経緯は省略させてもらう)
そして、水面を撮っているときに、次第にモネに近づいている感覚になったという。

まさに。それ以外の感想は見当たらないかもしれない。
モネが絵画を描くのに、レイヤーを使っていることに気付き、写真でもそれを表そうと、ピントや水面の光などに力を注いでいるそうだ。

この作品は実際の展示では、モネの睡蓮と隣り合わせで展示されていて、睡蓮もモネも知らない人でも共通点や相違点、そしてレイヤーを感じることができるような形になっていた。

作品自体もだし、展示も粋すぎた。
唸った。舌を巻いた。



3.柴田敏雄

続いて、柴田敏雄さん。
こちらも百聞は一見に如かず。


タイトルは見ずに2枚の写真をぼーっと眺めてほしい。
だんだん抽象画のように見えてこないだろうか。
物を立体的に写せるはずの写真だが、極力それを控えて景色を絵画のようにフレームに収めることに成功していると感じた。


では、下のタイトルを見てみよう。

上:愛媛県四国中央市(2019)
下:新潟県柏崎市(2021)
柴田敏雄


そう、日本の景色なのだ。
ばりっばりに日本の景色で、そこらへんに、どこにでも転がっていそうで、道端で視界に入っても何も思わないようなそんな景色。
なのに、柴田さんのフレームに収める技がすごすぎて、セザンヌやマティスを感じさせるのだ。


もうひとつ、私の好きな初期の「ナイト・フォト」シリーズ。
かっこよすぎるのは当たり前として、モノクロの中の光と影の質感が絶妙。

左上:東名高速道路 牧之原サービスエリア(1986)
右上:常磐自動車道 守谷サービスエリア(1986)
左下:常磐自動車道 友部サービスエリア(1986)
右下:東名高速道路 鮎沢パーキングエリア(1986)
柴田敏雄

そして、こちらの舞台はヨーロッパ、、、かと思いきやまたしてもばりばりの日本のハイウェイなのだった。
日本の中にあるヨーロッパに気付かせてくれた私にとっては偉大な作品。

信じられなくて何回も戻ってきてじっくり眺めた。
彼の目には世界がどんな風に映っているのか。。。


4.終わりに

いやいやいや、お二方とも素晴らしすぎてこの10倍くらい書けそうなのだが、とりあえず今日はここまで。
もともと、この展覧会はお一人ずつでの開催を考えていたところ、お二方のセザンヌを重視している点や他のプロセスにおいても共通点があったため、同時に扱うことになったそうだ。

なんとグッジョブなんでしょう。
美術館に足を踏み入れたときには全く知らなかったアーティストを、美術館を後にする頃には大好きになってしまった現実。
しかもそれが一人ではなく二人も。
とてもラッキーだった。
自分の勘を信じてよかったと強く思う。


この展覧会におけるお二方のセッションがyoutubeで公開されているので、気になる方はぜひ。
ちなみに私は去年、夏の終わりにベランダでりんごジュースを飲みながら見ました。

そして、一部の内容は公式カタログを参考にさせていただきました。
ありがとうございます。


やっぱり長くなっちゃいましたね。
この展覧会は終了していますが、石橋財団は間違いないはずなので、ぜひ足を運んでみてください!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
ではまた明日!

天使にまた来ることを誓った



#ARTIZONMUSIUM   #セザンヌ #鈴木理策 #柴田俊雄 #みい日記


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?