業務連絡されたら

「♪業務連絡します。2番レジ、解放お願いします。」

少しづつ賑わってきた店内に放送が流れる。
レジ前に数人が並ぶと、応援要請のコールが流れる。

パタパタと店員さんがレジに走る。

無言で並んで買い物を進めて、レジの店員さんの一人トークで、無言でお金を差し出し、商品購入を済ませて立ち去る。

極々日常的になった、この買い物風景。
これが有難くもあり、苦手でもあり。

ほっといて気分の日は、買い物のレジ精算の時に会釈で対応する。
普通の時は、はい、どうも。位は言う。

「いらっしゃいませ！」
というご挨拶にも同様で、コンビニでもスーパーでも、私は会釈かこんにちは位は反応を示す。
なんとなく「お客だから許される」感じが苦手だから。

更に店内が賑わい出した。
レジ前に並ぶ人のイライラ感がじんわり。

「♪業務連絡します。3番レジ解放お願いします」

「はーい(^O^)/」

うっすら響めく店内。
元気な男の子の声がした。
思わず私はにやけていた。

お母さんが小声で、
「あなたに言ったンじゃないでしょ。」
と、笑っていた。

「うふふ('∇')」
と、当人は笑って
「これ買う？」
と、商品を指さしていた。

これ、ありなんじゃないかなと。
機械音声のコールで業務連絡しても、
「はーい」
の一言でこれだけお客さん達が落ち着くならば。

そして私も、そんなことがあったなら、お返事してみようと思った。

男の子の元気なお返事に、
ご機嫌で買い物を済ませて帰れた。