コミニケーションブレイクダンス 残された時間
両親が相次ぎ入院中。
父に面会できた。
さすが体力魔神、
私に片手を上げ、スタスタ歩いて登場!
病棟の眺めがとても良いらしい。
病棟も談話室も気持ち良いところで、私はほっとする。
眺めが天地創造だね。
食事も、程度が高いよ。
俺は魚が嫌いだけど、骨が丁寧に抜いてあるんだ。
父独特の言い回し。
母に、父の短い動画を送る。
返信はないが、数時間おきに既読にはなる。
病院嫌いの父が、いきなり入院、
神経質でもあるから、
周りの物音や動作がさぞ気になるだろうと思う。
今のところは、気楽にしているみたい。
父は、なんで入院しなくちゃいけないかね、と訝しげ。
やはり、病識が薄い。
話がよくわかるようでいて、
肝心なことがなかなか伝わらない。
時間制限があるので、
会合のキャンセル、連絡しておく人、
持って来て欲しいものの確認をとにかく済ませる。
父は最近スマホを買い替えて、
まだ設定が終わらないままだった。
母の容態を短めに話す。
わたしが母に会えるのは数日後。
ありがとう、大変お世話になります。
たえちゃんはどうしてる
部活か
みおさんは仕事休んだのか、今行けてるの
などと、父はこちらを慮る。
言いたくないけど、
あなたの車なんかはもう少し片付けた方がいいよね、
スポーツのユニフォームとか、散らかってたなあ。
宿題もいつのかわからないのがあったりね、
あれはよくないな。
などと、私の心配も。
要は、親子で互いに心配し合っているのだ。
私がナースに渡されたタイマーがあと10分ほどになる
話が途切れると、
じゃあ、この辺で。
父は手荷物をきっちり整理して立ち上がる。
あらら、気が早いのは家系かな。
次の面会がいつ入れられるか、わからないのだけど。
父は、なんで俺、入院しなくちゃいけないかね、とまた笑った。
やはり、だなあ。
面会後に、私は担当者と面談。
ともかく、父は自宅に帰って来られそう。
残りの日々、余計な心配をかけないように、
片付けをしておこう。