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両刀使い 注:タイピングの話

今回は、パソコンのキーボードタイピングの話。

両刀使いというタイトルを見て、セクシャル的な話なのではないか?と思われるかもしれないので、念の為、タイトルに注釈を入れておいた。

私はタイトル通り、タイピングはかな入力とローマ字入力の両方を使う事が出来る。別に覚えたくて覚えた訳ではなく、環境において必要だったから覚えざる得なかったといえる。

私が何故、かな入力とローマ字入力を両方使える事になったのか。その経緯を語っていこうと思う。

キーボードを初めて触ったキッカケ

私は子供の頃から小説を書く趣味があった。しかし、私が子供の頃はパソコン自体がなかった。いや、存在はしていたが、あくまでも業務用であり、個人で買えるような代物ではなかった。

だから、初めてキーボードを叩いたのは、パソコンではなく、ワードプロセッサ(以下ワープロ)だった。今では全社生産中止になってしまい、すっかり骨董品のようになってしまったワープロ。若い子はワープロの概念すら知らないだろう。

形はノートパソコンに似ているが、この子が出来る事は、文章入力と印刷だけ。当然インターネットには繋がっていない。wikiを見るとパソコン通信に繋がっている高性能モデルもあったらしいが、私は普通の文字入力だけのモデルを買い続けた。

この頃は、ローマ字入力よりもかな入力の方が主流だったので、私は迷わずにかな入力を覚えた。それが後々苦労する羽目になるとは知らずに。

*余談 プリシェの嫁入り

私が初めてパソコンを買ったのは、忘れもしない1999年。女子向けの富士通プリシェという可愛い見た目のパソコンを買った。

下記の記事を読むと、オープン価格23万と記載があるが、こんな高い代物を本当に買ったんだろうか?(忘れもしないんじゃなかったのか)

ちなみに、このパソコンは後述するネトゲで出会った男友達に売った。私の元から手が離れて、彼の元に嫁入りしたプリシェは、ここでは到底書けない種類の動画を沢山ダウンロードされて、穢されてしまった。まるで、田舎から上京させた大事な生娘を、無理やり風俗嬢に染まらされた気分である。

当時、彼に「私のプリシェを穢さないで! それ以上穢すのなら返して」「いや、もう俺のもんだし」と変な修羅場のようになったのは、今となってはいい思い出である。今思えば、若い男性にパソコンを与えたらどうなるか火を見るより明らかである。むしろ、生娘のままいられる方が異常だ。あの頃の私は、何も知らずにウブだった。

本筋のタイピングの話からはズレてしまったが、プリシェの事を書く機会が今後もないと思うので挟ませてもらった。

タイピング訓練になったネトゲチャット

プリシェを買った頃、ドリームキャストというゲーム機でプレイ出来る『あつまれ! ぐるぐる温泉』というオンライン対応のテーブルゲームにハマっていた。

主にトランプ、麻雀を遊べるゲームだが、オンライン対戦が基本なので、試合中にチャットも出来た。私はこのゲームでタイピング技術が格段に上達した。ちなみに、前記でプリシェを穢した彼も、私と夜な夜なチャットをしたおかげでタイピングスピードが上がったと言い、感謝された。

この時もかな入力を貫いていた。周りは、既にローマ字入力が主流に変わりつつあったが、かな入力がローマ字入力の速度に負ける訳がない。初めてトランプ対戦した人が、「え、え、何でそんなに(チャット)打つの早いの?」と驚いていて、終始呆然とした様子なのを未だに覚えている。

私は、そのままかな入力の絶対正義を疑う事なく使い続けた。いや、むしろ速さで圧倒していたので、かな入力への信頼はより深まった。

両刀使いの爆誕

そんな圧倒的な信頼感を抱いていたかな入力だったが、とうとう一途な思いを捨てざる得ない日が来てしまった。

転職でデータ入力がメインの仕事に就いた時、自分のパソコンは与えられたが、他の職場仲間も使うという。

かな入力からローマ字入力に直すには、「Alt」キー+「ひらがな」キーを押せばいいのだが、パソコンに慣れていない人は「これ、何でかな入力になってるの? 直して」と私を呼びに来た。もうその時には9割くらいの人がローマ字入力で(体感)私のようなかな入力愛好家は絶滅寸前だった。

こうなっては致し方ない。私は同じ職場の人に迷惑掛ける訳にはいかないと、観念してかな入力を半分捨てる決意をした。半分というのは、仕事をローマ字入力にする事にして、プライベートで入力する時はかな入力する事にした。同じ部内にかな入力仲間の社員がいたが、その人は頑なにかな入力を続けた。多分、あの人は頑固だから、まだかな入力しているだろう。それは人それぞれだから、いいけれど。

こうして私は、半分かな入力、半分ローマ字入力、結果両刀使いとなった。

メリット・デメリット

ここで、ローマ字入力とかな入力のメリットデメリットを簡単に記しておく。

ローマ字入力

メリット

  • 覚えるキーの数が少ない。

  • 使用者が多いので、共用パソコンで困らない。

  • アルファベットの位置を覚えられる(メールアドレスやURLを打つ時に強い)

デメリット

  • 叩かなければならないキーが多いので、スピードが落ちる。

  • 日本語をローマ字表記に置き換えて覚える手間がある。

かな入力

メリット

  • 1つの文字を打つのに、キーを1回だけ打てばいい。

  • 叩かなければならないキーが少ないので、スピードが速いし、ローマ字よりも負担が少ない。

デメリット

  • 覚えるキーが多い。

  • 指を動かす範囲が広いので、タイプミスが起こりやすい。

  • 使用者が少ないので、共用パソコンで設定を変える等配慮が必要である。

自然と淘汰されるかな入力

その後も仕事ではローマ字入力を続けたが、プライベートではパソコンよりもスマホで文字を入力する事が増えてきた。

昔と変わらず、ネトゲをやっていたが、昔と違い完全ソロスタイルなので、キーボードでチャットする機会がなくなった。小説も今は書いてない状態だ。

そんな感じに、かな入力をする機会が圧倒的に減って、逆にローマ字入力に慣れたので、私はいつからかローマ字入力しかしなくなってしまった。あの圧倒的な信頼を置いていたかな入力から自然と離れてしまったのだ。

最後に

実を言うと、この記事は久々にかな入力で書いてみた。
最初はぎこちなかったが、入力が進むにつれて、指が思い出してブラインドタッチが出来た。自転車に久々に乗っても大丈夫なのと同じ原理だと思う。

かな入力とローマ字入力は、自分が使用する環境でどちらを使用するか決めたらいいと思う。共用パソコンで作業する事が多い人は、周りに迷惑を掛けないローマ字入力の方がいいと思う。そして、スピードを求められ、なおかつ作業量が多い場合は、かな入力の方が速くて疲れにくいと思う。

私はここしばらくかな入力から離れてしまったが、これを機に両方ブラインドタッチがスマートに出来る両刀使いマスターになりたい。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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