エイサイハラマスコイのすごいところ

「エイサイハラマスコイ踊り」をご存知だろうか。近頃私は、この「エイサイハラマスコイ踊り」にかなり魅了されている。

大川ぶくぶというクリエイターの作品に『ポプテピピック』というものがある。かわいい絵柄のキャラクターたちがシュールに物語を展開させていく短いアニメだ。「クソアニメ」のキャッチコピーでTwitterの民に愛されている。(ように私の目には見えている。)この作品から派生した『ボブネミミッミ』という作品があり、こちらの方も「見る麻薬」と謳われ、人気がある。(ように私の目には見えている。)

話題の「エイサイハラマスコイ踊り」は、この『ボブネミミッミ』の作中で、キャラクターが歌いながら踊るものである。つまり、「エイサイハラマスコイ踊り」は歌であり、踊りである。

これに私は魅了されている。とんでもなく魅了されている。どこに魅了されているかというと、それは「エイサァァ~イ ハラマスコ~イ」の「ス」の部分である。以下、私が思う「エイサイハラマスコイ踊り」の魅力を解説していく。

まずは、動画サイトなどで「エイサイハラマスコイ踊り」を見てください。公式の動画が出ていないので、ここにはリンクは貼ることはできませんが。

次に、「アスカ」と声に出して言ってみてください。何度か言ってみたら、今度は「アスカ」と言う時に、自分が「ス」をきちんと「u」まで発音しているか確認してみてください。アスカ、あすか、明日香。

「u」まで言ってなくないですか?口から空気出ているだけじゃないですか?文字で表すなら[aska]って感じで発音していませんか?

そうなんです、語中に出現するサ行音は、子音だけ発音されがちです。

そして、もう一度「エイサイハラマスコイ踊り」の動画を見てみましょう。「ス」の音に注目しながら。どうですか?きちんと[su]と発音されているでしょう。

何が言いたいかというと、「アスカ」のときの「ス」は、[u]まだ発音されておらず、一方の「エイサイハラマスコイ踊り」の「ス」は[u]まで発音されている、ということだ。

「アスカ」のときの「ス」のように母音が抜けてしまうことを確か「母音の無声化」と言ったはずです。

つまり、「エイサイハラマスコイ踊り」の「ス」は母音が無声化されていないというわけです。

私は、「エイサイハラマスコイ踊り」の「ス」の母音が無声化されていない点をものすごく滑稽に感じるのです。

普通に読めば、[haramaskoi]となるところを、きちんと[haramasukoi]と発音するだけでめちゃくちゃ滑稽になっている。演技指導されたのだろうか、それとも声優さんの機転であるのだろうか。

いずれにせよ、[s]と発音するか[su]と発音するかで面白さが変化するのはとても興味深いことである。


加えて、『ボブネミミッミ』が「見る麻薬」と謳われることはここに所以すると思う。

『ボブネミミッミ』は、作中の気付かないような細かい点から滑稽さを仕掛けてきている。それが、人間の脳をコチョコチョとくすぐり、気持ちよく刺激し、ドーパミンが出させるのだ。これが「麻薬」と呼ばれる所以だと、私は考える。

あの短い数分の作品のうちに、きっとたくさんの仕掛けがあるのだろう。そのうちのひとつが、今回の「母音の無声化の観点から見たエイサイハラマスコイ踊り」だ。

きっと私が気づいていない仕掛けがたくさんある。もっと何回も見て、仕掛けを発見していきたく思う。

みなさんも是非見てください。そして、仕掛けに気づいたら教えてください。


エイサァァ~イ ハラマスコ~イ






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