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10月吉日、第七官界彷徨しながら現実に星を見つける。


 夢の中でnoteの記事を書いていた。コンクリートのブロックはレシーブするのがよいとのことである。スキもそこそこついていた。
 どんな内容だ。更新しなきゃと焦ってるんだな。


 工業製品みたいにつるつるした彼女たちはカバンに学校帰りにショップで買ったマスコットキャラクターをいくつもぶらさげて一緒にスマホでヒットチャートに上がってきた曲を聴いてるからよくできた自動人形みたいだ。


人間人形時代。
性別も年齢も国籍も曖昧になってゆく。
もうそんな世界になってきているんじゃないか。タルホが言ってたフェアリー時代に。


 心があちらに行きがちになると、こっちに戻った時にひどく憂鬱な気持ちになるから、なるべく人とは会わないし話もしない。沢山の人がいて合わせないといけない場所には行かないようにする。バランスを取るためには料理をする。野菜をさわると気持ちが落ち着く。やはり植物の力が大きい。


第七官界彷徨。アップルパイが好きなの。
蘚が恋をするように恋をしなければこの世界にいるのはなかなかにつらいことだろうよ。


今に繋ぎとめるものが必要なのだよ。
 私たちの意識はほっとくと、あっちこっち自由に行ってしまえるから。
 学校とか仕事とか行事とか用事とか目の前にある現象にかまってないとすぐにどっかいっちゃうんだ。常に時間の数字をタイムウォッチで横目で見ながら遅れるとか忙しいとか呪文みたいにとなえて一日が終わるけれどそれはもともと無いようなものだから。
 意識は今に縛られてずっと現実という名の夢を見ている。
YOU、解き放っちゃいなよ。
こわくはないよ。
 魔法にかかる適性があった人がみんな一緒にやってるだけで適性がなければ別にやらずに済ましてる。安心してると思いこんでるけど本当は違うんだよね。ふとした間合いで魔法のとける瞬間がある。不安がしのびこむのはそんな時なのさ。


ひたすらこちらの事柄がめんどくさいのは身体が重いからなのだ。仕方ないのだ。重力の問題がある。


 こちらの現実世界にも夢の現象が混じっていることがある。
 わたしはひたすらそれをコレクションすることでなんとか生き延びてきたんです。
 そちらがわたしの現実なんです。
ところで、最近コンビニで見つけたこのお菓子は、まるで稲垣足穂の『星を売る店』そのものでしたが。


駅売店でも売ってた。なんて時代だ(笑)
とんでもないな~💫


そろそろ、こちらの夢も醒めかかってきたような、そんな心持ちのする、10月の秋の一日、なのでございます。

ーー このものは召し上ることだって出来るのでございます。たとえばでございます。コクテールの中へお入れになっても、風味、体裁、なかなかしゃれたもので、さくらん坊だの乾ぶどうだのあんずの実だののたぐいとはまた段が異ります。少々ぜいたくでございますが、粉末にしてタバコの中へ巻きこまれますと、ちらちらと涼しい火花が散って、まこと斬新無類の夏向きのおタバコとなります。さらにこのままフラスコの中に入れて、アルコオルランプか何かで温めながら、少しづつ蒸気をお吸いなされるなら、オピァムに似た陶酔をおぼえ、その夢心地というのがまことにさわやかで、中毒のうれいなどは絶対になく、非常にむつかしい哲学書の内容なんかも、立所に判るそうでございます。奇妙なことに、紅いのはやはりストローベリ、青いのはペパーミント、みどり色のは何とかで、黄色はレモンの匂いと味とに似かよっているとのことでございます。もっともいくらかの癖を持っていますが、それもお馴れになると、かえって離れがたい魅力になるとか申しております」
「いったい何物なんです?」
「星でございます」
「星だって?」

稲垣足穂 / 星を売る店




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