見出し画像

vol.2 SOUP-Radio 津和野#1阿部龍太郎

1、SOUP Radio本編

記念すべき第一回目のゲストは…
阿部龍太郎さんです!!
ありがとうございます!!
前編、後編とあるので、今回は前編をお届けします。

阿部さんの紹介は、このnoteの記事にすばらしくまとめられています。


2、三松堂のりゅうちゃん

(ケンケン)
今回は初めてゲストをお呼びします!阿部龍太郎さん。りゅうちゃんって呼びますけどいいですか?
皆さんご存知の通り、津和野町の三松堂で本店の店長をされております。お店が道路に面しているので車で通るとよく目が合うんです。

(りゅうちゃん)
たしかにたしかに!

(ケンケン)
多分みんな見てるよね!
そこで働かれてどのくらいですか?

(りゅうちゃん)
もうね、19年経っちゃうんです。老舗の和菓子屋に勤めてまさかこんなに長く務めるとは思わず。

(ケンケン)
いつから勤め始めたんですか?

(りゅうちゃん)
高校卒業してすぐです。
僕、ただ和菓子が好きで。どら焼きが好きでした。ドラえもんの影響が強いですよ。どら焼きが好きだけどやっぱりあんこが好きで。
実家でも年末におもちをつくときにあんこもドカッと炊くので。あれから虜になっちゃって!
そしたら高校に老舗の和菓子屋の求人が出ていて、しかも自分であんこから炊いているメーカーだと思って。

(ケンケン)
なるほどっすね。

(りゅうちゃん)
職人よりも販売員の方に興味があったんです。あわよくば職人の技術的なところも体験できるのかなって。

(ケンケン)
実際はどうでした?

(りゅうちゃん)
やらせてくれました。でも全然できなかった!

(ケンケン)
できるできないってあるんですか?

3、源氏巻のすごさ

(りゅうちゃん)
津和野町には、「源氏巻」っていう小豆のこしあんを薄いカステラ生地で巻いた伝統的なお菓子があるんですけど。
ただあんこ巻けばいいと思ってたんですけど、2本同時にやるんですよ。
もう全然できなくて。

三松堂HPより

(ケンケン)
源氏巻ってすごいきれいだもんね。

(りゅうちゃん)
成形するところも全然だめで。あんこ炊くのもレシピ通りにやってもなんかちがうなって四苦八苦した。
最初から販売で入らせてもらったけれど、研修みたいな感じで工場の中に入らせてもらってちょっと体験するんですけど、難しい!

(ケンケン)
なるほど。それでセールスの方が向いてるかなって感じですね。

(りゅうちゃん)
でもありがたいことに、その体験は今でも商品開発に活かせていて、
その時にしか出せない季節の和菓子とかは社長と一緒に考えたりしてます。

4、思うは招こう会について

(ケンケン)
今日は、仕事をやりながら、それ以外の活動もされているということで来てもらっているのですが、どんなことをされているのか教えてください。

(りゅうちゃん)
僕たちは「思うは招こう会」という任意団体を作っています。
「思うことは招けるよ」っていうすごく素敵な言葉があって。そこから名前をいただいています。
基本的には民間で教育の魅力化をやっています。

(ケンケン)
民間でっていうことは、民間じゃないとこもやってるってことですよね。

(りゅうちゃん)
津和野町には教育の財団があって。
僕らは、本業があってその余剰時間で教育の魅力化というものを学校も地域も行政も一緒にできるような形で活動しています。

(ケンケン)
始めたきっかけって何だったんですか?

(りゅうちゃん)
それは、僕が中学生の時に原体験があって。
やりたいなって思ったことは、結構周りから否定されることが多くて。そういうのはよくないなって言う所に関心が向いてきて。

(ケンケン)
寂しいっすよね。

(りゅうちゃん)
寂しいし、やっぱり辛いなって気持ちが強くあって。
周りの大人のサポートとかも欲しかったけどそれは全然実らなかったから。
故郷の中学校とか高校の学生の人たちには同じ思いはして欲しくないなって言うのが根っこにあるんですよ。
だから、やってみたいってことが消えないようにしてあげたいし。
そもそも生まれないっていうのもよくないだろうし。
形になりづらい所は、誰かのサポートで形にしてあげたいし。

(ケンケン)
なるほど。
自分のやりたいは消されちゃう体験って今でも感じることがあります?

(りゅうちゃん)
今は、あの手この手で突っ切っちゃう!
でも、学校教育の現場に行くようになってからも、好奇心持ってやりたいなっていうのがあんまり生まれてないなっていう感覚も感じてます。

5、りゅうちゃんが公教育に行く理由

(ケンケン)
民間のりゅうちゃんが、学校教育に行くってどういうことなんですか?
和菓子屋の店長がなんで?って不思議な話だなと。

(りゅうちゃん)
最初は、ふるさと教育っていう、町で働いている大人を授業に招いて、どんな思いで働いているか?っていうところからです。

(ケンケン)
あ~職業体験の延長のやつですね。

(りゅうちゃん)
そういうのがきっかけで、その後も継続的に関わるような活動をして、今は「学校運営協議会」にも関わっています。

(ケンケン)
何それ?知らない!

(りゅうちゃん)
校長先生が作る学校教育計画。そこに地域の人が一緒に入って、計画を評価したり、こういう課題があるので、地域の人をサポートして課題解決しようって言う取組みがあるんですけど。そこでも継続的に生徒さんと触れ合う機会も多くて。そこからいろんな情報が入ったりもして。

(ケンケン)
今は、学校運営協議会も、思うは招こう会としても関わってるっていう感じなんですね。

6、すごく感動した講演会

(りゅうちゃん)
植松さんという北海道でロケットのエンジンとかを実証実験されているような方がいて。企業の社長さんなんですけど、宇宙産業の事業にもいろいろ取り組んでらっしゃる面白い人なんです。
この方は、教育現場への講演会もされていて、
以前益田市で行われた講演会を聞きに行ったときにすごい感動しちゃって。

(ケンケン)
どんなとこに感動されるんですか?

(りゅうちゃん)
ちゃんと夢を実現できるんだよね。
やりたいことは、「だったらこうしてみたら。」っていう言葉でちゃんと実現できるんだよっていう。すごく背中を押される温かいメッセージを言ってくれる方で。
これちょっと町の子どもたちに聞かせたいなっていう気持ちになっちゃったんです。

(ケンケン)
りゅうちゃんが学生の頃に聞きたかったみたいな感じ?

(りゅうちゃん)
本当そう!当時聞けたらなんか引っ張り上げてくれたでしょうね。

(ケンケン)
そういう人が、自分のすきな町に来てくれるって言うだけで嬉しいよね。

(りゅうちゃん)
本当そうなんすよ。僕らの団体は、最初はこの植松さんを津和野町に呼んで講演会を実行するための実行委員会だったんですよね。
益田市の講演会に行ったとき、たまたまなんですけど、津和野町の知ってるメンバーが多くて。

(ケンケン)
あ~そうなんだ。

(りゅうちゃん)
そのメンバーと、これ津和野に呼びたいねって盛り上がっちゃって!
それが僕らの背景なんです。

(ケンケン)
それは何年くらい前の話?

(りゅうちゃん)
8年前。
2016年っすわ。

(ケンケン)
ちょうど僕が移住した年だ。

(りゅうちゃん)
ケンケンさん、まだ8年?
すっごい昔からいる感じ!

7、2017年に植松さんの講演会を開催

(りゅうちゃん)
2016年に立ち上がって、2017年に植松さんの講演会が開催できたんですよ。

当時の様子はこちらのnoteに詳しく載っていました!

(ケンケン)
なるほど。その時は高校でやったんですよね?

(りゅうちゃん)
津和野高校の体育館かりて、日原中学校、津和野中学校、津和野高校全校生徒集めて約500人。

(ケンケン)
500人!すごい!

(りゅうちゃん)
ね、本当に!
行政と学校と地域のみんなで作ったような。

(ケンケン)
やばいねそれは!一大フェスレベルだね!
その時、なんかぶっ込めたわけじゃないですか。
自分の中で変化があったことはありますか?

(りゅうちゃん)
北海道から植松さんを呼ぶお金が必要だったから、いろんなところに行って寄付をお願いしました。そして割と応援してくれるんすよね。
飛び込みで行ったところでさえも、「持ってきな!」って感じで。

(ケンケン)
すごいね。

(りゅうちゃん)
濃い関係性のある人じゃなくて、初めて会う人にも、「こんなんあるんですけど!中高生に聞かせてあげたいんですよ!でもお金が無くて困ってます」って飛び込みで行って。
そしたら、応援してくれる人がすごく多くて。子どもたちのためになるなら使ってくださいって声かけてくれる人もいたので教育に関心向いている人が多いなっていうのは感じましたね。

(ケンケン)
津和野ってそういう雰囲気なんだ。僕はまだ子どもがいるわけじゃないし。でも津和野の大人が教育の現場に対して前のめりっていうか、そういう感覚はあるんだけど。お金を渡してくれるレベルってすごいっすね。

(りゅうちゃん)
なんか地域の若い衆の僕らが、すごく情熱的にやってるっていうのも少しあったと思うんですけど。
そこを応援してくれる人もいるし、企業さんからの寄付もかなり多かったんで。
でもすごいなぁと思って。いまだに覚えてます。8年前のことですけど。

(ケンケン)
いや、なんかすごい体験だったろうね。

(りゅうちゃん)
今でも活動を続けさせてもらえるのも、やっぱりそういう人達からの応援とか思いも直接聞けちゃったんで。

(ケンケン)
俺だったら、クラウドファンディングでちょっといい文章書いてとかって思うけど。
なんかそれをダイレクトに行けるって1番強いし、1番地域のムードを上げるような活動なのかもしんないなって。
教育に対しての熱量を上げていくみたいな活動。お金を頂きに行くって言うだけでもなんかすごくいい活動だなって。

(りゅうちゃん)
確かに、寄付っていう行為自体がね。お互いに熱が上がっていくような感覚ありますよ。現場には行けないけど応援してるよ。ってちゃんと言葉もかけてくれるんで。こっちも熱は維持できるし、むしろ上がるし。

8、津和野町に生まれ育って36年

(ケンケン)
りゅうちゃんは津和野で生まれ育って・・・

(りゅうちゃん)
そう。生まれ育って僕は36年ずっとここ。

(ケンケン)
ジモティが一緒に活動するってどんな雰囲気なんだろうと思って。
移住者が活動しているっていうのは、ちょこちょこ見られると思うけど、ジモティの人たちはどういう風に動いてて、どんな雰囲気なのかなぁって。

(りゅうちゃん)
まずね、年齢差がすごい!
自治会みたいなので言うと、70、80歳の人達と。

(ケンケン)
同級じゃない!

(りゅうちゃん)
同級じゃない!そもそも同級があんまりいないんだけど。
でもちょっと探したらいるんですよね。教育現場の仕事行ったり、本業の仕事してたりすると。
あ、久しぶり!って言うのはすごくあって。講演会とかに行っても。
あ、いるんだ!っていうのがよくあって。
そこから、なんか面白いことない?みたいな話から。大きい課題はみんなで解決するんですけど、ちっちゃい課題は結構ほったらかしの方が多くて。そういうのを同世代の人達とお互いのスキルを出し合いながらやるっていうのはあります。

(ケンケン)
そうんだ。へぇ~。

(りゅうちゃん)
本当にちっちゃな課題でも困ってたら声かけるし、かけられるしっていうのはあるんですよね。

(ケンケン)
そうなんだ~。僕ら的には、そういうとこあんま見えてなくて。どんな感じなんだろうなと思って。一緒に活動したいんですよ。

(りゅうちゃん)
そりゃそうですよね!

(ケンケン)
なんかそこの隔たりとかなく、面白いことをやれたらいいなってずっと思ってて。なんかジョイントできたらいいっすね。

(りゅうちゃん)
なかなかね。でもオープンな人がちょっと少ない。

(ケンケン)
でもそのムード感って。僕今日聞けて良かったなっていう感じはしてる。

(りゅうちゃん)
でもちゃんとプッシュしたら打ち返してくれるというか。いい感じにこれならできるよって言ってくれるんで。
ちゃんとこっちも小さな課題でもシェアしないといけないんだなって思ってます。そしたらちゃんと解決できるっていう肌感はありますね。

(ケンケン)
うん。なんかいいですね。楽しみですね!コツコツ育てていくっていうのを僕は欲しいけど。なんかムードを上げていくみたいなことができたらいいな。

(りゅうちゃん)
ぶっちゃけジモティと移住者でそんなボーダーとかないんですけどね。

(ケンケン)
いや、僕も無いと思うんだけど。なんかなかなか会わないなっていう。
まぁ会う場所が無いのか~。接触頻度が低いのかもね。

(りゅうちゃん)
夜糧ありがたかった。

(ケンケン)
夜糧って言うのは、今僕が運営している「糧」っていうお店で、夜の時間は運営してるわけじゃないから、みんなでご飯食べる会をやろう!みたいなのをやってたよね。
今も月1回はやってるけどね。
そういう場所に移住者だったり地元の人だったりがちょっと交流してみたいなのはあるんだけどね。それ以外で津和野で接触する機会作るとしたらなんか欲しいものあったりします?飲み屋っていってもなかなかね。

(りゅうちゃん)
そうなんすよね~。

9、地元の人も移住者も

(ケンケン)
独身の頃は飲み会とか出てたかもしれんけど。結婚して子供もできて、ちょっとなんか家が居心地いいなっていう感じでしょ?

(りゅうちゃん)
居心地いいなって言うか…夜を軽くした方がパフォーマンスが上がるって言うのもありますけど。
出づらいですよね、飲みってなったら。

(ケンケン)
だれかそこのコーディネートやってほしいよね。
大きい共同オフィスみたいなのがあって、1階がカフェで奥がコワーキング。上がシェアオフィスみたいなのがあったらなんか素敵だなって。あとは駐車場がいっぱいあれば。

(りゅうちゃん)
集いの場あるないじゃ全然違いますよね。

(ケンケン)
気軽に声かけて相談できて、あれやりたいんだけどさ、あいついるよ!みたいな感じの。

(りゅうちゃん)
うんうん。まさにまさにそう。

(ケンケン)
そのノリができるエリアだと思うからね。

(りゅうちゃん)
なんかそういう感じの軽いノリで紹介されて、実際につながって1つプロジェクトやったことがあるんですけど。
僕は今までプロジェクト系ってやってこなかった。でもやってみたらすごい苦労とか分かるんですよ。
そしたら、いろんなプロジェクトやってる人を逆に応援したくなる。応援代だけとっといてみたいな寄付を渡したりってのもあったんで。
なんかそういう感じでどんどんやっていったらいい広がりができるなと思ったりしますね。

(ケンケン)
うんうん。

(りゅうちゃん)
だから集いの場が欲しい。

(ケンケン)
りゅうちゃんは、三松堂があって。
そこがりゅうちゃんに会いに行ける場所。
りゅうちゃんに集える場所。
コーヒーとか源氏巻きとか買いに行こうみたいな感じで会いに行ったら、りゅうちゃんの話聞けて。
そんな風に、会いに行ける人が活動的だと繋がりやすいって言うのもあるかも。

(りゅうちゃん)
ありますね。
どこに誰がいるか。
それはっきりしてたら本当にいいっすね。

(ケンケン)
はい。とりあえず前半ということで。
後半は、植松さんが今年来るって言う講演会の話を含めてお話を聞いていきたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?