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韓国ドラマ「青春の記録」で描く20代

韓国ドラマを見てて、”最後まで見て初めて何を伝えたかった作品なのかわかる”ってことありませんか?
海街チャチャチャとかわかりやすい。
あれはラブコメディと見せかけたヒューマンドラマ。
ヴインチェンツォはちょっと分かりにくいけど、巨大企業に立ち向かうイタリアマフィアのポーズをとりつつ、カサノの孤独が裏テーマだった(と思ってる)。

今回は2022年新年一発目韓ドラ「青春の記録」。
青春の記録は、売れない俳優がスターになっていくところがテーマと思いきや、もっと大きく、本筋は20代でぶつかる壁にどう立ち向かっていくかだった。どうしてそう感じたのか、翻ってわたしの生きてる20代について考えたことを残したいと思います。
「青春の記録」素敵な作品だった。

私の持ってる固定観念の中では、主人公がスターになり、好きな人と結ばれたところで物語は終了します。彼らのその後の物語を意志をもって描くところが、このドラマひいては韓国ドラマの面白いところだと思っています。

見終わった人なら、親との関係性を丁寧に描かれていたことがわかると思います。ヘジュンと父親・母親、ジョンハと母親・父親、ヘヒョと母親、ヘナと母親…。お互いを思い、良い関係を築いている場合と、エゴが絡まり複雑な関係性である場合と。親が子供らしさを素直に認めることができず、子供はもがき続けてた。

私が感じたことは「どんなに抗っても子供は親の影響を受けてしまう」ということです。
個人的な話になりますが、私は幸せなことに夫婦仲の良い親から愛情を受けて育ち、仲の良い兄妹が2人、大学まで行かせてもらい、今のところとても幸運な人生です。来年就職で実家を出るまで20数年、親と同居してきました。最近になって、なぜか反抗期が遅れてやってきています。思春期にも人並みに反抗期はあったのですが、今の反抗期では親から思考・行動の影響を受けている、染まっているということがなぜか受け入れることができないのです。

青春の記録で登場人物たちは、20代をかけて親からの影響をどう受け継ぎ、どう育ててもらったのか、その中で自分のアイデンティティはどこにあるのかを苦しみながら見つけていきました。
それは20代をかけて解決していくほど大きい悩み、親に対するもつれた感情はいつかほどくことができるという希望、そして乗り越えた先に30代が待ってる。そう思ったら今の苦しさも少し楽しめるような気がしてきます。
わたしにとって救いだったのは、ジョンハやヘジュンみたいに軽やかで自分を持っていても抱えきれない現実に苦しい思いをすることもあると見せてくれたことです。自分を持っていて賢くて人を思いやる心も持っていて、きっとそれは思春期、20代前半を経て身に着けていった彼ら自身のアイデンティティで。そんな素敵な彼らが全力でぶつかり悩み、答えをみつけていった。
わたしも悩んでいいんだと、背中を押してもらえたような気がしています。
すぐには見つからないとしても、乗り越えた先に新しい未来が待っていると思って、たくさん悩んで迷って、わたしの20代も駆け抜けて生きたい。




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