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UXデザイン連続セミナー2019 Day3

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ユーザー体験の俯瞰的な可視化によるアイデア発想手法

ーーーーーーーーまずは前回のペルソナデザインの振り返りーーーーーーー

ーペルソナってそもそも必要なの?

巨匠、天才、センスのいい人はペルソナもリサーチも必要ない。
なぜなら彼らは常に自分の中でリサーチしているから。一般人の視点から離れて複雑なことをからめて多面的に視て考えることが出来る。未来が見えるこれらの人にはペルソナもリサーチも必要ない。数年後に一般人の中の数割が必要だと気づき始めるものが見えているのが天才。

そうでない凡人にはペルソナは非常に効果的。
抽象的な今ある問題を人格化することで、感情が現れ共感できるようになる。
感情の動き体験まで可視化でき複数人で共有し、いろんな見方で議論できる。

ペルソナを作っていく過程に意味がある。
インタビュー、問題提起、価値抽出、すべての過程の質が悪ければペルソナの質も悪くなるし、すべての過程の質が良ければペルソナの質も良くなる。

ペルソナを完成させるよりも前に確信的な良いアイデアを思いついたら、ペルソナ作りよりも先に早く作った方がいい。
成功したらやっぱり正解だったってことだし、失敗しても早くやり直せるから。

必ずしもテキスト通り進む必要はない。

ペルソナが複数人できてしまう時は、このチームはこのペルソナにフォーカスしようというふうに決めていい。

ファインディング5人を境に減少し、13人を境にゼロになるという論文がある。

インフォーマントが沢山いる場合、特に鮮烈に印象に残ったインフォーマントを重要視していい。直感は以外と当たるから大切。

ペルソナ作りはやるときりがないから時間でくぎっちゃう。

◆リサーチ→価値抽出→ペルソナデザイン→ジャーニーマップ作成→世に出してみる

◆←この行程は何度戻ってもいいし、どこから始めてもいいし、順番違えてもいい。

ただ、スタンダードに順番からやすと探索しやすいのでそれが基本というだけ。

developからいきなり製品にしてもいい。

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Day3
ペルソナと製品・サービスとの間の理想的なストーリーを描く
ーカスタマージャーニーマップとサービスブループリント

重要にすべきペルソナが明確になってきたら次にすることはペルソナにとっての理想のストーリーを描く

理想のストーリーとは両思いのストーリーであること

ユーザーの先回りをする
→ユーザーの期待や解決したいこと(ニーズ)を製品やサービスと触れ合う経験軸上に最適に配置する→カスタマージャーニーマップ


inside-out…自分がどう考えているのか
例えばドラッグストアのマーケティングの場合、マーケターがドラッグストアに立って客を観察←先入観が入るので注意

outside-in…ペルソナ自身がどう考えているのか

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顧客にとってリアルな世界を描くためにさらに必要なこと

表舞台が存在するために必要なもう一つの舞台とは?

カスタマージャーニーマップでも描かれなかった舞台裏を描く

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従業員や仕入れ業者などが経験する範囲とは、例えば「ロイヤルカスタマーが来店したら副店長以上がお出迎えする」というシステムの店では、実際はロイヤルカスタマーが来たことを認知→そのシグナルが副店長にいく→副店長が店頭に来る、という仕組みが裏舞台にある。

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フロントエンドとバックエンド
サービスブループリント
顧客の経験=表舞台
だけでなく、従業員や関係者の世界についても俯瞰的に描く

ービジネスにおけるサービスブループリントとは?
企業とお客様が共につくる価値交換や価値共創の舞台全体を表した青写真

To-Be(理想)ジャーニーを描くポイント
まずAs-Isを描く

ーAs-Isとは?
ペルソナにとっての問題・課題(フェイル/ペイン)
今、現状の世界において困っていること
恐れていること
ストレスに感じていること
不安に感じていること

ゲインも描くといい
→ゲインはうれしいと感じること

As-Isを一度描いた上でそれを裏返すとTo-Beになる
As-Isをたくさん見つけることが大事

ーーーーーーーーーーーー Let`s try!! ーーーーーーーーーーーーーー
まずは、課題で出ていたペルソナ作成だが、価値抽出を割とそのまま当てはめた人間味の足りない(人格化の甘い)ペルソナであったため、もっと林祐一(A班のペルソナの名前)を知りたいね、ってところから始まった。

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林さんってどんな人間なんだろう?
文字面だけではなくちゃんと生活している”人間”としての林さんをもっと知りたい。。
そうだ林さんの平日&休日の一日のスケジュールを書いてみよう…

→写真取り忘れてしまったけど、書き出した結果、専業主婦の奥さんに1歳2ヶ月の歩き始めたばかりの娘のいるwebディレクターの林さんの一日は大忙し。
平日は朝娘に起こされ、ちょっと遊んでから会社へ行き、10~21or22時頃まで仕事。通勤電車の乗車時間は細切れでスキルアップの勉強のための読書時間などそこに割きたいがたいして叶わず…家に帰ったら子供はもう寝ていて、ワンオペにくたびれ果てた奥さん(もすでに寝てしまっていたり…)

休日くらいは家族との時間を過ごしたいと奮闘。休日の朝くらいはゆっくり寝たいがやはり娘に起こされ起床。日中はお出かけして娘をあそばせたり家族で買い物いったり、家事だって多少はやって奥さんをねぎらわなくては…娘を寝かしつけてからがスキルアップのための勉強に裂ける時間(だが果たしてその気力と体力が残っているのか…??)

スケジュール書いてあらわになったのは
林さん、めっちゃ時間ないやん。
上昇志向が高く家族との時間も大切にしたく、娘と家族の将来を考えて副業まで始めた林さん。
スキルアップのために勉強する時間がほしい→現実問題ほぼ取れていない
副業もがんばりたい→現実問題時間ない
家族との時間も大切にしたい→休日がんばってる、それで今は精一杯
仕事では昇進してwebディレクターになり責任やできなくてはいけないことが増える…

「時間ないっすね。」
「勉強、できないね」
「もっと寝かせてあげたい…」

とA班メンバーもスケジュール表みつめながら林さんに感情移入しはじめる。

ペルソナの人格が見えてきたところで、サービスコンセプトの作成。
私たちA班のサービスコンセプトの策定は思い悩んだ末、

時間を自分の思うようにコントロールできない上昇志向の高い子育てサラリーマン」の
時間をコントロールできないという葛藤」を解決する
自分だけでなく、自分にかかわる家族や会社の人も納得する時間配分の解決策を提案する」製品やサービス

に決定。

個々にはサービスコンセプトを作ってはいたが、全員が納得する形でこのサービスコンセプトが決定できたのは実際にはサービスジャーニーマップが完成した後だった。(井登さんいわくそれでもOk。その前後は問わないとのこと)

そして、壁に模造紙を貼りサービスジャーニーマップの作成。

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モーメントはテーマが「キャリアを通した継続的な成長のためのソリューション」ってことで、とりあえず過去から現在までの3年~5年くらいで設定した。
ステークホルダー(いわゆる裏舞台。林さんに直接関わっている人がどう感じているかを書いたもの。林さんの場合は奥さん、会社の人がメイン)がアイデアを出すのにとっても役にたった!!

林さんはペルソナ設定の段階ではゆくゆく起業したいと考えている設定だった(インフォーマントの一人がそうであったから)が、ここまでつくって、林さんが起業したいと考えているとしたらそれはちゃんとお金を稼ぎつつも時間がコントロールできて家族との時間にさけるからだよね、(もちろんやりがいをもとめる気持ちもあるが)人生のフェーズに合わせてお金や時間をコントロールしたいという思考の一案として起業という考えが浮かんだのではないか、そしてそれは私たちがインタビューさせてもらったインフォーマントももしかしたらそうだったんじゃないか?という話になった。
つまり林さんの理想の状態は起業して社長になることではない。
時間を自分にも家族にも会社の人間にもストレスなくコントロールできることなんじゃないか??

でも現実、時間は24時間しかない。
その中でスキルアップのための勉強したい、仕事もちゃんとやりたい、家族との時間もとりたいってなると、仕事の時間を効率化して圧縮して、余った時間を家庭に割く?スキルアップのための時間に割く?のが正解なのか??
じゃあ、私たちが考えるべきサービスは仕事を圧縮・効率化できるサービス?隙間時間を上手く使うサービス?

待てよ、一人単位で考えると確かに24時間って短いけれど…

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チーム全体の24時間で考えるとスキマ、あるんじゃない?

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時間融通つけられる人に仕事振ったり…

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タスク交換もできるんじゃない?

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さらにプライベートの予定も共有すれば、「この日子供の誕生日だからどうしても帰らせて!」「この時間病院行きたいんだけど、代わりに明日の朝早く来るからタスク移動します」「この人みんなのタスク代行してばかりだから1回有給あげない?」なんて時間の融通も生まれてくるのではないか…?

プライベートも含めた24時間を コミュニティでシェアする
「24時間× 」
というサービスはどうだろう??

このサービス、社内だけではなくて、家庭でも使える。
たとえば時間をシェアするメンバーを奥さん、林さん、奥さんの両親、林さんの両親にした場合、奥さんが体調崩して娘ちゃんのお世話が困難になったとき、林さんが会社を何日も休めなくても奥さんの両親、林さんの両親がそれぞれの融通効く時間に手伝いに来やすくなる。上記の添付画像ような感じでスケジュールを可視化できればシフトを組んで奥さんのワンオペを助けることもしやすくなるのでは…

まだまだアイデアの入り口段階ではあるけれど、「キャリアを通した継続的な成長のためのソリューション」のA班なりの答えが見つかりつつあるような気がする…!

この段階での着地点を踏まえて次回までにサービスジャーニーマップのモーメントを変えて再考することになった。

イノベーションを起こせるようなソリューション目指してまだまだみんなでウンウン悩みながら創り上げていきたい!!




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