『真夜中ぱんチ』にずんだもんが居たので見てみたら真面目なYoutubeものだった
ずんだもんの声優である伊藤ゆいながメインキャラクターとして出演していると知り、見なければいけなくなってしまったので見た。結論から言うと、ずんだもん好きであれば見たほうが良い。
ずんだもん(伊藤ゆいな)
なぜかというと、この苺子というキャラが完全にずんだもんだからだ。エネルギーが切れるとコウモリの姿に戻る。ヴァンパイアだからという理由なんだけども、妖精体の姿があるずんだもんが先なのか、それともヴァンパイが設定が先なのかは分からない。ずんだもんが先だと思っている。
この苺子というキャラクター、たびたび泣くのだけど、泣き声がずんだもんになっている。1話に1回くらいは泣くので、ずんだもん好きであれば苺子目的だけで視聴することができる。故に、ずんだもん好きであれば見た方が良い。
声優の伊藤ゆいなはこれがほぼ初めてのメインキャラらしい。苺子というキャラクターが受ければ、世にはずんだもん需要があることが明らかになる。もっと出演して欲しいので、ずんだもん好きはこのアニメを見て広めた方が良い。
真面目なYoutube
ずんだもんは良いとして、それなら本編の話はどうなのかというと、第一印象とは異なりかなり真面目にやっている。Youtubeモノと聞いたとき、しょうもないトーンになるのではないかと身構えたのだけど、実際に視聴してみたらすこぶる真面目だった。
3人組のYoutuberの一員である主人公が炎上するところから話が始まる。この炎上シーンの演出が非常に怖い。視聴者からコメントで総たたきにされる場面の心象風景が見ているだけで胃に来る。Youtuber(作中ではNewTuber)って大変なんだなと思わされる。
そこから色々あって真面目にYoutubeの登録者数を伸ばすために奮闘していくのだけど、この過程が身も蓋もない。奇跡は起こらず、地道に企画を立てて、動画を編集し、投稿していくだけとなる。リアルである。
こうすれば登録者数が伸びるのではないかと仮説を立てては失敗し、アナリティクスを眺めては再調整することの繰り返しだ。Youtubeというプラットフォームはかくも厳しい。
人外のバンパイアたちは置いておいて、主人公は生身の人間なので精神的に追い込まれたりする。またお世辞にも性格が良いとは言い難い。性格は悪い。性格が良い人間に登録者数を伸ばすことはできないのだ。
ここまで真面目にYoutubeを描いているとなると、物語の目標である登録者数100万人をどうやって達成するのかが気になってくる。100万人といえばかなりの数字だ。
7話の時点では10万人いるのだけど、確かにこのくらいの動画を投稿していれば10万人はいくだろうな、という普段Youtubeを見ている感覚値と一致している。どうやって100万人という数値に説得力をもたすことになるのか、今から楽しみだ。
真面目なバンパイアもの
Youtubeに対して真面目に向き合っているアニメなんだけども、バンパイアに対しても真面目だ。バンパイアの要素から逃げることをしていない。
話の前半では1話につき1キャラの紹介兼過去話をする、という流れが続く。彼女らはバンパイアであるが故の苦しみを抱えている。Youtube要素の合間にそれが差し込まれるので、結構面白い視聴体験ができる。
バンパイアなので相手に招かれないと家に上がれなかったり、血が摂取できないとコウモリになってしまったり、長命種であるが故の人間とのギャップを抱えていたり、きちんとバンパイア要素が話に活かされている。Youtubeをやっていく上での弱点にもなっている。
このアニメの魅力はここにある。物語の序盤で、バンパイアの力をYoutubeに活かすことは封じられてしまう。バンパイアであれば登録者数を伸ばすことなど簡単だからだ。故に生身の人間としてYoutuberをやることになる。
バンパイア要素が真面目に物語へ活かされているのに、Youtubeには活かされない。このギャップが面白い。ただでさえ渋滞している要素たちが、これによって小難しくなっている。網の目を潜るような脚本だ。
今ってなろうで無双モノの方が流行っているんだし、シンプルにバンパイアとしてYoutube無双した方がアニメ人気が出るのでは?という流れを許していない。なぜYoutubeとバンパイアを組み合わせたのか、今をもって謎である。
真面目な作風
真面目でまともだという印象は自分だけではないらしい。とにかくストイックにYoutubeとバンパイアという2つの素材へ向き合っている。ずんだもんが居なかったら息苦しくて見ていられなかったかもしれない。伊藤ゆいなはもっと売れて欲しい。
主人公の背景も重苦しければ、各バンパイアの過去話も重苦しい。Youtubeの分析も重苦しい。マジだからだ。なぜマジにやってしまっているのか。でもマジだから俺は最後まで視聴してしまうと思う。
話はちゃんとしているしずんだもんも居るのに、ネット上では言及されているところをそんなに見ない。俺が思うに、アニメを視聴している層と、一般的なYoutubeを見ている層が分離しているからではないだろうか。陰謀論系Youtuberや心霊系Youtuberやヒカル・ラファエル・相馬トランジスタとかを見ている層がアニメを見るとは思えないし、逆も然りだ。
メインヒロインのりぶの造形もアニメヲタク受けしなさそうだし、Youtube要素もヲタク受けしなさそうだ。とはいえ、終わった時には良作として扱われるのではないだろうか。『アキバ冥途戦争』と似たような立ち位置に落ち着きそうだ。多分バズりはしないけど、一部のずんだもん好きが最後まで見れば良い。
ずんだもん好きの皆さん、『真夜中ぱんチ』を推して伊藤ゆいなを売れさせましょう。それだけを願ってます。それにしても普通に続きが楽しみだな。
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