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乙川でカヌーの練習をしてみる理由

 愛知県岡崎市の市街地を流れる乙川で4月3日(日)にカヌーの練習をします。ソメイヨシノ約800本という乙川や岡崎城の周辺では桜まつりが開かれている期間中で、訪れた多くの方にカヌーを見てもらいたいと企画しました。でも理由はそれだけではありません。乙川にカヌーを浮かべ、その先に思い描いていることを説明させてください。

 練習は3日の午前11時から午後2時までの約3時間を予定しています。場所は、名鉄東岡崎駅から岡崎城へ向かう途中にある殿橋のすぐ下流、川下に向かって左岸寄りの辺りです。駅から歩いて10分ほどのところです。

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 カヌーと聞いて思い浮かべるのは、2016年のオリンピックで羽根田卓也選手がメダルをつかんだ姿という方も多いのでは。羽根田選手がやっているのはスラロームといって、急流でゲートをくぐりながら漕ぎ下るカヌーの競技種目のひとつです。オリンピックでは、ボートと同じ波の少ない水面(静水といいます)のコースで横並びになって速さを競うスプリントも行われています。ほかにも、近年愛好者が増えているSUP(Stand Up Paddleboard)や、20人で漕ぐドラゴンボート、激流で技術を競うフリースタイルなど、カヌーにはいろいろあります。今回、乙川で練習するのはカヌーポロです。
 カヌーポロは、ボールを使って得点を競うチーム種目です。5人対5人で対戦し、水泳における水球(Water Polo)のような感じです。なかなか見る機会の少ないスポーツですが、愛知県みよし市の保田ケ池には常設のカヌーポロコート4面があり、拠点となっています。今回は、ふだん保田ケ池で練習をしているクラブのみなさんに協力を得て、乙川へ来てもらいます。岡崎市在住で日本代表元主将の柴田勝之さん(34)も参加する選手の一人です。

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サッカーなのにカヌー?

 企画したのは「カルチャー&スポーツクラブ岡崎」(CSC岡崎)といいます。このnoteアカウントを持っている任意団体「みんなでつくるプロサッカークラブ岡崎」(みんつく岡崎)が、昨秋に設立した一般社団法人です。
 サッカーなのになぜカヌーを? と思いますよね。
 みんつく岡崎はサッカーだけでなくいろんなスポーツや文化活動をする総合型地域クラブを目指しています。そのクラブを運営するのがCSC岡崎。昨年から小学生のサッカースクールを始め、今春、中学生のチーム「FC岡崎竹千代」が活動を始めます。サッカーに続くスポーツのひとつとしてカヌーも考えています。今回、カヌーを実際に見ていただくと同時に、乙川がカヌーの練習に適しているかどうかを選手のみなさんにうかがいたいとも思っています。

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 CSC岡崎は今後、乙川で定期的にカヌーの活動ができないかと考えています。ここはとても魅力的な環境がすでにあるからです。
 まず、ふだんはとても流れが緩やかで、岸が階段状に整備されて河川敷から川面に出やすく、上がりやすい。初心者でも比較的に安全に始められます。
 そして、街の中心部にあります。冒頭にも書きましたが、鉄道駅が近いなど交通の便がよくて通いやすい。カヌーが盛んなスロバキアへ渡った羽根田選手は、スロバキアのカヌーが強くなる理由のひとつに、練習場所がとても身近にあることを挙げていました。日本では、車で行くような場所が多く、子どもだけでは通いにくくて、親らが車で送迎しなくてはいけないので、敷居が高くなってしまいます。乙川なら、カヌーの保管場所などの課題をクリアできれば、とても身近な練習場所が実現できます。もちろん大人も気軽に乗りに行けます。
 乙川は、スラロームの練習をするには流れが緩くて浅く、スプリントには直線コースが取りにくいかもしれませんが、今回練習に参加する柴田選手は「ポロなら十分に練習ができるし、大会を開くこともできる」と話しています。カヌーポロの活動を間近に見て、興味があったら練習に加わって、やっているうちにスラロームやスプリントなどほかの競技種目がしたくなったらその挑戦を考えるーーという「カヌーへの入口」みたいな拠点になりうるなあ、と想像しています。

カヌーは目的ではなく手段

 強化や普及の拠点となって、乙川からオリンピックや世界選手権で活躍するような選手が輩出すれば素晴らしいですよね。ただそれは、私たちが目指していることの一部分です。
 CSC岡崎は、サッカーやカヌーなどは手段で、最終的な目的はまちづくりをみんなと一緒にしたいということです。スポーツであれば、地域で活動しているチームの選手や元選手、指導者、グラウンドなどの施設は、街の「財産」です。すでにある財産の恩恵にあずかって、楽しみの選択肢を増やせないか、と考えての乙川のカヌーです。
 なにが楽しいとか大切だとかは人それぞれですよね。乙川でカヌーをする理由は、もちろん競技を極めてもいいし、川から自然を観察したいとか、シーカヤックで海から日本一周をするための足掛かりにしたいとか、クラブの人たちと交流したいとか、なんでもいいのではないでしょうか。ただ乗りたい、川から街を見てみたいというのもあり。ほかの競技、音楽や絵画などの文化活動などとの両立もいいと思います。厳しいコーチがメガホンを持ってどなるような光景は考えていません。
 まちづくりは、もちろん岡崎でもいろいろな楽しい活動が進められていて、乙川では数年前から河川敷の活用が市民の力で広がっています。カヌーもその仲間に加わりたい。練習やイベント開催だけでなく、活動場所の乙川や河川敷を自分たちできれいにするなど、かかわり方はいろいろありそうです。

カヌーに触れてみてください!

 4月3日の当日には、日本トップレベルのカヌーポロ選手の練習を見てもらうだけでなく、河川敷にカヌーを用意して触れてもらうことも考えています。お気軽にお声がけください。晴天に恵まれますように。感染対策にもご協力ください。

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