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クーデターによる金融危機

クーデターでミャンマーが直面している金融危機についてまとめます。

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クーデターから3ヶ月が経ちました。ミャンマーは深刻な金融危機に直面しています。預貯金は引き出される一方です。銀行が停止して経済活動が停滞しました。公務員への給与の支払いもままならない状態です。これらの原因は銃を振り回すしかできない国軍のせいです。

国民への支払い

ミャンマーには公務員の年金制度があります。公務員の年金受給者は全国で約80万人で支払いの総額がわずか1000億チャット(約76億円)ですが、それでも支払えない状態です。

民衆政府が人道的な支援として85歳以上方に支給される月10,000チャット(約7,500円)も、もう支払われていません。また妊婦への給付金一月に15,000チャット (約11,500円)も支給されなくなりました。それ以外には毎月支給される障害者支援金も無くなっています。

それでも構わず国軍はロシアから160万ドル分の武器を追加購入しています。これを見れば国軍はなりふり構わず権力の維持を最優先にしていることが分かります。

統治を受け入れない国民の反撃

国民は国軍から統治を受け入れられずあらゆる方法で抗議しています。金融面で国民全員が参加できるCDM活動として以下を活動で抗議しています。

- 税金や電気料金の不払い
- 公務員の前借り給与の不返済
- 農家からの借り入れ不返済
- 宝くじの不買
- 軍閥企業の製品やサービスの不買

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写真はATMから20万チャットを引出すために早朝から並ぶ市民

これらの抗議活動で国の収入が激減しました。警察官や軍人を含む公務員への給与の支払いができない状態です。国軍は4月分の年金も支払えず2ヶ月分まとめて5月末に払うと決定をしています。また公務員の給与は6ヶ月分まとめて支払われると噂も出ています。

3月から宝くじは不買運動で大赤字を出しています。当選者には小切手で支払われたようです。しかし銀行が圧迫されているので小切手の換金もできていないと思われます。また宝くじの最高当選金が本来の3分の1に減らされて5億チャット(約3800万円)になりました。

国軍と軍閥関連企業所有の銀行は貯金が引き出される一方です。今は全ての銀行が一日に引き出せる金額を20万チャットに制限しました。中央銀行は紙幣不足で100、200、500チャットなどの細かい単位の紙幣で支払われています。

モバイルインターネットの遮断により電子マネーも使えなくなりました。この状況に紙幣不足が加担して経済がより圧迫されています。もちろんこれらはCDMの支援にも影響を与えます。電子マネーを使わない地域では近くの町から現金を引出して届けるようになっています。現金不足で支援も困難な状態になりつつあります。

現金を買う

ミャンマーでは個人の消費は紙幣が一般的です。電子マネーは都会から離れた過疎地の小型商店から引き出せるようになっていて主に送金に使われます。しかし紙幣不足によって商店からもお金を引き出せなくなって来ています。その理由で商店に数%の非公式な追加で手数料支払う場合もあります。

銀行は表向きは基本的にATMだけを営業しています。銀行スタッフのCDMが多い為営業が困難な状況です。普段は一人20万チャットしか引出せませんが、20万以上を引き出す裏ルートも存在します。銀行員に引出す額の3~7%の手数料を支払えば好きな額を引出せます。つまり日本でも一時期メルカリで流行った現金を買うことができます。

NUGの支援計画

NUG(国家統一政府)は国民への支援として緊急支援と継続的な支援の2つで政策を検討しています。緊急支援とは下記のように衣食住に困っている方々への支援になると思われます。

- CDMに参加したことで政府が提供するしている住宅から追い出された人
- 戦闘や空襲に巻き込まれて住んでいる地域を離れて非難した人
- 国軍の弾圧で命を落とした方の遺族

継続的な支援はCDM公務員への給与の支払いだと思われます。そのためにアメリカ政府が凍結しているミャンマーの資産10億ドルを引出せるように調整しています。また民衆から民衆への支援をしやすくするために信頼できるネットワークを構築しました。CRPHが公式に認めた団体に世界中から寄付できます。海外からは各国の通貨で直接寄付できるようになりました。

最近元軍人で国軍とやり取りのある方から話しを聞くことができました。彼は国軍への物資の納入する代わりに支払いを受ける予定でしたが急遽支払いが停止されたようです。その額もわずか2000万チャット(153万円)です。国軍は今はそれぐらいの額も支払えない状態です。

国民が銀行から引出す理由

国民は毎日ATMに長蛇の列を作りながらお金を引出しています。毎日引出しているのは生活費や仕事のためはもちろんですが他にも大きな理由があります。それは国軍が銀行の資金で武器を購入できないようにするためだそうです。今日になって数%支払って現金を入手することもできなくなったようです。この事態は国民にも打撃を与えます。今回の戦いは武器での戦闘ではなく忍耐力が勝負を決めます。

国民は国軍が信用できないためお金を銀行に預けないようにしています。現金からドルもしくは金へ変換している人も多いのです。銀行が圧迫されることは間接的に国民全員がCDMに参加していることになります。それから軍人への給与の支払いができなくなれば内部からの不満の肥大化して脱走兵が増える可能性もあります。そうなれば戦わずとも国軍は崩壊します。

支援募金

下記のページでミャンマーへの支援金の募金を受け付けております。

5月8日時点で国軍の武力弾圧によって760名弱の罪のない市民が命を落としました。また戦争難民は数万にを超えています。皆さんの支援があればミャンマーは早く平和を取り戻せると信じています。

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