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葬儀の仕事。超初心者時代。12

今ではすっかりご遺体をどう管理するかはわかってきたところだが、初心者時代はなんで〜?の連続だった。

暑い日のご遺体管理はほんとうに気が抜けない。
それから病院やホームの処置はお粗末w

一般の人にはわからないことだけど(わからなくていいんですが)
私たちは わたつめ ということをご遺体にさせていただきます。
映画 おくりびと (→わたしはさらりとしか見てない)があったときに納棺師になりたいという人が殺到したという話を聞いたことがある。

当家さんの希望で納棺師さんをつけることがあるが 納棺師さんはみなさんの見ている前で故人さんのお着替えから髪の整え、メイクと手際よくこなしていきます。その姿は私たちも参加させていただくたびに感動!
故人さんは布団に仰向けになった状態。
掛け布団をかけたまま、布団のなかに手をいれ、家族が見守るなか洋服を着替えさせる。手元もなかなか見づらいのに掛け布団をはずしたときにはお着替え完了。
手品みたい。
続いて髪を丁寧にシャンプーする。
故人さんの家族も、私たちもみているみんながうっとりするくらい気持ち良さそう。生前中のお写真をみたり、家族にお話ししながらいつもの髪型になるように綺麗に整えていく。
合わせてメイク。
温タオルを顔に当て、皮膚を柔らかくしながら保湿。イメージが変わらないようにまたお話ししながら進めていく。
動きの無駄のなさ、コミニュケーション能力、すべて勉強になる。  

納棺師さんの仕事は処置ではない。家族の心のケアだ。

もちろん料金が伴うが、故人さんを丁寧に送りたい家族には納棺師さんをおすすめする。

納棺師さんまでは予算上頼めない、とおっしゃる当家さんが8割方ではあるが、納棺師さんほどのスムーズさはないけど私たちできれいにはさせてもらっている。

納棺師さんはきれいな部分がほぼ100%(納棺師さんは涼しい顔してますが、ほんとうに大変な仕事だと思います)であるが、その前の処置がすごく大切なことはあまりお客様には理解されていない。

よくドラマや実際にも故人さんの鼻の穴に丸い綿がはいっているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか? あれ、間違いですwww

あの丸い綿、なんの意味もない。

病院やホームの看護師さんのほぼ80%は死に化粧に命をかけているw
そんなことにちからをいれるなら、綿つめちゃんとしてほしいといつもイライラしてしまう。
メイクの仕上げにあの 丸い綿 を故人さんの鼻にいれる。
なにも知らない家族となにも勉強していない病院やホームの方ははあの 丸い綿 をみて 処置終わり! と思っている節がある。
ひどいのは故人さんを安置したときに、家族から 看護婦さんからこれ葬儀屋さんにつかってもらってくださいと渡されました と丸い綿が8個くらい入ったパックと使い捨てメイクパレットを渡されるww

おいおい。

丸い綿は直径1cmくらいのもの。
基本的に処置をしている私たちからすれば鼻の穴からあんなに綿が見えている時点で処置していないことが一目瞭然。
綿つめは 体の機能が全て停止したときにでてくる体液を止めるため。
聞きたくない話かもしれないが、幅1cmくらいで長さ30〜40cmくらいの綿花が片方の鼻の穴に2本〜3本近く入る。っていうかそのくらいいれないとダメ。
直径1cmの丸い綿4個ではなんの意味もないということがわかるでしょ?

はじめて綿をつめていくのを見たときに思ったのは 痛そう。。。
でも今ではしっかり詰めるほど状態を綺麗に保てるということがわかった。
鼻や口、目など粘膜のある部分は腐敗が早い。
だからこそその部分の綿をつめる。 
そしてドライアイス。
ドライアイスは腐敗を止めるために必要不可欠。
首の後ろ、お腹周り(内蔵が入っているので発酵・腐敗がすすみやすい)は特に重点的に! (最初の頃は冷やす場所を間違えてました。)

メイクは処置がしっかり済んでから。


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