見出し画像

皮膚がきれいになっていく

退院してから2週間ほど経ったころの娘の皮膚は、ずいぶんきれいになっていました。
その時はまだ栄養状態もよく、自宅に戻り刺激が減ったことと、私が処置に慣れてきたことで、治癒する速度がびらんができる頻度を上回ることができたようです。

大きな水疱ができなくなる

入院中は、体重が増え、手足の動きが活発になってくるに従って、腕も脚も、おしりも、おなか周りにも、毎日のように新しい水疱・びらんができ、きれいなのは胸と背中くらいでした。
特に腹部は、擦れやすいおむつのウエスト部分だけでなく、体側まで大きな水泡が繰り返しできていました。
大きな水疱がひとつできると、潰したその周りにまた水疱ができる傾向があり、どんどんびらんが広がっていきました。
被覆材の端が刺激になるのかと、被覆材の張り方を工夫して隙間なく覆うようにしましたが、被覆材で覆われていても大きな水疱ができるので、どうしたものか・・・と頭を悩ませていました。

それがなぜか、退院後は大きな水疱がほとんどできなくなりました。

退院後に1回だけ、体側に大きめの水疱を作ってしまいました。
抱いたときに私と接する側だったので、おそらく片手抱っこで家事をしたことが原因だと思い、両手で抱っこするようにしてからは水疱はできていません。

水疱ができないからなのか、退院時にあったびらんが次々に良くなっていって、おなか周りはとてもきれいになっていきました。
また、生まれた時からある左肘の大きなびらんは、なんの薬を塗っても素人には変化がわからなかったのですが、のこり数センチまでびらんが小さくなったときは、「この調子で良くなっていくなら、ずっと生きられるんじゃないかな」と思ってしまうほどでした。

なぞの頭皮のかさぶた

入院中、頭皮が脂漏性皮膚炎のようになり、乳児にしてはフサフサすぎる髪の毛が、かさぶたのようなものに絡まってしまっていました。
かさぶたのせいで髪をきれいに洗えず、たまった汚れから感染するのが怖くて、入院中は髪の毛ごとかさぶたを切り取っていました。(もったいない)
自宅では時間に余裕がでてきたので、毎日少しずつ剥がして全部きれいにしたら、いつの間にかかさぶたはできなくなっていました。
よくよく観察してみると、頭皮の水泡がつぶれて出た浸出液が固まったのかな~という感じでしたが、擦れる後頭部以外にもたくさんあったので、原因は謎のままです。脂漏性皮膚炎ではなさそうと言われていたので、あれは何だったのだろう。

よくならないところも

身体がきれいになっていく一方で、おしり、耳の裏、手の指はなかなかよくなりません。
おしりも水疱はほぼできなくなり、びらんは浅くなってきていましたが、蒸れる場所だからか、どうやってもきれいになくなることはありませんでした。

娘はなぜか頭を左右に振りながら入眠する癖があり、耳の後ろが擦れ被覆材もすぐはがれるので、常にびらんになっていました。被覆材の切り方を変えたり、頭にチュビをかぶせて被覆材を固定したりしましたが、あまり効果はありませんでした。

両手は常に拳をぎゅっと握りしめているので、親指が全然よくならず、ほかの指もどんどんびらんが広がっていきました。生まれたとき長くて細くてきれいだった爪は、いつの間にか全部はがれてしまいました。

「死」が想像できない

絶頂期(?)は、退院して3週目~4週目ごろ、実際には10日間くらいのことだったかもしれません。限定的とはいえ、この頃は娘の皮膚は確実によくなっている実感がありました。

生後3か月になった娘は、母乳も上手に飲めるようになってきていました。
あやすとにっこり笑ってくれて、お兄ちゃんが騒いでいるのを興味津々の顔で見ていました。首もあと少しで座りそうなくらいしっかりしてきて、身体をねじって寝返りをしたそうな動きも見せてくれることがありました。

このまま右肩上がりに成長していくと思えたこの時期は、「娘はいずれ死んでしまう」という事実は受け入れつつも、同時に「どうやって死んでいくのか」がまったく想像できず、逆に怖くなることもありました。

どんなに調子がよくても、感染してしまったら、あっという間に死んでしまうんだろうな。そんなことを考えていました。

生後3か月記念の寝相アート

画像1

生後3か月記念に寝相アート(起きてる)をしました。ウサギのパペットが気に入っていたらしく、目の前で動かすとニッコリしてくれます。
寝せるとギャン泣きする息子の時にはとてもできなかった憧れの寝相アート。即席でしたが、満足です。

いま思い返せばこの時期をもっと大事に過ごすべきでした。
娘のケアと息子の世話に追われ、家事の合間を縫って1~2冊絵本を読むくらいしかしていません。家事なんかいいから、もっと抱っこして、もっと遊んであげればよかったな、というのが後悔していることの一つです。

このあと、じわじわと雲行きがあやしくなっていきました。体重が増えず、ミルクが飲めなくなり始めます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?