パイオニア:ひとまずの「アンサー」


グルール機体を握って数ヶ月、一つ環境が変わって現時点の答え。そしてスタンに向けた回答。

狩人の贖罪

3マナ、知る限り最低価格50円の英雄譚である。
が、ネクスト鏡割りはコイツの可能性がある。
だから今回筆を取ったと言える。
性能を下記すると、
①3/3のビーストを作る
もうこの時点でおかしい。いや、緑のエンチャントとしてはほぼ通常スペックなのだが、同じレシオのクラスエンチャントとはワケが違う。
追加のマナ不要で進んでいくのだから、つまり3マナのカードとしての仕事はコレ1つでこなしていると言える。
②クリーチャーをサクッてライブラリーサーチ
このカードのキモ。無駄牌を有効牌に変える。
パイオニア以下ならマナエルフを4マナに変えたりしてもいいのだ。
英雄譚の特徴として、ターン起因処理はメインに来る。モダン以下をプレイしているとよく見るのがウルザの物語第三章処理前行動だが、同じことをやれる。
③最大2体に+2/+2トランプル付与
僕がこのカードを「ただのPW」と評したくなるのは、プラスして、プラスして、奥義使っていなくなるという行動によく似ているからだ。
コレがその奥義に当たる部分で、3マナなのに最大4/4トランプルを保証する。3/3がついてくるから、7/7トランプルと読み替えていい。
3マナでやることでは無い。
そういえば、最初の英雄譚にもそんなのあったな。ナントカ史、とかいう。

そして、狩人の贖罪における最大の利点は「クリーチャーであればサイドボードの圧迫が少ない」こと。1〜2枚で引き込みに行けるのだ。しかも二章は見せ札になるのでプレッシャーも強い。
コイツ、本当に初動50円クラスだろうか。

グルール機体(ビートダウン)とはどういうデッキなのか 

狩人の贖罪を散々褒めちぎったところで、コイツを採用しきるデッキを把握しなければ始まらない。
パイオニアにおけるこのアーキタイプは3軸に分かれていると考えている。
下記してみよう。

1→3マナの動きをする

まず序盤。通るとすぐ中盤になるので、割と重要な動きといえる。
ラノエル(あるいは神秘家)から嵐探し、贖罪などのムーブに繋げることが求められる。
なので、ここを厚手に取ること(或いは1ゲーム目のマリガン第一基準にすること)は頭に入れておくべき事項。

3〜4マナの(擬似)速攻で打点的圧倒を企む

擬似と書いたことがポイントの一つで、コレが「グルール機体」と呼ばれる理由。
機体は乗り込むことが必要、というのはデメリットに見えて、実のところカードに書かれていないメリットがある。
タップアウトレットで召喚酔いの関係が無いため、後続へ擬似的に速攻を付与できるのだ。
嵐探しも同じ。コレを厚く見るというのもアリ。

打点で押し切れないところを興奮探しや踏みつけでダメ押しする

上二つがダメなら、というサブプラン。ケリが付かないことを頭に入れて、どこかで1枚を引くことが必要になるというのがプランポイント。
打点部分はスカイソブリンの飛行が中々の基軸だったのに、今回贖罪が加わることでトランプルを付与出来、跳ねた打点を押し込むプレイが許容されやすくなった。
なので、ここを厚く見過ぎるのは違うと思っている。

相手の脅威を弾くのではなく、積極的なコンバットで蹴り飛ばすことでこちらの戦い方を押し付ける。弾くのはサイドでいい。そういうデッキと認識している。


で、どういうこと?

上記した通り、マナジャンプからとっととケリをつけにいくことがこのデッキのキモだ。
勿論崩れた場合は最低限想定するべきところだが、逆に言えばメインの捌きは最低限あればいいのだ。それがアクロス戦争ということになる。まあ、踏み付けや興奮探しも捌きに使えなくはない。

さて、ぐだぐだ述べたが。
僕はこのデッキ「序盤と中盤に重きを置く」ことを考えた。
つまりは
①マナクリを増やす
②素早くヘビーなコンバットを繰り出す

この2つだ。
標準リストよりもここを少しでも厚く見ることで出し抜き、勝ちに全力を出しにいく。
先に述べた通り、押し込みの後に足りない点数を踏み付けなり興奮探しで加点するので、そこをそれ程までに重要と捉えなくてもいい。終盤までに1枚手札へ持ってくればいいのだ。

リストはこうなった。

ハラアレはやはり強いと思うんだが。 | 赤緑ビートダウン | パイオニア | デッキ構築機能 (hareruyamtg.com)

まず、金のガチョウの追加。
コレは3つの理由から採用に至った。
まずは上述のマナクリ。10枚は単純計算1/6で、初期ハンドに1枚は居る計算だ。居ればバッパラだったし、フィンドホーンだったが。
2つ目は緊急回避手段。食物が地味に嬉しいし、何度も繰り返せるので滋味に富んでいる。
3つ目はアタッカー。コイツのパワー0は嘘つきの味だ。あらゆるサポートで押し込みができる。

もう一つはハラナとアレイナの追加。
こちらは速攻のヘビーパンチ要員。白単に睨みを効かせる先制攻撃、立ってるだけで嬉しいパワー供給。嵐探しと組むと永続巨大化、贖罪と組むと第三章が永続超巨大化、興奮探しならマナエルフですら恋煩いレベルになる。贖罪と興奮探しとコイツを組み合わせると、そりゃもう一撃必殺。3枚コンボだが、贖罪を考えると2枚が手の内にあればほぼ決まりだ。

捲し立てたが、うまくいきづらい(とはいえ、決まると終わる)コンボは置いておいて。

しかしながら、贖罪は1枚コンボのタネであることは間違いない。
シルバーバレット的にハラナとアレイナを探しに行けるので、1〜2枚で事足りる。スペースに無駄がないのだ。
逆に、機体は探しに行けないので、贖罪型では用が薄い。ことに、飛行もトランプルも持たない、伝説性もあるエシカの戦車は用立ちがさして多いと言えない。通常より1枚薄なのはそれが理由だ。ビーストや食物を増やせる利点はあるが、重ね引きの良し悪しは「若干悪し」。だったら信じたブン回りルートに形を求める。

実は、土地にも若干の拘りがある。

普通なら山や森を数枚ミシュラランドや魂力土地に切り替えたり、そもそもスローランドを採用するなんてこともスピード重視ならあり得ない選択と思える。
が、土地は「なるべく並べておきたい」。しかも、「3ターン目は立てたい」。
後者の理由からミシュラランドはナシになる。スムーズな4マナ=ハラアレや興奮探しへ繋げておきたいためだ。また、変わり谷がすでにあるならミシュラランドの追加は薄い。
前者ならファストでも良さそうだが、スローは「3ターン目以降なら立っている」。4枚中1枚以上が寝る可能性よりも、2枚という序盤に引きづらい枚数で確実に立つ土地の方が可能性は高い。コレは、土地だけの4マナで確実に4マナのアクションをするため。エシカの戦車、アクロス戦争、興奮探しの自爆など、4マナを立たせる価値の高さは多い。

ファストとミシュラランドは説明がついたが、では魂力ランドはどうか。
はっきり言う。「んなモン投げてる暇無い」。
土地枚数23枚(+マナクリ)は、4マナ到達率ほぼ確定だが、5マナ以降が若干怪しい。
で、実はこのデッキ、5マナは普通に要求範囲内だ。
相手のライフ18点はハラアレ+興奮探しだけで実は即死圏内(興奮探しでハラアレ賛助、興奮探しへカウンターを返して殴ると4+5=9点、投げるともう9点)。ここに確実な到達を見せるためには、5マナが要る。
となると、土地投げは出来ないし、無駄に寝かせる選択肢がないのだ。

結果、TLSQを抜けた。
正直なところ「マジかよレガシーなんてほぼ触れてないぞ」である。

使用感としては、割と赤黒系が切り崩しを入れていないのでハラアレがすんなり通りやすいこと、パワーがおかしいことになりやすいので何もかもフィニッシャーになり得るという考えに間違いがないことは証明できたかな、と。

サイドプランやらプレイプランやら。

今、このデッキから何かを抜けと言われたら、「サイドの流弾だけスリーブが綺麗」とだけ。

前提として、「メインプランは抜かない」が鉄則。つまりマナクリとクリーチャーの速攻枠は抜かない。
機体はというと、所詮クリーチャーがいないと使えないことを考えると候補に少しばかりかかるかな、と。
あと、クリーチャーの中で一番使わないのは恋煩い。どうせ他1/1群はハラアレや嵐探しでムッキムキ、恋煩いがもじもじする。クリーチャー↔︎クリーチャーの差し替えはここがまず候補。

対ロータス

out:アクロス戦争×3,機体どちらかまたは恋煩い×1
in:減衰球×2,真髄の針×2

まずはわかりやすいコイツから。
クリーチャーで押し込むのが相手の対応を引き出すので、なるべく1→3のハンドをキープしたい。しかも、できればマナエルフ→贖罪で。
高打点を2〜3発ぶち込めれば、まあ勝ち。
サイドはよくある減衰球に加え、針。針の1本目はほぼ確実に母聖樹へ刺すことになる。次点が舞台。
こうすることで、後引き減衰球を悠々置けて、例えスローな展開になっても動きやすくなる。


対赤黒系

out:アクロス戦争×1,機体どちらか×1
in:グレートヘンジ×2

まあ有利。とはいえ、最初のマナクリを消されたり、思考囲いで3マナ札を抜かれることで勝負がトントンになりかねないので、マナクリ2枚、またはマナクリ+砕骨のハンドが欲しいところ。
アクロス戦争は相手のシェオルを抜くことが第一義になるため、後半の詰めで欲しい。抜き過ぎ注意。他に抜きたい奴ら、例えばクロクサなどがみえるならば、恋煩いやスカイソブリンを抜いてグレートヘンジ、なんてのもアリ。
グレートヘンジは割と条件達成が緩く、正直メイン採用アリじゃね? と思うくらいではあるが、悔しいことに抜くものがない。抜くなら恋煩い。

対同型

out:アクロス戦争×1,エシカの戦車×1
in:グレートヘンジ×2

このタイプ、ハラアレ抜きの同型はそこそこ強い。ほぼサイズ負けしないし、飛行で押せるし、フードでライフも持つ。3点以上の火力は興奮探ししかないので、ハラアレの場持ちも良い。
唯一の懸念点はアクロス戦争でハラアレを引ったくられることだが、そこは耐え忍んで欲しい。嵐探しもハラアレもタフネス高いので死にづらいし。
生身の展開力が盤面作りに必要なので、ここはグレートヘンジが生きる。攻め込まれても2点ゲインが偉い。

対青白系

out:アクロス戦争×3,恋煩い×1〜2
in:グレートヘンジ×2,抹消する稲妻×3(普通の)orグレートヘンジ×1,減衰球×2,引き裂く流弾×2(ロータス)

相性差で言えば有利だが、どう見ても至高の評決がまず無理。ブン回り以外はクリーチャーを1枚手札に抱えて進行したい。
あくまで嫌うべきは全除去。告別はケア不可なので、その他2つへのケア。ということで機体は全部残す。
針を置きたいが、告別で無に帰すことを考えるとちと厳しそう。置くならばガチョウとの差し替えか。

対フェニックス

out:アクロス戦争×3,エシカの戦車×1,恋煩いの野獣×2
in:漁る軟泥×2,温厚な襞背×2,グレートヘンジ×2(先手)or漁る軟泥×2,温厚な襞背×2,抹消する稲妻×2(後手)

不利。めっちゃ不利。マジで不利。
ハラアレは焼かれるし、ガチョウが生き残る未来はないし、恋煩いは立ちんぼだ。飛んでるやつを必死で押さえるスカイソブリンも削剥されたり、斧投げられたり。ガーゴイルより硬い装甲では無かったらしい。
ただ諦めると言うのは面白味に欠くので、せめてもの抵抗、墓地対策だ。
また、相手の引き悪を少し願いつつのグレートヘンジ、あるいは抹消する稲妻。抹消する稲妻に限り、何か1枚を更に入れ替えするのもアリ。
氷の中の存在は諦める。と言うか、流弾を入れても仕方がない。メインはフェニックスなわけだし。

対パルヘリオン

out:恋煩いの野獣×2,砕骨の巨人×4
in:温厚な襞背×2,漁る軟泥×2,引き裂く流弾×2

まず飛ばさない、あるいは飛んでいるクリーチャーへの対処。コレはガチョウとハラアレかいることで少し防げる。
次に脂牙への対処。コレは贖罪から引っ張るクリーチャーをなるべく興奮探しにすることでゆったり構えよう。尚、この際マナクリを潰すのは悪手で、マナクリを立てて返すのも悪手だ。
3点火力が必要なこのマッチで2点の踏みつけ、飛行が鍵になるのに飛ばない4/3と5/5は無用。アクロス戦争は先出し脂牙への対応策だし、相手を封じた後は脂牙が殴ることもあり得るので、その対応として残すべき部分。1枚グレートヘンジに変えるというのもアリだが。
間違えないで欲しいが、このマッチで針を入れるのはあまりオススメできない。刺すカードが多いと、母聖樹へのガードが薄れ、割られてしまう。まして緑黒はバリバリそういうものを壊してくる色なのだがら。

対白単

out:エシカの戦車×1,アクロス戦争×1
in:引き裂く流弾×2

なお、ノーチェンジすらアリである。
エシカとアクロスはサリアに掛かること、引ったくって偉いのがエーデリンしかいない(銅纏いは嵐探しとハラアレのためにちょいアリ)ので、少し減らしておく。
盤面に強さ>数を形成するゲーム。なのでとにかく早回し。強さが優ったら殴り出し、または興奮探しゲーに。
強さの面でエーデリンがキツそうに思えるが、そもそもタフネスは4。二の矢の重さを考えると相討ちOKである。


プレイガイドなんてうまぶったことを宣ったが、まあお好みの部分はある。
自分は「ハラナとアレイナは強い」と証明したかった、それだけのことだ。望外な結果はあったけど。
だから、このnoteを読んでハラアレが(ついでにガチョウが)赤緑ビートのスタンダードになってくれればいいな、と願いつつ。

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