クレヨンしんちゃん映画「新婚旅行ハリケーン」(ネタバレあり)

しんちゃんの映画って、大人も楽しめる作品が多いイメージだけど、「新婚旅行ハリケーン」はむしろ大人に向けて作られたのでは、と思いました。

結婚してパパとママになったみさえとひろし。
若い頃は「みさちゃん」「ひろしさん」と呼び合ってた描写も出てきて、最後みさえのところに飛び込んでいくひろしは「みさちゃーーーん!」、受け止めようとするみさえは「ひろしさーーん!」と呼んでる。
いつもしんちゃんに太ってることをからかわれるみさえだけど、新婚旅行中に同じようなことを言われて、それを見ていたひろしも一緒に笑ってて、みさえはそれでふてくされてしまう。乙女なみさえも垣間見える。

劇中、ひろしの歌う「桜坂」と、みさえの歌う「Everything」が流れてくるんだけど、この曲が流行ってた頃に二人は出会ったのかな、と思うと当時の年代や雰囲気が伝わってきて、すごく良い表現方法だなと思った。

ひろしを取り返しに行くときに、こどもたちを連れて行くのは危ないと思って、ひとりで行こうとするみさえにしんちゃんが「オラもいく!」と言う。それに対してみさえが「しんちゃんはここでひまわりをお守りしててね」って言うんだけど、しんちゃんが「じゃあかあちゃんのことは誰がお守りするの?」って言うんです!
こんなこと息子に言われたらお母さんは泣いてしまうのでは!?こどものいない私でもホロっときました…!

また、「女同士ってこういうところあるよな」っていうのがみさえとジュンコの関係性。
素直じゃないジュンコに「助けてもらったらありがとうございますでしょう!?」って言うんだけど、ジュンコは白目を剥きながら「アリガトーゴザイマシター」と適当に言う。
その後も、荷物(お母さんって荷物多くて大変なんですね…本当ご苦労様です)を持ってくれたジュンコに対して「荷物持ってくれてアリガトー」とミサエが白目を剥いて言う。
映画のラストはお互い白目を剥きながら、お礼を言い終わったあとに、笑い合う。
これって、女性同士ならではの関係性なのかな、と思ったりしました。
憎まれ口を叩き合いながらも、すぐ元に戻れる。あまり気まずくならない。
ケンカしてるのかな?って側から見る方は思うんだけど、ケンカではない。
おそ松さんだと、トト子とニャーちゃんの関係性かな。

この映画のテーマは「自分にとっての宝物とはなにか」になるのかなー。「家族」でもあるけど、宝物が家族という点では、やっぱり「宝物」がテーマかな。トレジャーハンターだしね。
ひろしの答えとしては「人生を賭けて夢中になれるもの」。それをもう見つけてる。

しんちゃんは「アクション仮面と、きれいなお姉さんと、風間くんと…」(きれいなお姉さん入ってたかな?)。
途中エミューが4匹出てきて名前を風間くん、ネネちゃん、まさおくん、ボーちゃんと、みんなの名前をつけるんだけど、エミューに対して2回くらい「さすが風間くん!」と言います。
普通だと、みんなの名前を一回ずつ言ったり、エミューの特性をみんなの特性に照らし合わせる流れもあったりするんだろうけど、そうではなくて、風間くんだけ2回言うしんちゃん。
5人で仲良しだけど、しんちゃんにとって風間くんってその中でも特別というか、親友とはまた違うのかもしれないけど、気にかけてる存在でもあるのかなと思いました。からかうのも風間くんが多い感じするしね。

噂によると、「天かす学園」ではしんちゃんと風間くんの関係にフォーカスしてるとか。
正反対の性格の2人が仲良しっていうのは良いですよね。
自分に持ってない部分を持ってるから、羨ましかったり、新鮮だったりする。自分が思ってもなかった考えを言ってきたりするから、刺激にもなる。
逆に似たもの同士だと、すごく共感できたり、一緒にいて居心地良かったりする。
友情もいろんな形がありますよね。恋愛もそう。

いつの間にか風間くんの話になってしまったけど、
新婚旅行ハリケーンは、家族の映画だし夫婦の映画でした。
細かいことを言うと、ひろしが連れ去られる途中話してたときは「かわいい奥さんと幼いこどもたちと、ワンちゃんが待ってるんですー」って言ってたけど、いよいよお姫様に会うってところで、ひろしが写真を見ながら「みさえ〜しんのすけ〜ひまわり〜」って言うんだけど、シロの名前も出してほしかったです!笑

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