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模擬国連が教えてくれたこと:Volunteer Staff編

はじめに

2024年の春、NYで開催されたとある模擬国連大会にVolunteer Staffとして参加しました。世界最大規模の大会で、毎年、世界各国から合計5,000人の学生が集まります。Volunteer Staffは公募選考で、世界各地の様々な模擬国連大会の経験者が応募します。現役の学生も社会人も参加するので、年齢や専攻科目、その他様々なバックグラウンドが非常に多様でした。
大会が無事に終わり、帰国後の最終ミーティングも終わったので色々と振り返りたいと思います。

文化が違うからこそ、傷つくこともある

今思い出しても大変恥ずかしいのですが、顔合わせのビデオミーティングで泣きました。しかも結構満員の電車(グラスゴー→ロンドン)の中で。カメラはオフにしたのでスタッフは誰も知らないけど、穴があったら入りたい限り(笑)
スタッフ初就任で既に力が入っていたところに、悔しさともどかしさが加わって、ぷつっと糸が切れてしまった感じです。


アイスブレークの話題が「最近見た映画は何?」だったのだけど、元々映画をほぼ見ない&当時留学中だったから、本当に何も見てなかったんです。代わりにお気に入りのYouTubeを紹介したら、

「映画見ないの?」「なんで見ないの?Netflixは?」「それはCrazyだ」

とか真剣な顔で言われて結構キツかった。原因は、スタッフの大半がネトフリ加入率の高いアメリカ出身だったから、というだけなんだけど。

まずNetflixも私にとって安くない(自分のチームの中なら日本が一番サブスク安いが)。「映画を紹介しなかっただけでそんな顔しなくていいでしょ。仕事と関係ないのに、なんだこの人たち?あなたたちが映画見過ぎなんだよ」みたいな感覚でした。

NYで会議前日にあるStaff trainingでは配属先が同じスタッフ同士ペアでご飯を食べに行くイベントがあり、韓国料理を食べることになった時に
「日本料理食べにいくの、大丈夫?」と同僚に言われたので「違うよ、韓国料理食べるの。」と返したら全然違いを理解されずストレスを感じたことも。

「国家は幻想の共同体」という言葉が昔から好きで、人は案外自然と分かり合えるものだと勝手に思っていた節があるのだけど、文化の違いを超えて分かり合うためには結構努力も勉強も必要だと思うようになりました。

話したくない時は、話さなくていい

大半がアメリカ出身ってことは、みんなガヤガヤしててずっとハイテンションなのか?と思われるかもしれないけど、それはちょっと違う。「話すことがない時は話さない人たち」のコミュニティーもしっかり存在していて、喋ることがない・話すエネルギーがない時に静かにしていても、ちゃんと市民権がありました。

「話題が無くても、がんばってどんどん話さないと」というのは巷でよく聞く台詞ですが、それは言語習得か、「コミュニケーションを怖がらなくて大丈夫!」という応援の文脈が相場かなと思うようになりました。実際、疲れてる時にワーワー話しかけられたら誰だって嫌でしょう。笑

話したくない時は、無理に話さなくていい。礼儀正しい対応さえできていれば、相手のことを思いやれてない、とか落ち込む必要はないんだなと気付かされました。

誰かをEmpowerするために、自分ができること

大会最終日、仕事の都合で一足早く帰国する私に仲間が集まって声をかけてくれました。その中で一番印象的だったのが、ボスの一人だった黒人女性の方。

「参加してくれて、本当にありがとう。私は"colored-woman in STEM"に会えてめっちゃ嬉しかったんだよ。」

Empowerってそういうことか!と気付かされた瞬間でした。

皮肉なことに、現代でleaderとして活躍する有色人女性は極めて少数。STEM領域なら尚更のこと。自分ががんばっている姿を見てempowerされる人って、気付いてないだけでそれなりにいるのかもしれない、と実感させられました。

「エンパワーメントって、結局どうしたらいいの?」と悩んでいたけれど、自分らしくがんばっていれば知らない内にその姿を見てエンパワーされている方々がきっといる。まずは自分の信念を貫いて、自分の幸せのためにやりたいことをやり抜くこと、誰かは絶対見ているから。

「Empowerしたいけど、具体的に何をすればいいんだろう?」と考えている心優しい方、まずはあなた自身が幸せであることが何よりも周りへのEmpowermentになると、Eastkithは信じています。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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