人口肛門からの復帰の話
昨日、やっと沖縄協同病院を退院した
都合、15日ほどの入院だった
10カ月のストーマ(人工肛門)生活を終え、腸を肛門につなげ、自分の肛門から排便をすることができるようになった
実際、人工肛門を取り付けた生活がどういうものだったのか、記憶をたどって書き残しておきたい
2023年6月の直腸がんの手術と同時に人工肛門となった
腸閉塞を起こした結果、腸壁が破れ腹内に漏れた。そのためにより直腸を多く損なう手術となった
肛門を温存するために、人工肛門となる。当初は「1年ぐらいは人工肛門の生活と思ってください」と医師に告げられる
入院中に最初は看護師がストーマを取り付けてくれ、徐々に自分で装着できるように訓練をした
人工肛門というと機械のようなものを取り付けることをイメージするが、そんなこともなく、結構単純なものだ
おなかに穴が開いて、そこに腸管があるだけで、なんかお腹に唇がついたような、わりと可愛らしいものである(そう思い込めば)
今にもしゃべりだしそうである。おなかにミギーがいるような笑
ここに排泄物を貯める袋(パウチ)を取り付ける
おなかにこのパウチを張り付けているだけなのである。なのでときおり粘着が弱くて外れて漏れたりということも起こる。二度ほどショッピングモールを歩いているときに漏れて、大急ぎで家に帰ることがあった
漏れて匂いが出てるんじゃないかと常時気になるし、やはり負担は大きかったかな
プールやお風呂だって可能だと言われるけど、私の場合はストーマの形も緊急手術だったため、イレギュラーな形で接着しづらく、水に濡れるとはがれやすかった。だからお風呂も4日に1度パウチを交換するときにしか入らなかった
何よりこのパウチが高い。1枚900円ほどもするのである。毎月1万から1万5千円の出費は痛かった
永久ストーマになると障がい者となって、国から補助があり、ストーマも安く購入できるらしいが、だからといって永久ストーマの人の負担はとても大変だろう
また、パウチを張り付けているストーマ周辺は、補強するテープを張り付けていたこともあって、いつも肌が負けて痛かった
今、人工肛門から卒業できたことを本当に感謝する
人工肛門閉鎖術の傷跡がまだ痛い。ストーマのパウチをつけていたときも痛かったこともあり、まだそこにストーマがついているように錯覚する
排泄物のたまり具合を確認するためにパウチを揉むくせがついていて、今も手術痕に貼られたガーゼを揉んでしまう
そして、「あ、そうだ。もうストーマなかったんだ」とほっとする
オストメイトの大変さを知れた。オストメイトのためのトイレなど、沖縄では整備が整っているとはいえない
オストメイトを経験したものとして、環境改善に資するなんらかの行動に携わっていきたいと考えている
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