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プレイ記録「Thymesia」


「Thymesia」というゲームを遊んだので感想の記録。
ゲームやってないとわからない表現は控えつつ書いているけれど、ネタバレには配慮しないのでご容赦を。

もう、すんごいわかりやすいダークソウルフォロワーのひとつ。
かなりのSEKIROインスパイアである。


~ゲーム全体のハナシ

グラフィックやサウンドに関しては「ブラーエフェクトの量がスゲェな」とか「カットシーンのカメラワークもうちょいなんかあったんとちゃう?」とか「BGMの切り替えやMEをもっと丁寧に使ってほしかったな」とか色々思うところはあったけれど、おおよそは省略。

全体的にダークな世界観がよく出ていて雰囲気のあるゲームだけれど、ステージ数が少ないので、世界観を語りきる前にゲームが終わってしまう感がある。こういうゲームではよくあることなので仕方ない。開発大変だよね。
エリア2の図書館ゾーンなどはかなり雰囲気出ててお気に入りポイント。血を踏む音がかなり気色悪くて最高。

死にゲーらしい嫌らしい敵配置をよく抑えていたので、鬱々とした世界観とあわせて「次は一体どこから不意打ちをされるんだ…」という緊張感が出ていたと思う。敵配置のうまさはダークソウルフォロワーの中でもトップクラス。
ただ雑魚敵のバリエーションが少ないので敵の処理パターンを把握してしまうと作業感はあるかも。前半は斧と短剣、後半は剣盾と槍が延々と出てくる。
たびたび複数の敵に囲まれるシチュエーションに出会うけれど、「今メインで戦っている敵以外は攻撃が消極的になる」という上手なウソをついてくれているようで、敵配置の容赦なさに対してそれを切り抜けられる率が高い。これは演出が上手い。

フィールドに落ちているアイテムがかなりしょうもない。9割が「記憶の断片」というアイテムで、残りの1割がエリア進行に必須の鍵。この記憶の断片が何かって、ダークソウルで言うところの「消えかけのソウル」であり、SEKIROで言うところの「軽い銭袋」。記憶の断片にはLv1とLv2があるけど落ちてるのはすべてLv1。なんか新しい武器とか義手忍具とか見た目が変わる防具とか、そういうワクワクするものは一切落ちてない。
9割ハズレだと分かりつつも、たまに鍵やクエストクリアアイテムが落ちてるので、無視するわけにもいかないのがさらに憎らしい。
中ボス戦で手に入る術識の断片とかはフィールドで拾うようにした方がいいんじゃないかなと思いつつ、なんだかんだ律儀に記憶の断片を拾いながら遊んだ。合計100個ぐらい。

大ボスはまちまち
最初に戦うオーダ戦は相当気合入れて作ってるなという印象で、オーダ戦はボスの強さも演出も込みでかなり燃えた。
それ以降はオーダほどアツくなることはなかったなと思う。これは妙なバイアスがかかってるわけではなく、明らかにオーダだけ攻撃のバリエーションが段違いに多い。
でもフロムゲーといえば、ガスコイン神父にせよマルギットにせよ「最初のボスが実質最強」という謎の風潮があるので、そういう変なところを踏襲したんだとしたら見上げた話だと思う。

~攻略のハナシ

攻撃アクション

敵の体力には「HP」と「体勢」ゲージがあり、
それに対応するように、プレイヤーの武器には「剣」と「爪」がある
剣はHPを削りやすく、爪は体勢を削りやすい。
HPと体勢を両方とも削りきらないと敵を殺せないのがSEKIROとの相違点。
これは雑魚でも同じで、不意打ち忍殺で即死みたいな要素はない。

剣攻撃だけ(いわゆるR1ブンブン)で敵を倒すこともできるけれど、明らかに体勢に対してダメージ効率が悪い。爪攻撃はというとヤケクソなぐらい体勢を削れるけれど、HPに対してまったくダメージが通らない。

これに加えて、敵から奪うかゲージを消費するかで使える「疫術」なる露骨に強い攻撃もある。疫術はマジで強い。ゲージを使おう。

ボタンやゲージの使い分けを要求するかわりに、使い分ければ高効率。なるべく幅広くアクションを使ってほしいというデザインの意図が見えていて、僕はたいへん好印象。
手間のかかることをするとちゃんと強い。アクションゲームなんだしアクションは幅広くあるべきだよね。

じゃあすべてのアクションをまんべんなく使ったかというとそうでもなくて、踏み込み跳躍(SEKIROの見切り)を覚えてからは羽矢でクリティカル攻撃(SEKIROの突き攻撃。跳ね返し不能)を止めなくなったし、敵から疫術を奪う猛禽爪はテンポが悪くてあまり使う気にはならなかった。


防御アクション

防御面はSEKIRO&Bloodborne。敵の攻撃を食らう直前で跳ね返し(パリィ)するとダメージを無効化しつつ逆に敵にダメージを与えられる。
「クリティカル攻撃に対して前回避をすると受け流してカウンターできる」なんて要素はまんまSEKIRO。

そのかわりSEKIROと違ってガードがない(※1)。
SEKIROは「弾きをミスってもガードすればダメージを受けない」のがプレイヤー側にかなり有利な仕組みだったけれど、このゲームは長押ししても跳ね返しが1回出るだけ。跳ね返しボタン連打(いわゆるチャキチャキ)のインターバルも長い。

なので跳ね返しにはけっこうなリスクを設けられている。しかも敵の攻撃モーションがキビキビしているので、雰囲気に慣れるまではかなり跳ね返しが難しい。序盤はかなり苦労すると思う。
雰囲気さえ掴めばだいぶ簡単で、「敵の動きをよく見ればタイミングを掴みやすい」ようにモーションができている。ここは丁寧だなと思った。

※1:厳密にはガードはあるんだけど、ガードがSEKIROほど強くなくて(ダメージカットが最大でも75%にしかならない)、ガードを習得していると跳ね返しを発動できない。

ガードがないかわりにSEKIROよりも回避がだいぶ有効に調整されていて、無敵と移動距離が長く、フロムゲーにありがちな回避狩り攻撃があまりない。
さらに「敵の攻撃をジャスト回避に成功すると攻撃or防御バフを獲得(ジャスト回避の判定はかなりユルい)」のようなスキルもある。
「オレ、SEKIROよりBloodborneの方が好きなんだよね」って人は回避ボタンだけでも戦える。

防御も使い分けが大事。よく分からない攻撃には回避、タイミングが読めている攻撃には跳ね返し。よくできてるね。

…と思いきや、「跳ね返し後の硬直を回避で、回避後の硬直を跳ね返しでキャンセル可能」なので、なりふり構わず交互にボタンを押すことで鉄壁の防御姿勢が取れる(さすがにマジの完全無敵というわけではないけれど、どちらかの防御アクションが偶然噛み合う確率が相当高い)。これに気付いてしまってからは恐ろしく攻略が簡単になってしまった。

あとはHP回復手段がだいぶ豊富なのは死にゲーとしてよくないなと思う。
戦闘中にモリモリHPを取り戻せるせいでストレスも緊張感もない。ここは人によっては高評価をつけるかもしれないけれど、僕はマイナスポイントだと思う。生きるか死ぬかのギリギリを楽しみたいよね。

というわけでプレイヤーの防御が強いゲームであり、中でも
・跳ね返しと回避の相互キャンセル
・短爪でのHP回復
・持続薬(これには一応トレードオフのリスクはある)
の3つは「ちょっと強すぎんか?」と思いつつも僕は特に縛ったりせずにクリアした。


総評

エンディングまでは6時間、裏ボスまで含めても8時間というひとくちサイズの死にゲーThymesia。値段が安めだったのもあってまったく期待せずに買ったけれど、ボリュームが少ないながらも見るべきところがたくさんあって、なかなかよい。
オススメをするかと言われると、よほど死にゲーが好きな人以外には迷うラインではあるけれど、アップデートでさらに良くなる余地と可能性がおおいにあるゲームなので、名前ぐらいは覚えてもらっても損をさせないかなと言えるぐらい。

火守女ポジの女の子がもうちょっとかわいかったらオススメしてたかも。デザインは好きなんだけど、ちょっと僕には刺さらない雰囲気だった。