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#011■少子化な日本にスポーツのシーズン制のスゝメ (その3)(全5話)

<やりすぎない part.1 「負荷と成長」>

自分は、子供が野球をやっていたので、主に野球のことになってしまうが、通年で、しかも例えば小1~6、そして中学、高校と計12年間を野球に費やす場合は、それだけの間は投げ続けることでもある。特にピッチャーを長く続ける場合は言わずもがな。

そうなると当然肩や肘に負荷が集中的にかかり、大会など本当にやりたい場面で活躍できない、なんてことはよく聞く話。科学的なトレーニングや食事をさせることも広まってはいるものの、ほぼ間隔を開けずに野球を続けるのであれば、やはり酷使するところには負荷がかかり続けるし、それどころか、故障しても治癒する時間がない、または故障箇所が野球に特に必要な部位であれば治療期間は本来やりたいことが著しく制限されたりする。

1シーズンが3~4ヶ月ほどであれば、もちろん通年より負荷がかかる期間は短くなり、故障部位によるにせよ他競技をやっている期間で特定部位を休められ、治癒させるにも十分な期間となる。

なので、若ければ若いほど通年でひとつの競技をやることは、やりすぎ感は否めない。

なお、シーズン制ではないらしい欧州のサッカー事情はと言うと、これは知り合いのサッカーライターさんから聞いた話だが、プロクラブの下部組織は、通年ではあっても詰め込むような練習量ではなく、夏休みは完全休養期間として絶対にボールを触らないと言う誓約書を書かせると言ったことをしているとも聞いた。

これまたサッカーライターさんが言われていたことだが、成長期の子供にスポーツをやらせすぎると、本来成長に費やされるエネルギーが競技に持っていかれ、高校~大学~プロとなるにつけ身体負けする部分も出てくる。

もっとも、プロの多くは体格のよい方が多いが、それでも国際舞台の場で差がよく見られる。日本人だから仕方がない、のかも知れないが、だからこそ成長期のエネルギーを競技に費やしすぎるのは得策とは思えない。体格のいい層が厚くなれば、それだけ底上げになるのも自明の理ではないか。

(その4へ続く)


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