LADがプホルスと筒香を獲得

ロサンゼルス・ドジャースがロサンゼルス・エンゼルスからリリースされたアルバート・プホルスと契約，およびタンパベイ・レイズの40人ロースターを外されていた筒香嘉智をトレードで獲得した．

Albert Pujols

LAAと結んだ10年契約の最終年，1Bに若手のジャレッド・ウォルシュ，DHには登板しない日の大谷さんが座るチーム事情もあり早くから出場機会が少なくなる．例えば，ウォルシュや大谷を外野に回すとしてもマイナーにはジョー・アデル，ブランドン・マーシュという40人ロースターに登録されている2人の外野トッププロスペクトが控えているためDFA（40人枠を外す措置）に．さらに，現地時間5/5のレイズ戦，相手投手が得意のライアン・ヤーブローで大谷さん登板日にフロントの意向でスタメン落ちしたことから球団と対立したとの報道もあった．ウェーバーやトレードがまとまることはなくリリースされ，複数のチームが興味を持ち，古巣であるセントルイス・カージナルス接触をもったと報道される（出場機会減も受け入れる？）．流石に移籍するのはDHのあるリーグかと思われたが，LAAよりも出場機会を得にくそうなLADだった．プホルスの契約は全面的にLAAが持つため，LADが支払う金額はMLB最低年俸の日割り計算でいい．

戦力的な光明もある．今季のドジャースは全般的に左投手に弱く，比較的左投手に強いプホルスを獲得したと考えられる．特に1Bを守るマックス・マンシーは二塁を守ることができるため，1Bプホルス，2Bマンシーという夫人を敷くことができる（この辺りは筒香にも当てはめることができる）．筒香のところで後述する理由により内野手が不足しているLADなので，意外と出番があるかも．

キャリア最終盤にチャンピオンリングを得られるチームに在籍したい，という目標もあったかもしれない（今季のLADは不調だが）．

Yoshi Tsutsugo

続いて，LADはタンパベイ・レイズからDFAされて40人ロースターから外れていた筒香を後日発表選手 of 金銭とのトレードを成立させた．LADの負担はMLB最低補償額に毛が生えた程度と見られ，さらに選手ではなく金銭を獲得すればほぼ無償で雇うことができる．

昨年度も期待通りの成績（少なくとも2年総額1200万ドル+240万ドルのポスティングフィーを払ったTAMからすれば）を残しているとは言い難かった．今季の筒香は前年度からの速球が打てないという弱点のためか自慢の長打力を発揮できずにおり，今シーズンは0HRでもある．一時すり足気味にしてアスレチックスのフランキー・モンタスの97MPHを引っ張っていたが長くは続かなかった．さらに，最近は出場機会が着実に減り始めている．主に守っている1Bには故障して開幕を迎えたチェ・ジマンが近々復帰してくる予定であったことから，筒香の出番は今以上に限られることが明白であった．そのような事情が相まってのDFAである．

LADは外野手のコーリー・ベリンジャー，ザック・マッキンストニー，A.J.ポロックが故障者リスト入りしていて外野手が不足している上，内野手のエドウィン・リオスが今季絶望と内外野を立て直す必要があった．筒香は1B/3B/OFの守備につくことができるため，これらの選手の穴埋めが可能である．ただし，ベリンジャーとマッキンストニーは数週間で復帰することが想定されているため，残されている時間はそう多くない．しかしながら，筒香がLADの魔改造を施されればなんとかなるのでは？という希望も僅かながら存在する．

これは昨年の筒香のStatcast成績，数値は赤いほど優秀だと考えてほしい．平均打球速度が上位25%以上，ハードヒット率が上位14%，四球率が上位13%．今季は全ての数字を落としているが，昨年度の数値を見ると全く可能性がないとは思わないし，非力なユーティリティプレイヤーだったクリス・テイラーを中距離打者程度には魔改造したことから期待が持てるかもしれない．LADは筒香のポスティング時にも獲得に乗り出していた球団なので，改善策を授けることができるかもしれない．

LADの現状

LADは野手に故障者が続出しており，ベリンジャー，マッキンストニー，リオス，ポロックの他にSSのコーリー・シーガーが手の骨折で離脱．トッププロスペクトであるが不調なギャビン・ラックスをSSに，マックス・マンシーを2Bに，筒香かプホルスを相手投手の左右に合わせて1Bに据えると言う布陣を組むのではないだろうか．字面が凄い．．．

ここまでプホルスと筒香の現状と展望を述べてきた．個人的にプホルスは最晩年にリングを獲得できるのか，見どころである．