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中国語通訳サポートボランティアで人生によりそう①~実力よりも大事な事~

先日、中国人女性からお歳暮をいただきました。もう彼女は23歳。もう知り合って15年経つのですねと思いました。出会った時は小学2年でした。

15年前、彼女の母親(Aさん)がお腹が痛くて病院に行きたいから一緒に通訳でついていってほしいと、通訳学校の同学から頼まれました。

この同学こそが、今では大阪市にある日本語サポートひまわり会の代表で、日中対訳書籍も多数ご出版されている斎藤さんです。

この頃は、まだボランティア団体もなく、とにかく斎藤さんと、地域の中国人の頼まれごと通訳に同行していました。

私は、中国で生活していたこともあるのですが、その時に、腹痛で病院に一人で行って、冷や汗かいたりもしていたので、心細い気持ちもわかります。とはいえ、自分の事なので、聞き取れない部分があったり、自分の話が通じないのは自分の責任♪と割り切っていました。

しかし、ボランティアとはいえ中国語通訳となると、本当にちゃんとできるのか不安でした。

通訳となると相手がいます、お医者さんがいます。
「私のせいで、話が通じなかったらどうしよう」とか、「もっとすごい人にお願いすればいいのに」とか、できない理由はたくさんでてきますが、それでも本人はお腹が痛くて困っています。

通訳は実力不足、でもやらなきゃ、では、どうするか?

「腹痛」というキーワードで、事前に「お腹」「痛い」「腹膜」「吐き気」「食欲」など、考えられる単語を中国語にして、覚えました。

病院同行の当日、Aさんからも症状を聞き出し、事前にお医者さんに伝えたいことを聞いておいたり、問診票も冷や汗かきながら記入しました。

その後、後日、Aさんは、腸が癒着を起こしていて、その部分を手術することになったのですが、病院でご家族への手術説明もすることに。ご家族とはご主人と姑などがズラリと…

医師の説明「この方の場合、この部分が先天的に離れていて、癒着は別の場所に…」というところを、そのまま冷や汗かきつつ通訳したのですが、後に斎藤さんから「先天的」というキーワードは、あまり使わないほうが良いのでは?というご指摘。

というのも、このAさんはお嫁さんにあたり、日本では中国人ご主人の家族と同居。できそこないの嫁をもらったとご家族が思うかもしれないから。とのアドバイスに、ひや~~~!そこまで思いを馳せているのですか!と驚いたのを鮮明に覚えています。

こうやって少しずつ、中国語通訳をしていくと、うわさがうわさを呼び、様々な中国人が、「役所へ一緒に行ってほしい」、「家を買いたい」、「保険の書き方がわからない」、「電話をしてほしい」、「警察へ一緒に」、「離婚したい」…ものすごいディーブなお話も出てきます。

ただ、一人で解決はせずに、必ずボランティア代表や弁護士など、第三者と一緒に動きます。

アドバイスとして個人でサポートを引き受けるのは、やめたほうがいいですね。友達なのかボランティアなのかの境はあるかと思いますが、私はずっとボランティアの通訳の立場を貫いていました。

ボランティアだからといって決して手は抜かず、時間があればサポートをしに行きました。「解決できた!」ことの喜びが大きかったです。そうやってやっていると、葡萄が届いたり、お菓子やお酒が届きます💦中国の方は義理堅く、別の機会に別の形でお礼をいただきます。

そんな感じで通訳ボランティアをしていくと、いつのまにか「中国人駆け込み寺」になってきました。一時期NPOでも立ち上げようかというくらい、ものすごい数のご依頼をいただくことに。それは人生レベルでの悩みも。

そして時には、「おじいちゃんが逮捕された。」「両親が逮捕された!どうしたらいい?」「工場が空き巣に入られたどうしたらいい?」など、緊急なものも多数。

そんなお話はまた機会があればいつか♡

今日のポイントは、通訳を頼まれたら、通訳シュミレーションをしてみよう。どんな質問をされて、どう答えるか?などを、まずは単語からピックアップして書き出す、それを対訳にして、覚えまくる。

そんな準備をしたらいいですね、準備が一番勉強になりますね。

通訳は実力よりも、寄り添うことが一番。
足りない実力は準備でカバーしましょう。

絶対できますからね!




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