介護太郎

介護福祉士、ケアマネ。病院、訪問、通所、施設等様々な事業所で現場から責任者まで経験。目…

介護太郎

介護福祉士、ケアマネ。病院、訪問、通所、施設等様々な事業所で現場から責任者まで経験。目指す介護は『自分の人生まんざらでもなかったなと思える最期』『自分で選択する介護』 介護の在り方を変えるべく、頼まれてもいないのに、啓蒙活動として、YouTube、書籍出版等活動の幅を広げている

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100%離床への道

介護職に就いて五年、三夜漬けで見事ケアマネに合格した俺は介護保険病棟で介護業務プラスなんちゃってケアマネに就任した。 ケアマネとしてスキルも経験もない俺が立てるプランはお粗末なものだった。 そんなお粗末なプランを立てているうちに一つの疑問が浮かんだ。 それはほとんどの方に共通する課題は「臥床(寝ている)時間が長い」だった。 確かにほとんどの方が重度な状態ではあったが、「起きなきゃ元気になれる訳ないじゃん」という根拠というよりも感性を頼りに俺の中で大きな目標が出来上がっ

    • 敬語の始まり

      俺はお年寄りと接する時、ばかっ丁寧な敬語調が多い。 それはお年寄りへの言葉遣いがグダグダな職員へのアピールでもあるが、実際は俺自身がグダグダだった頃の"トラウマ"から始まる。 アキオさんという60代で元トラックの運転手。 少々気性は荒いが男気があり照れ屋で人間味のある方だ。 その頃俺は一年目、一通りのケアを流れ作業的に覚え着々と"老人に振り回されない介護士"の実力をつけていた。 ある日のこと、何の気無しにアキオさんのオムツ交換に入った俺は抵抗するアキオさんの腕を押さえ

      • 解雇福祉士

        居酒屋で介護論を一晩中語り明かす介護職は多いと思う。 俺もその一人。 話しの展開は決まっていつも同じで、日々関わっている認知症のお年寄りと差ほど変わらない。 今から十数年前、リストラの風が吹く中、「背中が綺麗だから」というだけの理由で製造業から一変、介護職として働き始めた俺。 そこは絵に書いたような「昔ながらの老人病院」だった。 いざ働いてみると背中の向こうはウンコとシッコだらけ。 それこそ綺麗事では語れない日々だったが、今振り返れば大切な事はみんなお年寄りから教

        • 老いた『者』ではなく『時代』を託す場所

          とある田舎の宅老所。 地元の皆さんのおかげでなんとか運営出来ている。 立ち上げながら気づいた事は「スキル」や」知識」よりも「繋がり」の大切さだった。 「自分らしく働きたい」と思って立ち上げた宅老所には たくさんの役者が揃っていて、ひたすら人の体を叩くばぁさんがいれば叩かれる拍子に合わせ童謡を歌う職員がいる。 かたや家の隅から隅へ歩き続けるじぃさんがいれば無造作に置いてある家具がじぃさんのよろめきを絶妙に受け止めている。 そんな手作りの舞台を彩る役者に芸名はいらない。

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