小規模事業者にとっての【事業再構築補助金】ってどう?

こんにちは、中小企業診断士の安永です。
今日は、皆さんもちらほら気になっているのではないかと思って、新しい国の補助金についてさらっと解説しておこうと思い、noteを書きました。
よかったらご覧くださいませ。

■目的~国のメッセージは何なのか?

この補助金を使って、「コロナ禍をきっかけに落ち込んでしまった業績を回復させるために、今、手を打って欲しい」ということだと私は解釈しています。つまり、コロナ禍が終息して、消費が回復するのを待っていては遅すぎる、ということです。世の中は急速に変化し、その変化に対応できた企業だけがアフターコロナで生き残れるといっても言い過ぎではないかもしれません。世の中は常に変化していますが、コロナ禍がもたらした変化はあまりにも劇的で、思い切ったテコ入れをしないと、まずいですよ、というメッセージが込められていると思います。
逆に言うと、それほどダメージを受けていなかったり、すでに対応済みで業績が堅調または好調な企業は補助金の対象外ということですね。

■サクっと概要(小規模企業、個人事業主に関係するところのみ)

公募期間:3/26-4/30
補助金額:100万~6000万円 (補助率2/3又は3/4)
何に使えるか:建設・改修費、機械装置費、専門家経費、クラウドサービス利用料、外注費、広告宣伝費等等
要件:事業再構築の5種類の類型(新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、事業再編)のいずれかに合致する計画を策定すること
事業計画書の分量:最大15ページ(小規模事業者持続化補助金の5-6ページと比べると約3倍)
難易度:かなり高い(よほど補助金の書類に慣れていて、計画作成が得意な方でない限り、専門家に依頼して作成を支援してもらうのが現実的と思われます)

■で、結局小規模企業、個人事業主にとってどうなのか?

難易度が高いと書きましたが、先に挙げた要件に合致させるには、かなり思い切った対策を真剣に検討して計画を作らないといけないということです。思い付きでパパっと書いたような計画ではおそらく審査に通らないでしょう。コロナ禍をきっかけにした収益性の悪化やそれ以前から続いている業績不振に対して、本気で向き合わなければならない、そのためには思い切った設備投資を検討している、という事業者にこそ活用して欲しい補助金ですが、「補助金が欲しいから何か新しいこと始めてみよう!」ということではおそらく難しいと思います。また、設備投資や経費金額もある程度大きくないと、本補助事業を実施した結果として要求される売上高要件を満たせないですし、小規模企業がそれほどの投資や労力をかけられるのかといったところが課題になると考えられます。
ということで、私の意見としては、小規模企業に該当する事業者様は、小規模事業者持続化補助金を活用するほうが費用対効果的にも良いのではないか、という結論となります。

ただ、本当に必要とされている事業者の方には非常に役立つ補助金だと思いますので、活用を検討されている方は、お早めにGビズIDの取得と、計画策定を支援してくれる認定経営革新等支援機関を探すところから着手しましょう。

■参照情報

・GビズID https://gbiz-id.go.jp/top/
・認定経営革新等支援機関 検索システム
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/

事業再構築補助金の詳細については下記サイトをご参照ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/

それではまた。



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