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季語の約束に束縛されないで自由に俳句を詠みましょう

使われたことばが歳時記に載っていないからといって、無季だと決めてかかる人がいますが、これは間違いです。 季語の有無云々ではなくて、一句の中に季感が存在するか否かを問うのが正しい俳論なのです。

俳友のきみこさんの句を見てみよう。

植え終へし棚田に風の生まれけり  きみこ

田植えという季語は使われていませんが、『田植えの終わった棚田に』とい句意であることは瞭然です。ですから立派な田植えの句なのです。

もう一例、阿波野青畝師の作品をあげてみましょう。

老らくの手習を星御覧ぜよ   青畝 

この作品が、七夕、星祭りの句だと気づかれた方は合格です。

星祭りの習慣は短冊に願い事を書いて七夕の笹にくくるんですよね。 青畝先生ならではの御句で、誰でも真似を出来るというものではないですが、 こうした季感の表現もあることを覚えておくと、俳句はますます奥の深い楽しい世界となるでしょう。

 


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