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大秋晴水平線の撓みけり
今朝の須磨浦は、波の子もなく洋々とした景を展けている。
底抜けに澄んだ青空が広がり一点の穢れもない。海はまたその色を映して深い深い藍を湛えている。紛れもなく大秋晴。
工業化でスモッグが立ちこめる瀬戸内では、一年を通じてはっきりと水平線を認められる日は滅多にない。だが、この日は実に180度のパノラマで見渡せるのだ。
水平だから水平線と呼ぶのは当たり前だが、錯覚で左右の視界の限界では撓んで見えることに気づいた。俳句は理屈ではなく心の目で写生する。
この一句を授かって先生に誉められたとき、一つの壁を越えられたような気がして嬉しかった。
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