ダッシュボードに数字をバンと置くだけ適切な「BAN」表現の使い方

●経緯 BANとの出会い

ある日タイムラインに流れてきたTableau系の記事を読んだところ、
BANという見慣れない単語を見つけた。

画像2

Adam E McCann氏 KPI Options
https://public.tableau.com/app/profile/adam.e.mccann/viz/KPIOptions/AllDaKPIs

KPIの可視化に関するTips記事だが、BAN Textの意味が分からなかった。
そこで調べてみると、どうやらダッシュボードに数字を配置することを
欧米圏ではBANと呼ぶらしいことが分かった。
このnoteでは私がBANについて調べたことをまとめていく。

●BANとは

BANとは「Big Ass Number」の略である。直訳が中々センシティブなので
ここでは「クソデカ数字」とでも和訳しておこう。
明確な定義はないが、数字そのものを大きなフォント・太字で
ダッシュボードに配置していればBANであると言っていいだろう。
要するにダッシュボードに数字を「バーン!」とドデカく置くアレである。
最初に引用した画像等は好例で、KPIの可視化でよく使われるイメージだ。

画像2

●ダッシュボードに数字を置く罪悪感

ダッシュボードを作るときに私は罪悪感を覚えながら数字を配置していた。何故なら数字そのものは何ら可視化ではないからである。
一方で数表文化の我が社では頻出表現であったので、
罪悪感を感じながらも、そこそこ使っていた。

だが以下の記事を読み、適切な使い方をすればBANは効果的な表現だと
思い直した。以下の記事よりBANが効果的に使える状況を2つ紹介しよう。
In Praise of BANs (Big-Ass Numbers)
https://www.datarevelations.com/resources/bans/

●BANが効果的な状況①:ダッシュボードの要点である

画像2

上は同記事より引用したクレーム(Complaints)の対応状況ダッシュボードである。タイトルのすぐそばにBANがある。
その中身は総数(Tolal)や対応状況(Clodesd:完了 Open:対応中)に
なっており、このダッシュボードで一番知らせたい数といえる。
最も知らせたい数を強調するのは変な話ではないし、
むしろ棒グラフのラベルなどだったら分かりづらくなったであろう。

このようにダッシュボードの肝となる数はBANで表現すると効果的である。
KPIを扱ったダッシュボードにBANが頻出するのはそのためだろう。

●BANが効果的な状況②:Vizと連携している

同じダッシュボードの左上のグラフに注目してみよう。

画像3

下のグラフはクレーム対応状況について月別の推移を示している。
このグラフには凡例が付いていないが意味は分かるだろう。
何故ならばBANの色が棒グラフの色と対応しているからである。

実は他のグラフも同じような色使いがされており、
BANがダッシュボード全体の説明になっているのである。

このようにBANが他のVizと連携している時は効果的な表現といえる。

●BANが効果的になる具体的な条件について(私案)

noteを書いていて、BANが効果的になる具体的な条件を思いついた。
・1つのダッシュボードで片手で数えられるぐらい
・位置は上側か左側。要するに最初の方に目に入る方が望ましい
・色で分類や判断(対計画オンラインか否か)を表すと望ましい
・数字をとにかく大きく配置し、説明書きは数字よりも小さくする

数字を大きく配置するBANは、良くも悪くも非常に目立つといえる。
だからこそ数字で表されるものは重要ではないといけないし、
また目立ち度合いを逆手にとって凡例のように扱うと効果的なのだろう。

逆に言えば単なる数字はBANとならず、分かりにくい表現になる。
数表とBANは異なるもので、この辺りを切り分けられないことが、
私の罪悪感の原因であると思い至った。

●余談:日本でもっと一般的な概念になってほしい

この記事の執筆前に検索してみたが、BANに関する日本語記事はなかった。
一方「Tableau  BAN」とGoogle検索すると、いくつも有意義な記事が見つかり非常に勉強になった(本当、英語はTableau 記事が充実している!)。

もしBANが日本でも一般的な表現であれば、私は罪悪感を感じずに数字を
ダッシュボードに配置できたし、効果的な使い方も検索できただろう。

このBANという表現、Preattentive Attributesと同じように日本でも
定着してほしい。少なくともTableau ユーザ界隈ではそうあってほしい。
そうすれば色々なダッシュボードが進化すると信じてやまないのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?