DATASaberBridge卒業式 師匠代表挨拶原稿の共有と、作成過程
伝えたいこと:挨拶原稿の共有とその作成過程
先日、DATASaberBridgeの卒業式+懇親会があった。
半年近くやってきたイベントのフィナーレということもあって、色々と思うところはあった。
そんな中、卒業式の師匠代表挨拶に私が選ばれた。せっかくの機会なので挨拶原稿とその作成過程を紹介したい。
ちなみに卒業式は二部制で、一部の師匠挨拶はnorikoさんがされている。挨拶としての出来は私より良いので是非ご覧いただきたい。このnoteに触発されて私も書こうと思った次第である。
師匠挨拶 原稿全文
元々書いていた原稿は以下の通り。
実際には、場の雰囲気を見ながら内容を少し変えたり緊張で原稿が飛んだりしたので少々違うところもあると思うがご愛敬ということで。
元々この「少しでもいいから続けて欲しい」というメッセージは私が本当に伝えたいと思っていたことなので、発信する機会を頂けたし、式後もぼちぼち良かったという感想が聞けたのが嬉しかった。
挨拶の作成過程
ここからはこの挨拶原稿の作成過程について話そう。
まず依頼を受けて考えたのは「良い挨拶とは何で、誰に、どのようなメッセージを伝えるべきか」ということだった。特に伝えるべき相手に思いを馳せるのが重要で、これはVizを作る際のストーリテリングとも同じである。
肝となる伝えるべきメッセージを構想をしている時に、ふと以前読んだ本を思い出した。それが「独裁者の最強スピーチ術」である。
この本で印象的だったのが、人を動かすストーリーの黄金律である。ざっくり言うと「①何かが欠落した主人公が②遠く険しいゴールを目指して③数多くの障害に立ち向かっていく」こういった3要素が含まれたスピーチは人が感情移入しやすく、心を動かされやすいとのこと。
という訳で大きなストーリーは「①認定1年の新米DATASaberが②データドリブンな世界を作るための活動に邁進し③色々な困難に立ち向かった結果、Bridge師匠として今日挨拶に立てた」という形で組むことにした。
主たる聴衆は新DATASaberの方なので、認定後の話というのは興味のある話にも出来るだろうと思ったし、私としても話すネタに困ることはなかった。あとオチとしてこの場に立っているというのは我ながらキレイな筋書きだと思った。
この最初の骨さえ出来れば、あとは肉付けとなるエピソードを足していくだけである。しばらく執筆の時間が取れなかったので、伝えるべき要素を頭のなかでぼんやり考えていった。
原稿を推敲する
粗方メッセージを考えたら、次は伝えたい内容を一気に文字化することである。ここでのポイントは思いつくがままに一旦書ききることである。誤字脱字や文書の整合性は気にしなくていい。
そんな勢いで書いてみたところ、2500文字になってしまった。1分300文字程度が目安なので、これだと8分近くになってしまう。そこで原稿を1400文字を目標に圧縮していった。1500文字にしなかったのはその場の雰囲気で文字を足したかったのと、覚えられるかも少し不安だったからである。
具体的には以下の3つを意識して原稿を推敲していった。
削ったところ①:伝えるべきコアなメッセージ
元々は「DATASaberの活動を続けて欲しい」と「発信活動の楽しさを忘れないで欲しい」の2本柱の予定だったが、より伝えたかった前者に絞り、後者は切ることにした。個人的な意見になるが、この手の挨拶は中々記憶に残りにくいので、1つに絞ったのは分かりやすくなったと思う。
削ったところ②:エピソード全般
元々は認定される→少しずつ社外活動をする→挫折をする(スピーチで話した部分)→活躍の場が広がる→Bridgeで活躍するという、もう少し長いシナリオだった。しかし長い話になってしまったので、認定→挫折→この場に立てたという感じで大分圧縮した。ちなみに新米DATASaber的な要素も今一つだと思ったのでこの時点でカットした。削った部分も話したいことはあるので、いつか別noteに書きたい。
逆に言うと、挫折のエピソードは削らなかった。ここはこのシナリオのコアな部分だし、体験談を踏まえて具体的なイメージが湧くように工夫した。ここは我ながら良かったところだと思うし、シナリオの黄金律にも繋がったと思う。
削ったところ③:全体からみて冗長な部分
今回は5分のスピーチだったので、1分300文字、合計5分1500文字が目安になる。そこで段落をざっくり5つに分けて、各段落が300文字以下になるように調整した。先ほどの原稿で--で区切られている部分があると思うが、それがこの1段落300文字制約をかけた部分である。それぞれの段落の中で、重複する部分や意味が弱いところを推敲していった。
これで原稿が出来上がったのが当日12時の行きの新幹線の中だった。広島駅でかったあなご飯の弁当を食べて、後は卒業式会場へ向かった。
現地では色々とあったし、正直発表が終わるまでは卒業式のコンテンツが身に入らなかった。発表中も緊張し、原稿が上手く見れなかったり、早口になったりしたりもしたが、何とか挨拶を終えることができた。
ちなみにnorikoさんも言及していたが、私の発表中、KTは私の方を真剣な眼差しで見ていて、頷きもすごかった。聞く側の態度というのが発表の雰囲気を作るのは間違いないし、改めて見習うべきだなと思った(そしてこの内容は某プログラムでも言及されている内容だったりする)。
実際に話してみた反省点
実際に話してみて、反省点はだいたい以下3つくらいだろうか。
①話す練習はもっとすべきだった
構想自体は2/17に依頼を受けたので1週間弱である。ぼんやり構想を5日くらいでし、前日と当日午前中で一気に原稿を起こした。当日午前は新幹線で移動しながら黙読して推敲したのだが、当日言葉に詰まってしまうこともあった。やはりちゃんと読み上げる練習はするべきだった。
発表時間も規定の5分に対して、実際には4分半になってしまった。ここもうまくコントロール出来てなかったので、もうちょっと調整したい。
②資料投影の交渉をしても良かったかも
通常の式典挨拶ならば原稿を読み上げるだけだが、この手のイベントであれば資料が投影できなくはなし、実際KTの祝辞はスライドを使っていた。口頭だけだと限界があるしオンラインでどこまで伝わったかもわからない。ここは手段の一つとして考えても良かったかもなと思った。原稿飛んでもリカバリーできるし。。
③場の雰囲気を読み違えた(思ったより厳粛だった)
もう少し賑やかな感じになると思っていたが、式典ということもあってか、私の想像よりは厳粛な形で行われたので、若干想定違いだった。
多くの方の努力で成り立っている正式な場なのだから、例えばnorikoさんのように冒頭部分で関係者全員への挨拶はきちんと入れておくべきだったし、テイストはもう少し真面目寄りでもいいかなと思った。
余談:発表の機会は積極的に挑戦してみて欲しい
個人的には今回の発表が出来て良かったと思っている。新DATASaberたちにメッセージを伝えられたし、私にとっては良い試練の場になった。何より情報発信はDATASaberの本業であるし、ここから逃げていてはDATASaberの名が廃るだろう。
こういった発信を続けていると、色々なところで声がかかるようになるし、自分が立てる舞台もどんどん大きくなっていく。今回の師匠挨拶に選んでいただけたのも、少なくともこのスピーチを任せていただけるだけの信頼があったからだと思いたい。
この辺りが今回の挨拶で泣く泣くカットした「少しでも活動続けることのメリット」と「発表する楽しさ」に繋がってくる部分である。
繰り返しになるが、少しでもいいからDATASaberの活動を続けて欲しいし、機会があれば積極的に挑戦してみて欲しい。こうした活動の積み重ねが、きっとあなたをまだ見ぬ世界に連れて行ってくれるだろう。
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