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青森 奥入瀬渓流へ

いつか行ってみたいと思っていた場所の一つ、青森県の「奥入瀬渓流」へついに行ってきました。

まず、そこまで行くのが大変だった。
新幹線でまず八戸まで出てそこで1泊。レンタカーに乗り換え奥入瀬渓流がある地元蔦温泉で1泊。
3日目の早朝に焼山のバス停付近から十和田湖に至る「子ノ口」まで全長14kmを歩いた。

季節はちょうど新緑が気持ち良い5月中旬。
しかし青森の森の中は下界よりもいっそう冷んやりしていて、上着を全部着込んでも肌寒いくらいでした。

歩き始めの道で トグサと呼ばれる植物が沢山生えていた 風はまだ冷たかった


奥入瀬渓流を歩いての感想はとにかく長い。
下流に位置する「奥入瀬渓流館」は「焼山」のバス停からすぐ近く車も停められます。そこから「子ノ口」まで全部で14km。欲張りの私は奥入瀬を味わうためにも、全部歩き切りたいと思ったのだがそのことを後悔するくらい、歩けども歩けども道が続き(もちろんその間に写真を撮ったり休憩したり寄り道もあったのだけど)結局子ノ口に着くまでおおよそ6時間かかった。

名前の通り、水量が本当にすごくて溢れんばかりの水が惜しみなくドウドウと流れていた。

噂に名高い阿修羅の流れ


歩道と並行してずっと車道が走っていて、意外にもそこまで自然の奥深い場所という感じはなかった。なので、観光客の方々が入って来やすいのだろう。「石ヶ戸」という場所から一気に人がなだれ込んできました。

奥入瀬渓流を調べていて不思議に思ったのが、十和田湖と接している方が川の上流になるということ。
普通川は山から流れて湖や海などに出ていくイメージがありませんか?
それには十和田湖ができた地形的な理由が関係していて、そもそも十和田湖は火山活動によってできた巨大なカルデラだということ。だから湖だけど高い場所にあるんですね。

もう一つ特徴的なことは、歩道とほぼ同じ高さで川が流れているので美しい渓流を間近に見られるということ。それがすごくよかった。
天気にも恵まれたので、辺り一面緑で埋め尽くされた新緑の中を蝦夷春セミや鳥の声を聴きながら歩きました。

歩道から渓流が間近みえる

渓流のあちこちにはいくつもの滝があり、どの滝もそれぞれ見どころがあった。

川の向こう岸 奥の方に見えるのが白糸の滝

そして最後には迫力の銚子大滝が待っていました。

銚子大滝


ゴールは十和田湖畔の子ノ口。
子ノ口に近づくと急に視界が開けて、川の色も変わってきます。十和田湖に着いた時には足も痛く、へとへとでしたが海のように大きい十和田湖に感動。全部歩きたいと言った私の希望に付き合ってくれたダンナちゃんありがとう。

子ノ口までくると河の色が萌黄色に 


でも心底思うことは、奥入瀬の自然は半日やそこらで感じられるものではない、ということ。
広大な自然。美しい川の流れ。そこに生息する生き物や植物の気配。
何千年、何万年をかけて育まれたこの自然を今回訪れたこの短い時間では到底味わいきれないということをつくづく思った。
新幹線や飛行機で短時間でそこに辿り着けてしまう分、自分の感性がその悠久の時の流れにすぐに入っていくことができない。
素晴らしい大自然の中にいるのに、感動するよりもその道を踏破することで一生懸命になってしまった。
振り返ってみるとそうだったんだなと思う。
全部の道を歩き切るよりも、1箇所にのんびりと座ってぼーっとそこで過ごしてもよかったな。

大自然の中に入っていくときは、ゆっくりと。感覚をゆっくりに合わせていった方がいい。
想像するよりも先に瞬時にあらゆる情報と接続できてしまうことの寂しさも今回の旅で感じた。

機会があればもう一度行ってみたい。
違う季節ならまた違った魅力があるだろう。
今度は歩く距離を短くして、のんびりボーっとする時間を作りたい。


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