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足立実の『ひと言』第36回 「獲得目標を点検しよう-87春闘」 1987年4月10日

 みんな毎日忙しい。会議を開き、職場集会と団交をやり、ビラをつくり、ビラを配り、職制と闘い、仲間にオルグし、支援にでかけ、デモに参加する。
 何のためにか?
 仲間と自分と家族の生活と権利を守るため、労働者の幸福のためである。
 企業主に賃金を上げさせれば生活を守ることができるが、そのためには労働者の団結と闘いが必要である。
 まして労働者が幸福に暮らせる社会をつくろうとすれば、組合の団結を強め、組合員の質を高め量を増やし、活動家を育て、未組織労働者を組織し、地域全国との団結を強化するなど、労働者の力を強大にすることが必要である。
 そのために私たちは春闘討論集会で、各支部が賃上げと組織強化を結びつけた獲得目標を出し、相互援助して決めている。
 獲得目標は労働者の利益を表わしたものだ。これができれば春闘は成果があったといえる。できなければ失敗である。
 獲得目標の実行状況を点検してみよう。
 春闘討論集会で出た意見を思い出そう。
 毎日の活動に追われて取り組みが遅れている目標は、すぐ対策を立てて取り組もう。
 獲得目標は春闘総括を書くときに思い出すためにつくったものではないのだから。
 全力をあげて春闘に勝利しよう!
 東部労組を強化し拡大しよう!
 地域共闘を強めよう!
 全国の勤労者と団結しよう! (実)

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注釈

・職制
工場・会社などで役づきの職員。係長・課長以上の管理職。また、その職にいる人。

・オルグ
「オルガナイザー」の略。組合や政党の組織拡充などのため労働者・大衆の中で宣伝・勧誘活動を行うこと。また、その人。

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現在、春闘真っ只中である。

春闘を闘うにあたって、獲得目標を設定し闘いの中でそれが達成出来たかどうかを確認する重要性を説いている。

「獲得目標の実行状況を点検してみよう。」などと具体的なアドバイスが示されている。

筆者の組合員に対する愛情が溢れた文章である。

「獲得目標は春闘総括を書くときに思い出すためにつくったものではないのだから」と春闘の獲得目標設定の形骸化も戒めている。

コラムの最後には4つのスローガンが掲げられ筆者の並々ならぬ筆者の87春闘への意気込みが感じ取れる。

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