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海外渡航のお供に:タイ運転免許証

小粒山椒です。
 
 今回は、海外で車やバイクを運転する場合の運転免許証について、私の経験を踏まえたタイで運転免許を取得する方法を記事にします。海外での自動車やバイクの運転で同様の悩みをお持ちの方への一助になれば幸いです。


1.海外で有効な運転免許証

 海外で車やバイクを運転する場合は、有効期限一年の国際運転免許証を、都道府県の運転免許センターもしくは警察署で発行して、日本の免許証とパスポート及び国際免許証の三点セットを所持するのが一般的だと思います。
 この方法は、日本とジュネーブ国際免許条約を締結している国では有効な手段ですが、条約締結外国はもちろんの事、条約が有効に機能しない国では運転できない場合があります。
 
 私が渡航する東南アジア諸国では、条約の有効度[認知度]が低く、何度となくミカジメ料を徴収されたり、意味不明な難癖をつけられたりとのトラブルに遭遇しました。そこで色々調べた所、ASEAN連盟加盟国ではジュネーブ条約とは別に運転免許証の相互間認証という条約があり、加盟国で発行された運転免許証は加盟国でも有効となります。
※個別に国際免許の取得は不要
※ベトナム・インドネシア・ミャンマーがジュネーブ条約外国
 

2.タイの運転免許証

 私は、東南アジア諸国へ商用及び個人で渡航した際に、現地の移動に車やバイクを運転する事が多く、国際運転免許では対応できない場面に遭遇した為、非居住者でも運転免許の取得が可能なタイで免許を取得しました。
 
 [Good Point]
 ・非居住者でも運転免許の取得が可能
 ・非ジュネーブ条約のASEAN諸国でタイの運転免許が有効
 ・タイ人料金での各種施設入場料が利用可能な場合が多い。
 ・タイでは証明書扱いとなり、パスポート保持がほぼ不要。
 
 [Bad Point]
 ・書類手続きが煩雑
 ・取得までにそれなりの日数が必要
 ・英語は必須
 ・金銭的にも応分の負担が発生。
 ・有効期間は2年間で、毎回更新に手続きが必要
 ・車とバイクで別々に免許/手続きが必要
 ・運輸局や担当者によっては許可されない。

3.運転免許の取得方法

ノンビザツーリストが、ドライビングライセンスの新規取得する場合には
以下の書類を整えて、運輸局に申請書を提出する必要があります。

 A.居住証明書(Residence Certificate)
 B.健康診断書 (Health Certificate)
 C.運転免許の学科試験完了証明書
 D.実技試験の完了証明書

 Aは入国管理局で取得し、Bは町の病院で取得できます。CとDについては自動車学校に於いて取得するか、国際免許からの書き換えの2パターンがあります。今回は前者の説明をいたしますが、後者については直接運輸局に赴いて書換依頼をする事になります。
 申請する運輸局ですが、私は外国人の運転免許取得率が高く職員が慣れているチョンブリ県に於いて運転免許を申請し取得しました。個人的には、外国人の居住や滞在が多く英語での対応が可能な、バンコク都やチェンマイ等の地域で申請を行う方がトラブルが少ない思います。

4.居住証明の取得方法

a) ホテルにチェックインする際、Onlineの居住者登録を依頼
※ Onlineの居住者登録がされていない場合、紙面での居住者登録証明を作成し、ホテルオーナーの委任状と共に提出する必要があります。この紙面作業を省くために、このオンライン登録を日常的にしているホテルに宿泊した方が良いです。また、ノンビザ入国者の場合は、特別に登録依頼をしなければ、ホテル側も作業を省略する事が多いです。

b) ジョムティエンの入国管理局で居住証明書を取得
  ・パスポートのコピー(顔写真と入国スタンプのページ)と顔写真を用意
  ・受付窓口で運転免許用の居住証明の発行をしたい旨を伝える
  ・申請書が手渡されるので必要事項を記入
  ・受付窓口で記入済申請書とパスポートコピー等を渡し、TM30用カウンターの受付番号札を受け取る。
  ・TM30の審査が終わると、TM30書類をパスポートに貼付けてくれます。
  ・受付窓口で、TM30書類を渡し、居住証明の受付番号札を受け取る。
  ・居住証明窓口で、申請書類一式を提出する。
  ・居住証明窓口で呼ばれたら、代金[350THB]を支払う。
  ・引換番号札を受取って、指定時間まで待機。(3時間位)
  ・指定時間に受け渡し場所で、引換番号札を渡して証明書を受取る。
 
※1 パスポートコピーと顔写真は、イミグレーションセンター内の左手奥で有償サービスコーナーがあります。
※2 TM30受付はカウンター10番、居住証明受付はカウンター9番
※3 朝~夕方までの時間が掛かる事を覚悟してください。
※4 本記事最下部に申請書フォーマットを載せておきます。

5.健康診断書の取得方法

a) Pattaya市内のクリニックに入り、健康診断書の作成を依頼します。
 
b) 簡単な問診票を渡されるので、住所や名前、パスポート番号を記載します。多分、身長・体重・血圧測定があると思います。
 
c) 診察料と手数料で100THB位を支払い、健康診断書を受取る。
 
※ 入国管理局の周辺やセントラルパタヤのクリニックで依頼すれば予約等が無くても対応してくれます。何件か入って聞いてみてください。

6.学科証明書と実技証明書の取得方法

 私は学科と実技の証明書をパタヤドライビングスクールで直接申込し取得しました。これは時間の節約と確実性を重視した為ですが、他にも市内のエージェントを通して対応する等の方法がある様です。
 
 ・ドライビングスクールへ開講時間の午前9時を目途に向かいます。
 ・受付で、バイクライセンスを取りたい旨を伝えます。
 ・料金とライセンス取得可能日等の説明があります。
 ・納得できたなら、料金を支払って講習開始です。
 
 ≪以下は私が聞いた価格表と所要日数≫
 (1)通常コース: 3,500THB
  2日間でペーパーテストを自力合格。翌週の運輸局の申請予約付。
 (2)特急コース:10,000THB
  2日間座学でテスト免除。直近での運輸局の申請予約付。
 (3)最速コース:18,000THB
  1日間座学でテスは免除。当日または翌日に運輸局の申請予約付。
 
【講習内容】
a)1日目(10時~17時)
 ・講習大部屋に入り、交通ルールや危険行為等の啓蒙ビデオを見続ける。
 ・1時間に1回の指紋認証による出席確認。
  ※出席確認時以外は、敷地内で何をしていても大丈夫です。
 
b)2日目(09時~15時)
 ・XSAM-ROOMに入り、PC上でペーパーテスト問題をこなす。
  ※何度もトライできるので、問題に対し回答を選択し続ける
  ※一定点数以上が取れると学科+実技完了となる。
 ・認識力/反応力テスト
  1. 反応テスト部屋へ入室
  2. テスト用紙が配布されるので名前を記入。
  3. 認識テスト(1) ブレーキ反応テスト(指定場所でブレーキ踏み)
  4. 認識テスト(2) 信号の色の認識テスト(色を答える)

 ※テスト免除の場合、XSAM-Roomでテスト実施する際に、職員がリモート操作して回答してくれるので、監視カメラ対策としてPC画面を見ながらマウスを握って受験している演技をします。(体験者談)

 ・上記の2つが完了すると、運輸局申請への呼び出しを待ちます。
 
c) 運輸局での申請と免許受取
 ・指定日に自動車学校職員と共に運輸局へ向かう。
 ・申請書提出の予約を職員が受け取ってきます。
 ・アポイント時間になったら2階カウンター13番で書類を提出し、手渡された書類に署名をする。
 ・支払用レシートを渡されるので、支払いカウンターに並び、105THB(車とバイクの場合は210THB)を支払う
  ・1階で運転免許証用の写真撮影をする為にレシート番号の呼出しを待つ
  ・写真撮影が終わったら運転免許証が出来上がるまで待機
  ・1階で呼び出しされたらレシートを渡して運転免許を受取る。
 
【補足:自力申請時の流れ】
 ・運輸局で、運転免許交付審査の予約を行う。1週間後位から予約可。
 ・予約日までに申請書類(E-Test/E-Learning含む)を整えておく。
 ・予約日に運輸局へ行き、予約票と申請書を2階カウンター13番で提出。
 ・運輸局で、上記支払いと写真撮影を行って、免許を受取る。

【全般の注意事項】
・バイクと自動車の両方を取得する場合、全ての申請書類が2組必要。
・ドライビングスクール費用も2倍必要。(多分値引き交渉可能)

7.まとめ&あとがき

 私の実体験を含めた取得方法について記事にしましたが、如何でしたでしょうか? 短期滞在者であっても、現地に1週間半~2週間位滞在できるのであれば、運転免許証を取得する事は可能です。
 このASEAN運転免許証は、特にベトナムやインドネシア及びタクシーアプリの使えない場所へ移動する際には強力な道具となります。私もこの運転免許証のお陰で、気兼ねなくレンタルバイクを借りて移動できる様になったので行動範囲が格段に広がりました。時間とお金に余裕がある方は取得のチャレンジをしてみてください。
 
 本記事を参考にして頂けるなら幸いですが、2023年1月時点での情報になりますので、最新動向や手続き及び書類等については当局のホームページ等をご確認ください。


 

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