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みんなのオーケストラ第二回定期演奏会アンコール

 お越しいただいた皆様、ありがとうございました。本番ではティンパニを演奏していました、アンコール「ふるさと」の編曲を担当したものです。
 
 今回のアンコールは「ふるさとを歌おう」にある「ふるさと」でしたが、曲中に「新世界より」のフレーズがいくつか散りばめられていたことにお気づきになりましたか?
今回、アンコールの編曲にあたっては、演奏会の内容を振り返り、聴いていただく皆様がそれぞれのふるさとを思い浮かべられるようなものにしたいと思い編曲を行いました。

 前奏は企画ステージで扱われていた「ヨナ抜き音階」にちなんで、抜かれている4と7の音から始まります。不安定な和声とエコーのように響くトライアングルは、夏の昼下がり、暑い風に風鈴が鳴り、外からは蝉の声が聞こえてくるような情景をイメージしています。私自身が思うふるさとの夏の風景を再現しました。

4と7の音

 本題のふるさとのメロディに入ると、前半は弦楽器のみによる少し物悲しい切なさを持った展開で始まります。だんだんと楽器が増えてきて、木管楽器にメロディが移ると、家路のメロディをモチーフとした弦楽器のフレーズや、木管楽器による三楽章のリズムなどがフラッシュバックし、演奏会全体を振り返るような構成になっています。

木管楽器による3楽章のリズム
木管楽器による3楽章のリズム

 その後、全員での斉唱となります。おそらくエモーショナルな空気感に包まれることでしょう。ここで今回の演奏会のテーマである「ふるさとを歌おう」がついに実現されましたね。

 全員の歌唱が終わった後、後奏が遠くの方から聞こえてくるように演奏されます。もう一度家路が遠くから聞こえてきて、それぞれのふるさとへの感情を想起させ、低弦楽器によるヨナ抜き音階のピチカートで曲を締めくくります。

ヨナ抜き音階ピチカート

以上、「ふるさと― feat. 新世界より―」の解説でした。

今回の編曲をしながら、日本の歌である「ふるさと」とドヴォルザークのふるさとを思う歌「新世界より」の親和性が高く驚きました。それぞれの場所は違っても、ふるさとを思う気持ちは世界共通なのかもしれませんね。

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