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子どもが本気になった!ezorockさんとの協働授業

1 自己紹介

私は「社会と学校をつなぎワクワクを作る」合言葉にゲストティーチャーと協働した授業を行っている公立小学校教諭です。ゲストにしか話せない言葉を引き出し、ゲストだからできる活動を考え、オンリーワンの授業を目指しています。

2 今回の授業は?

NPO法人ezorockの皆さんと、第6学年の総合的な学習の時間で「廃棄物削減のためにできることを考える」授業をオンラインとオフラインの両方を使って行いました。

3 ゲストの素敵ポイント

今回関わっていたのはNPO法人ezorockの皆さんです。ezorcokさんは「社会を揺り動かす」という理念のもと、2000年に行われた 「RISING SUN ROCK FESTIVALにおける環境対策活動」をきっかけに2001年4月に設立。 青年層のネットワーク拡大とともに、北海道の地域課題に対して、若者のアイディアやパワーを届ける事業を展開。 活動を通して若者が自らの人生を切り開いていく機会を作り出している団体です。(紹介文はホームページより引用https://www.ezorock.org/)
私が注目したのは、ezorockさんのearthcareの4つの活動です。 4つの活動とは、ゴミ分別ナビゲーション、キャンペーンバックの配布、ecoアクションキャンペーンブース、みんなで薪割りの4つの活動です。特にゴミ分別ナビゲーション、キャンペーンバッグの配布は、子どもたちにとっても具体的で分かりやすくかつ、ゴミ分別をするのではなくナビゲーションをする、毎年違ったデザインでバッグを配布するなどの創造性があり、子どもたちが解決策を考える上での大きな指針になると考えました。本物の社会課題に向き合い具体的かつ創造的な活動をしている方から発せられる言葉は、説得力があり、インスピレーションを与えることができます。ezorockさんとの出会いを通して、子どもたちが「自分もやってみよう!」と思えるような授業を構成していきました。

画像は本人が作成

4 授業での工夫

工夫1 活動家としてのマインドを伝える。
工夫2 子どもたちが実際に活動し、その結果をプレゼンする。
工夫3 プレゼンは多くの人達に聞いてもらいフィードバックを受ける。

授業で行った3つの工夫(画像は本人が作成)

5 どんな授業だったの?

・学年 第6学年
・教科及び領域 総合的な学習の時間
・ねらい 知識技能 海洋プラスチック、フードロス、衣類による環境汚染について、何が起こっているのかを本やインターネットを使って調べ、概要をまとめる。3Rの内容を理解している。自分が解決したい課題を見つけ、その解決法を考え、実践する。 思考力判断力表現力 自ら課題を見つけ、その解決策を考えるための方法を考える。実践した解決方法を見直し、より良い策を考える。 主体的に学習に取り組む態度 自ら課題を見つけ、その課題を解決しようと活動することができる。また、活動の内容を自分が選んだ方法で伝えようとする。
・単元展開
単元の導入では、世界のゴミ問題の現状、さらにそれを解決するための3Rという概念を学びます。その上で「ゴミを減らすためにできることは何か」を大きな課題とします。その後、プラスチック汚染、フードロス、衣類品の汚染問題にカテゴリー分けをして、自分の課題意識を明確にしていきました。
単元の中盤、ezorockさんが教室に来ていただきました。その際、授業で話していただいた言葉がこちらです。

画像は本人が作成

この言葉を聞いた瞬間、子どもたちは顔を見合わせたり、「私がそんなことできるの?」と恥ずかしそうなリアクションをしたりしていた。
北海道最大規模のフェスで、ゴミ分別ナビゲートをはじめとして、様々な活動を実際に行っている方たちからの「みんなも活動していいんだよ。」という言葉は、子どもたちを間違いなく勇気づける言葉になった。伴走者は、時として走者の前に立ちペースメーカーとして、悠然と走ることがある。子どもたちは、この話に勇気づけられる形で、にたくさんの試行錯誤を行っていきました。
家庭で使っていない洋服を役場にもっていった児童。
自分の部屋に分別がしやすいゴミ箱を作って使ってみた児童。
食品ロスが出ないように気をつけながらお母さんと料理をしてみた児童。
どの児童の実践も情報を得て終わりではなく、実際に行動するというものでした。
最後には、実際の行動や成果をまとめたものを「エココンテスト」として発表しました。

画像は本人が作成

独特な緊張感の中、
子どもたちは、3か月間の学びの集大成を堂々と発表した。
発表の構成は以下のような流れで行った。
1 自分が解決したい問題は?
例 僕は、お母さんにフードロスの問題を知ってもらいたい。
2 そのためにとった作戦は?
例 ポスターを冷蔵庫に貼る作戦。
3 やってみた結果どうだった?
例 お母さんはもうすでにたくさんのことやっていた。
4 結果を受けてどこを改善した?
例 お母さんがしらなそうな海外の実践例を調べた。
5 これからどうしていきたい?
例 皮付きフライドポテトがものすごくおいしかったから、
おいしくフードロスできるレシピを考えたい。
子どもたちの課題解決法とその結果に対する的確かつ温かいフィードバックが繰り返され、コンテストは盛会のうちに幕を閉じた。


子どもたちの振り返り
環境に良いことをいつかやってみたいと思っていたけど、「実際にやってみよう」と自分が実践して、家族もやってくれた。そんなところまで学習の中でいけると思ってなかった。
もしかすると、世に存在している様々な環境問題の解決法は、メリットもあるけど、デメリットもあるような気がした。メリットしかない、デメリットしかない解決法はないのかもしれない。難しいなと思った。

児童の振り返りを引用


学びが実生活まで浸透して、さらに、現実の難しさや大変さ、分からなさを実感する様子が感じられた。

6 まとめ

エココンテストの中で、**「環境問題は、大人の地球への関わり方の問題。大人が子供たちに考えさせてしまっている問題だ。」**と草野さんが話してくれた。
僕もその通りだと思う。子どもたちと一緒に環境問題を考えた3ヶ月。自分も子どもたちも行動を変えることができた3ヶ月だった。大人が活動している姿を見せることで子どもたちも一緒にやろうと考えることができたのではないだろうか。
ある児童がコンテストの際に言っていた。「やりましょう」ではしっくりこない。「私はやってます。」と言うんだと。

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