わたしは都合のいい、いい女
男の部屋から終電で帰されて、挙げ句その終電が他の電車の人身事故の影響で留まり続け、見送られたはずの駅でそのまま1時間電車に閉じ込められていた。
すっかりシラフになったころ、ようやく「男に腹が立っていたのではなくて、自分が惨めで哀れで悲しいのだ。」と自身がとっくに理解している、ということに気がついて、わたしは明るい山手線の車内でとうとうポロポロと涙をこぼしてしまった。
「デリヘルみたいじゃない?」
「いや、お金をもらってるわけじゃないんだからもっと安っぽいのな。」
「泊まるの