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住民説明会に向けて(飯高町の風力発電事業計画)

ずいぶん投稿が空いてしまいました。松阪市飯高町での風力発電事業についての考察はまだまだ続いていますのですが、ここのところ水面下でした。みんなの飯高メンバーはネコギギ探しをしたり、住民協議会や行政と話をしたり、林業に携わる人たちの話を聞いたり、事業者に連絡をとったりもしていました。

 地元での意見交換は続けられていたし、県議会での一般質問があったり、夕刊三重での記事も続いています。憂慮を続けてくれている方には本当に感謝です。憂慮を続けるという負荷は本来なくてもいいものなのに、次に危惧される事態に備えて動き続けるというのは、骨の折れることですね。異例の知事意見が出たことで、気が緩んでいたり、時間が経つに連れて意見が揺らいできたり、地域によってはいまもまだ意見が持ちにくい雰囲気があったりします。広い地域全体に関わる大開発の計画なのに、知らんぷりを決め込もうとする人もやはりいて、間に挟まれてすり減る人もいます。

反対運動ではなくて、調和を目指し未来を考える活動なのですが、地域格差世代格差も当然ありますし、気持ちを一つには当然難しいです。分かれるのではなく、みんな一緒に目指すところは何なのか、いつでも戻って描いていかなくちゃいけません。

そして、11月初めには事業者であるリニューアブルジャパンから地元住民への説明会があります。飯高町は大きく4地区ありますが、そのうち事業計画によって大きく景観が変わってしまう上流2地区での開催です。

 事業者にとって、「説明会を行いました。地元の理解が得られました」と一方的な実績になってしまわないように、聞きたいことに答えてもらう会にならなくてはなりません。そのために住民は事業への学びをやめてはいけないですし、自分の意見を持っておかなくてはいけません。言いくるめられないよう問うていくのはかなりパワーがいることなので、誰にでも気軽にできるというものでもありませんが、どんな事業者なのか、自分たちで会うチャンスではあります。

・知事意見にも計画の中止や抜本的見直しをと明記されているが、それをどう受け止めているのか。

・ただでさえ不安定な風力を用いての発電事業をするために、大規模工事をすることへの矛盾はないのか。建設的なビジネスプランであるのか。

・三重県では既に青山高原の風力発電事業などで耐久年数のたよりなさもわかっている。地すべりや土砂崩れなどの危険性も目に見える形になっている。既存の建設地よりもはるかに急峻な地形での開発で、事故がないと言えるのか。耐久年数をどう考えているのか。

・事業社に届けられた環境配慮書に対する意見書2007枚には目を通されているのか。各地から心配の声が届いている。それに対してどのような考えがあるのか。安心させる計画の見直しが可能なのか。

 私見の感情論にならないように対話を進めることが可能かどうかの不安はありますが、いまもまだ沢山の疑問が日々積もっています。誠意のある答えが望めない可能性の方が高いのですが、せっかく顔を合わすなら、聞いてみたいです。他の人の声もまたきちんと聞いてみたいです。嫌だねぇというだけでなく、攻撃的になることなく、未来を見据えての声を。

事業者説明会の前に、あと何をしておけばいいのか。大きく署名活動を望む声もありますが、地元を置いてきぼりにして周りの声が大きくなってしまうのも怖いです。とはいえ署名をしたい、なんとかしたいと望む人たちの声は、いつだって励みになります。ありがたいです。林業の衰退と共に人口減少に縮んでいくしかなかった飯高町が、風車ではない形で明るい未来を切り開いていくことはできないものか。超高齢化地域にそんなものを求めることがおかしいのかもしれませんが、だからといって世界にほこる素晴らしい山にどかんどかんとコンクリートを埋め込む事業をそのまま進めていいわけでもありません。

 事業者にとっては、他地域でも何度も繰り返してきたような住民説明会。けれど地元にとっては滅多にない機会です。きちんと考えてからでなくては、一方的に話を聞いて終わってしまいます。今まで疑問に感じていたことにきちんと答えてくれる事業者であるのか。立派な環境配慮書を作ってそれに対しての膨大な意見が出たことを、真摯に受け止めてくれる事業者であるのか。その見極めは十分可能な機会です。それより以前に住民説明会の開催周知をしてくれる事業者であるのでしょうか。住民有志への負担が大きすぎるのではないか。そんなこと言っても仕方ないのですが、周知することがこんなに大変だとは。まだまだできることがあって、やらなくちゃ進まないことがあって、なんとかなれば幸いです。




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