見出し画像

市議会での請願が賛成多数で採択

 松阪市飯高町での大規模風力発電建設計画に対する、数々の苦しい道のりは、ようやっと折り返し地点にきたようです。
 6月に提出されていた、まつさか香肌峡環境対策委員会と3つの住民自治協議会連名による「飯高地域の風力発電所建設計画反対に関する請願」が、文言の一部を変えて再提出されたことにより、6月議会では取り下げられ、やっと9月議会に持ち込まれ、審査のために環境福祉常任委員会が開かれてようやく通過したあとの、長い道のりでした。

 請願の中身は2点あります。
・地域住民の合意なしに事業を進める事がないよう国と県に対し、意見書を提出すること
・事業計画に係る官地の使用を一切認めないこと
この2点目の「官地」の意味するところに関して、一部の市議会議員さんや事業者から細かい詰めよりがありました。議会のルールに従っていない請願という発言もありました。請願が一部採択となると効力が激減してしまうので、最後までハラハラする議決ドラマでした。松阪市の市有林が入っていることも疑問ではありますが、大切なのは「地域住民の合意なしに進めない」ことなのです。

 10月19日の本議会には飯高町から1つの請願での傍聴定員としてギリギリいっぱいの20名近くが駆け付けました。他の傍聴者さんもいらしたので、全員は傍聴席には入れなかったほどです。2階席からの熱い視線を浴びて、請願に賛成する紹介議員さんたちはそれぞれ精一杯、住民の想いに応える誠意溢れる答弁をして下さり、やっとやっと賛成多数の採決になりました。
 署名活動に関わってくれた本当にたくさんの人々、骨折ってくれた方々に感謝の想いが膨らみます。

 今回の議決により、住民の声を受けて市政が前に進める節目となりました。事業者は勝手に計画を進める事は難しくなりましたが、ここもまだ通過点です。「白紙撤回」への仕舞い方をこれから道筋定めていかなくてはなりません。どうすれば事業者の思惑としても国や世界の流れとしても、禍根なく仕舞っていけるのでしょうかね。

 先だって10月17日には事業者であるリニューアブルジャパン社が飯高町の新聞各社折り込み広告にこの請願や環境アセスメント手続きに関して、事業者見解のチラシを配布しています。
 昨年夏に配慮書が出され、広く意見書を募るときも、事業者説明会のときもこのような大きなチラシ配布はなかったのに、反対請願が可決される本議会直前のタイミングで見解を出されたことも、どこを向いての事業計画であるのかを示唆しているような気がします。対立せずに住民の声に耳を傾けることができたらよかったのに、機会損失されたのが残念でした。
※下記は事業者住所などは切り取ってある画像です。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?