地域力が結集した事業者説明会
飯高町でなぜだか進められているリニューアブルジャパン社による風力発電計画の住民説明会が、11/5~11/7に波瀬地区と森地区で行われました。7月末に環境影響配慮書が出てから3か月も経ってから、各方面からの厳しい声が散々上がってから、ようやくの説明会で、事業者はどうやって地域に対してまっとうな説明を行うのが注目されました。
結論から言うと、住民からの問いかけに全くまともな回答はなく、ただ事業を進めることをのみ決めてかかったお粗末な説明会でした。住民が知りたかったのは「なぜこの地域が選ばれたのか?地質や地形として工事は難航を極めるし災害の危険もあり、尾根筋をいじることが理解できない」という極まっとうな問いかけであるのに、
・風況が適していたから(風況マップを見て)
・既存道路が使いやすそうだったから
・中部電力の系統接続に空きがあったから
という理由だそうです。まだ建設予定現地に足を運んだ者もおらず、詳しいことは調査に進んでからということを繰り返し協調するという軽薄さ。
事業として当然事前に予測して準備しておかなければならないヒト、モノ、カネ、情報の流れもちっとも作れておらず、リスク管理もなく、下調べもなければ将来性もない事業計画であることは明らかになりましたが、それでもなんでも「理解をいただいて進めたい」とテープレコーダーのような(たとえが古くてすみません)答え方でした。
風力発電所に関しての工事内容説明も、どこから持ってきたのかわからない(説明もなければ明記もされていない)写真を張り付けた資料による説明に終始して、事業計画自体も曖昧な印象を受けました。もちろん実績もないですし、どの道を工事して、それには何がどのくらい目安で考えられていて、そうなれば地元に対してどれだけの貢献ができるかも、全く考慮されていませんでした。
どれだけ悲痛な訴えも、どれだけまともな質問も、鋭い突っ込みも、強固な意思表示も、「ご意見ありがとうございました」で片づけられてしまう空しい説明会でしたが、全4回共、参加した住民は頑張りました。口火を切る人、つなげる人、切り込む人、違った観点で疑問を投げかける人、これだけは言っておきたいことを絞り出す人、わなわなと震えながらも冷静に問いかける人。本当にどの方も、初めて顔を合わせるような方も、いつもにこにこと優しい方も、自分たちの暮らしが踏みにじられる行為に対して、はっきりと声を挙げる機会になりました。
声を挙げたのは元々口が多い人ばかりではありません。穏やかに己の人生を受け止めて暮らす優しい人々が、こんな侵略のような事業計画はおかしいと力を合わせることになったのです。何度も何度もこのような説明会を各地で行ってきて、顔色を変えることもなく罵声を浴びつけられることに慣れている事業者と違って、ほとんどの住民には慣れない場です。来たくもなかった場です。貴重な時間を割いて、事業者の仕事に付き合わされるというだけで迷惑な話です。でも頑張りました。
「地域合意がなれけば事業はできない」
「白紙撤回もありうる」
「主な地権者の土地は立ち入りもさせない」
これらは共通のことにすることとし、議事録も残して住民に共有するということもダメ押しできました。録音もあり、書き残すことも可能です。
どうせ行われそうにもない絵にかいた餅(ほどいいものでないですが)計画を、ずるずる進められることには不安と不信が募るばかりで、早く終結してほしいのがヤマヤマですが、まだ続きます。しばらく踏ん張らないといけません。けれど思っていた以上に声を挙げてくれる住民の方がいて、その言葉はどれも真心からの熱い言葉でした。
地域力は強いです。完全に一丸となるにはまだまだ乗り越える壁が何枚もありますが、総じて底力があり未来がある地域です。たくさんの協力と応援に心から感謝します。私たちは前に向かって努力し続けます。
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