Alla Pugacheva "Zerkalo Dushi" (1978年、旧ソ連)


アーラ・プガチョヴァは旧ソ連時代から活躍するロシアの国民的歌手。結婚・離婚の数が多いことでも本国では知られているらしい。このアルバムは数ある彼女の作品の中でも異質なものであり、A面だけでも一曲一曲の分数が長く、三曲しか収録されていない。
A面一曲目からスライ&ザ・ファミリーストーンを想起させるサイケデリックなファンクで、ワウのかかったギターがドラッギーだ。しかも5~7分を占める大曲(?)。A面二曲目はどちらかと言えばバラード調の歌なのだが、曲の終盤でアーラ・プガチョヴァのささやきが何重にも録音されており、アレンジが凝っている。A面三曲目は彼女の「アーアーアー」という力強い歌声が曲の中で圧倒的な存在感を放っている。B面は普通のロシア歌謡であり、ちょっと残念。
彼女のことを知らない日本の音楽ファンがこのアルバムを見つけたら、おっ、旧ソ連のレアな辺境ポップスだ、買い、と喜びそうだが、日本ではニッチ扱いされていて一部のマニアしか知らないアーティストも意外と本国では著名人だったりするケースは多い。筆者がこのブログで紹介しているアーティストの大半もそうだろう。音楽の世界は広いな、とつくづく思う。

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