Arik Einstein & Shalom Hanoch "Shablool"(1970年、イスラエル)


アリク・アインシュタイン(故人)とシャロム・ハノクはイスラエルのロックの先駆者とされるアーティスト。このアルバム "Shablool"はイスラエルのロックの名盤中の名盤と謳われているらしい。
以前紹介したNatural Gatheringのアルバムとは異なり、正統派のロックだ。しかし、このアルバムがリリースされるまではイスラエルのポップス・歌謡曲は文語的なヘブライ語で歌われていたのだが、このアルバムでは口語的なそれで歌われているという点が瞠目すべき点だ。ちょうど日本で言えばはっぴいえんどの「風街ろまん」のような位置づけなのだろう。
アリク・アインシュタインの声は「優しい」「情緒的」と形容すべきだろう。どちらかと言えばシャロム・ハノクの方が荒々しく(いい意味で)アップテンポの曲によく映える。この頃はまだハスキーな声だったのだが、経年する毎にしゃがれた声になっていく。
シャロム・ハノクはこのアルバムの頃からアリク・アインシュタインに多くの曲を提供しており、二人のコラボレーションは長年にわたって続いた。1972年にリリースされたアリク・アインシュタインのソロ・アルバム"Yasmine (ジャスミン)"に収録された"Kama Tov Sh'Bata Ha'Baita (君が家に帰ってきたことがどんなに素敵なことか)"などがその代表格である。
アリク・アインシュタインはシャロム・ハノク以外にもMiki Gavrielovのようなイスラエル国内のロック・アーティストたちとしばしばコラボレーション・アルバムをリリースしている。どれも洗練された、クオリティの高いものである。

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