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先輩に聞く!私たちの”こうしよう術”

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就学活動を終えた、先輩パパ・ママや支援者の方のインタビュー記事をご紹介します。
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記事一覧

第9回 林ご夫妻の”こうしよう術”

前例はなくとも信じた、医療的ケア児のインクルーシブ 林 有香さん  名古屋に住んでいます、林 有香です。長女の京香は18歳で、定時制高校に通っています。首から下が動かせないという生まれつき全身の筋肉が萎縮する脊髄性筋萎縮症(せきずいせいきんいしゅくしょう)1型という難病のため、人工呼吸器をつけて暮らしています。 同じ病気にも様々な症状の違いがありますが、娘は、コミュニケーションは眼球と指先のわずかな動きで行います。学校生活でも、まばたきや眉毛の動きでイエスかノーを示し、

第8回 金子裕子さんの”こうしよう術”

はじめまして、金子裕子です。京都市に住んでおり、息子の翔大は電車のパズルが得意な小学校3年生です。翔大はダウン症があり、先天性の白内障と、年中さんの時に医療ケア児になったため、小学校は市内の総合支援学校に通っています。 振り返ってみると、これまで何か「こうしたい」と願っても叶わない時には、無理にでも実現させてみようと戦うことよりも、ダメならダメで他の道を探そうとしてきました。悩むこともあるし、悲しくなるようなことを言われて戸惑うこともあるんですが、それでも抗ったり戦ったりす

第7回 貫井ご夫妻の”こうしよう術”

就学活動は、夫婦の意見を合わせながら進む道 貫井 依里さん  はじめまして。東京都内在住の貫井 依里と申します。 貫井 悠司さん  夫の貫井 悠司です。我が家の子どもたちは小学校3年生と1年生。上の息子にダウン症があるため、小学校に入る前に就学活動をして、学区外の小学校で支援級に入学しました。 依里さん 都内とはいえ郊外のため、学区外への通学は車で送り迎えが必要だったり、そもそも学区外の入学申請までがすごく大変で、都市部との違いに驚くことが多かったです。 第一子なので

第6回 井田美保さんの”こうしよう術”

共に生きる道を見つけるための活動 こんにちは、井田美保と申します。夫と、小学校3年生の長女、1年生の次女の4人家族です。ダウン症のある次女も、長女と同じ地域の小学校で通常級に通っています。 就学相談でも支援級か支援学校を勧められましたが、インクルーシブな社会で一緒に生きていけることを願い、ずっと通常級への進学を希望していました。というのも私自身、ダウン症のある幼馴染がいるんです。0歳の頃から一緒に育ったその子とはずっと同じ学校に通っていたので、ダウン症があったり支援級

第5回 藤田健さんの”こうしよう術”

子育ても、学校選びも、妻とふたりで。 東京都中野区在住の藤田 健です。小学校6年生の娘は、3歳の頃から続けているバレエと水泳が好きな、元気な子です。ダウン症と知的障害があり、区内の支援級がある小学校に通っています。 今はちょうど中学進学に向けての就学活動をしているところでもありますが、6年前の小学校選びと比べると、娘の意思表示も明確になり、学校も選びやすくなったと感じています。小学校を決めるときは5つの学校見学に行った他、通常級に入れることを希望していたこともあり、話を聞

第4回 山田さんの”こうしよう術”

家族も一緒に取り組む就学活動 京都に住んでいる山田苗子と申します。子どもは3人、大学生の長女と、小6の長男、末っ子は現在、幼稚園生です。長男は跳び箱やかけっこなど体育が得意な一方で、小さい頃から複数の人の話を聞くことが難しかったです。1対1、あるいは両側にひとりずつ程度の人数なら会話も大丈夫ですが、それ以上は理解が難しくなり、個別に説明してもらうなどのサポートを必要としていました。軽度ですがADHD、ASD、それとLDと診断されています。小学校は普通級も支援級も選べる状態だ

第3回 工藤紘子さんの”こうしよう術”

何もかも手探りの小学校選び はじめまして、工藤と申します。息子と夫の3人暮らし、小三の息子は地域の小学校普通級に在籍しています。マンガを描いたりぬいぐるみで遊ぶことが大好きで、興味のあることにはすごい集中力と想像力を発揮する息子は、興味のないことはやろうとせず、やり始めても注意力が散漫になり時間が掛かります。入学前は、就学に向けて不安もありました。それは3歳児検診の後で、医師から多動衝動性の傾向と軽度知的の可能性を伝えられたからです。 今は毎日楽しく通学していますが、就学

第2回 西村洋子さんの”こうしよう術”

4歳でつけた人工内耳 はじめまして、西村洋子と申します。小4の娘と夫と一緒に、京都で暮らしています。 読書と水泳が大好きな娘は、生まれつき難聴のため、聞こえに支援が必要です。でも4歳のときから人工内耳をつけていて、静かな場所でふたりっきり、あるいは3人くらいのおしゃべりは全く不自由ありません。難聴とは思えないほど発音も明瞭ですし、本が好きなこともあって言葉もよく知っています。しかし4〜5人の会話では相手の話がわからなくなってしまったり、騒がしいところでは全ての音を補聴システ

第1回 高橋 真さんの”こうしよう”術

「みんなで就学活動」は、支援の必要なお子さんが小学校に就学する時にご家族が遭遇する困難や悩みを知るとともに、自分たちにとってより良い選択を描きながら就学できるようにするための“こうしよう”術を、みんなで対話し、つくりあげていくプロジェクトです。 ここでは、実際に就学活動を終えられた先輩方に、リアルな経験談をお聞きし、それぞれの方の知見を”こうしよう術"としてご紹介していきます。 毎朝「すき!」と言ってくれる娘こんにちは、高橋 真(ちか)です。家族は夫と、小学校6年生の息子、