貧乏人の為の葉巻の楽しみ方

葉巻は「究極の嗜好品」と呼ばれています。
ある人は葉巻を吸うことを「札束を灰ににする」とまで表現します。

それは美味しい葉巻を作るのに時間と人手がかかるからでしょう。
プレミアムシガーは葉巻の中でもトップクラスの価格です。機械化が進んだこの現代社会においても機械で巻いたものよりも人が手で巻いたもののほうが美味しいわけですから当然価格も高くなります。

また、こういった理由からか最近では中国を初めとして資本家達が「今、買っておけば価格が上がれば高値で売れる」という理由で、ビンテージや限定葉巻を買い漁り価格を高騰させていたりもします。（※ただ、別の記事でも書きましたが葉巻は時間と共にニコチンが抜けて枯れ葉のようになるので・・・ワインなどのようにビンテージ＝美味しいとは限らないのですが、お金持ちは高ければそれでいいという考えがあるようです）

そんな中である葉巻吸いは「葉巻を買う金をケチるようでは真の葉巻吸いとは呼べない。貧乏人は葉巻を買うな！」とまで言い放ち、敷居を上げてよりマイノリティに追い込んでいる始末です・・・。

お金がない人でも葉巻に対する愛情はあるはずです。

そこで、私は今回の記事で「貧乏人がどのようにして葉巻を愛せるか」というテクニックを披露したいと思います。

ドライシガーとプレミアムシガー

葉巻には大きく分けて2種類あります。

プレミアムシガー

葉巻を愛する人からすると「葉巻」＝「プレミアムシガー」と断言する人もいるほどです。いわゆるハンドメイドシガーのことで、一本一本を職人が手で巻いています。この職人さん達は「トルセドール」と呼ばれています。

手作りなので基本的に値段も高いわけですが、機械巻きでは味わえない良い芳香を楽しめますのでお金持ちのステイタスにもなっています。

ハバノスのプレミアムシガー最低ラインの価格は1本1400円程度。
毎日1本吸うと家計がズタボロになるのは目に見えていますね・・・。

ドライシガー

手作りのプレミアムシガーに対して機械によるオートメーション化で安く作れる葉巻が「ドライシガー」です。安さの秘密はそれだけではなく、葉巻として使えないような端っこのかけらなども均等にカットして纏めて一本の葉巻にしたりしますので、タバコの葉っぱは結局葉の部分で捨てるところはないということになります。

値段は高いもので一本800円、安いものだと120円程度です。

貧乏人にオススメのドライシガー

プレミアムシガーとドライシガーの両方を色々吸っている私に言わせれば、「ドライシガーとプレミアムシガーは別物」と考えるのがいいでしょう。

例えば「たけのこの里と筍のどちらが美味しいか？」という可笑しな質問をする人が居ないように、ドライシガーとプレミアムシガーのどちらが美味しいかというのは同じ土俵で計れないものです。

しかし、安いものですから色々と注意点があります。

例えばPhilliesシリーズはドライシガーですが殆どが着香されています。
例えば上記のPhilliesは「バニラ風味」です。

これらはタバコそのものの香りを消してしまっているので、まずは本来のタバコを吸ってみてから飽きたら暇つぶしに吸う程度に考えてください。

例えば上記のOLIFANT（オリファント）は一本300円程度。箱買いをするとプレミアムシガーのように木箱に収納されて「高級感」が溢れています。

HENRI WINTERMANS（ヘンリー・ウィンターマンズ）は私が最も愛するドライシガーです。ハーフコロナサイズで一本170円程度。香りがとても素晴らしく、袋から開けた後はしばらく着火せず口に咥えて、香りだけ楽しんでいたりもします。

「機械で作られた安い葉巻」とお金持ちが嘲笑するドライシガーですが、その歴史は古く、改良が重ねられて、多くの人が評価し、プレミアムシガーとは別の美味しさを届けてくれます。

ドライシガーでもう一点、注意するべきものとして、燃焼スピードがプレミアムシガーに比べると非常に早いのでタバコの味や香りを楽しむ為に「クール・スモーキング」と呼ばれる燃焼温度をあまりあげないように注意して吸う必要があります。

「クール・スモーキング」のテクニックを取得すればドライシガーが美味しく楽しめるだけではなく、一定の品質でプレミアムシガーを楽しむこともできるようになります。

貧乏人にオススメのプレミアムシガー

じつはプレミアムシガーの世界もピンからキリまであり、貧乏人にオススメの低価格プレミアムシガーが存在します。

「価格が安いのだから品質もダメでは？」と邪推してしまうでしょうが、意外にもそうでもなく、人気があるものも多いです。

タバカレラはお隣の国「フィリピン」のマニラで製造されているプレミアムシガーです。一本300円程度。
下手をするとドライシガーよりも安いです。

味もハバノス産とは別の意味で美味しい葉巻で、安さ目当てに買った人達が「我慢して吸うものでもなく、本当に好きになった」と言われるほど。日本では古くから高評価の愛されているプレミアムシガーです。

とても人気があるのでタバコ屋でもときおり売っていますが、売り切れるのも早く、見つけたら沢山買っておきヒュミドールで寝かせるのが基本です。

キンテロは世界でも高級葉巻で認知されている「ハバノス」のプレミアムシガーの一つです。1本800円程度・・・その安さの秘密は、機械巻きを行い、仕上げ作業を手作業にした半マシンメイドシガーだからです。

若干雑味がありますが「ロメオ・Ｙ・ジュリエッタ」と同系列の香りが楽しめます。ロメオが最安値で1500円程度ですからおおよそ半分ぐらいの値段でロメオの香りが楽しめるコスパのいいハバノスです。

貧乏人の葉巻の吸い方

貧乏人である私が考案した葉巻の吸い方を紹介します。

まず、プレミアム・ドライシガーなどなど、なんでも良いので以下の写真のような「スチール製の葉巻入れ」を手に入れます。

キャップが付いており中にシガーが入っています。

まず最初は葉巻そのものの香りを楽しみます。
口に咥えてみたり嗅いでみたりして飽きてきたらいよいよ着火です。

着火してから3センチかそこら吸って灰にしたら、灰を灰皿などの隅で綺麗に落としてから「スチール製の葉巻入れ」に残りの葉巻を戻します。

火は酸素がなくなるので中で消えます。

また吸いたくなったら取り出して、また3センチかそこら吸います。先ほどと同様に終わったら灰を綺麗に落として「スチール製の葉巻入れ」に残りの葉巻を戻します。こうやってちょこっとずつ吸うと時間を気にせず最後まで吸いきることができます。

金持ちの吸い方では一度火をつけた葉巻を消して後で吸うなんてことはしないです（というより、1時間ぐらいかけて全部吸う）

例えば10センチの葉巻があり、残念ながら時間がなくて残り5センチのところでやめたとします。残り5センチを金持ちは捨てますが、貧乏人はこれが勿体無いので何度も吸う為に「スチール製の葉巻入れ」を用います。

当然ながら一度火をつけた葉巻は中に灰が通りますので、香りは異なったものになりますが、これは意外と灰の香りとマリアージュしてナッツ臭がしたりと別の楽しみ方が生まれています。

そして最後まで吸うと「口に咥えている部分」だけが残ります。
この部分を金持ちはポイポイと捨てますが、貧乏人はこの部分も残さず全部吸い切ります。

ナイフなどで粉々に粉砕して「パイプ用のタバコ」として最後の最後まで楽しみましょう。ヒュミドールなどで発酵させるとさらに美味しさが増します。他のシガーとブレンドしてみるのもまた美味しいです。
また、RYO（Roll your own）手巻きタバコをするツールを持っているのなら、それ用のタバコ葉として使うこともできます。

葉巻も農作物です。
生産者やタバコそのものに感謝し、最後の1片まで灰に変えましょう😌

残った「スチール製の葉巻入れ」ですが、箱買いしたシガーなどを吸う際に使い回しましょう。サイズは様々なものがあります。ロメオのNo3やロメオのショートチャーチル、ドミニカ産「バルモーラル」などを購入した際にも「スチール製の葉巻入れ」を手に入れることができます。

私はこの方法でヘンリー・ウィンターマンズ（1本160円程度）を1日かけて吸い、根元の部分はパイプに入れて完全に残さず灰にしました👍

最後に

「葉巻は最高級の嗜好品」「貧乏人には吸う資格はない」などと言う人達も悲しいことに「同じ葉巻を愛する人達の中に」実際に多くいます。

私たちは親を選ばないのと同様に、好きで貧乏人をしているわけではありません。いろいろな境遇が人それぞれにあって、仕方なしに貧乏に過ごしているわけです。

しかし、だからといって葉巻を吸うなというのは「死ね」という意味にも近いものがあります。生まれてきたからにはただ生きているのではなく、生活を、人生を楽しく生きていたいわけです。

「葉巻は最高級の嗜好品」・・・その「最高級」は、いろいろな境遇を経てきた人達それぞれ違います。

1本160円のヘンリー・ウィンターマンズに幸せを感じる人もいます。だからこそ、ヘンリー・ウィンターマンズを作った人達もまた、明日から再び作り続けることができるのです😤

タバカレラは安いプレミアムシガーだとバカにされる為に存在するわけではありません。お金を持たない多くの貧しい人達の為に存在しているのです。葉巻職人達も、タバコ農家の方々も、「吸いたい」という気持ちに応えて日々、タバコを生産してくれているのです。

自分は葉巻を吸う資格はない・・・などと思っている方々へ。

人生は一度きりです。

吸いたいと思ったのなら吸いましょう😉

葉巻を愛するのに「葉巻を吸いたい」という理由以外に、何も必要ではありません・・・お金持ちでなくても、小綺麗でなくても、ダンディでなくても、女性であっても、男性であっても、子供でも老人でも、「吸いたい」と思うのなら吸ってもいいのです🚬