『○○の事なんか考えなくていい』by鷹野

⚠️ネタバレ注意⚠️
映画『太陽は動かない』

主演の2人は極秘情報を誰よりも早く集め
誰よりも丁寧に扱うスパイ組織に属する。
裏切り防止の為、彼らは24時間ごとの連絡を怠ると胸に埋め込まれたチップが爆発してしまう。
しかし敵と命懸けの闘いをすることもあれば、時には敵に捕まってしまいその連絡が出来ない状況に遭遇してしまう事もある。

そのような毎日に喜びや落ち着きを持てという方がおかしいだろう。
竹内涼真さん演じる田岡は同じ危険な毎日が死ぬまで続くその現実に対して何度も根を上げそうになる。

「こんな日が明日も明後日も続くのか？」

すると彼に対して藤原竜也さん演じる鷹野はこう言う。
「明日の事なんか考えなくていい
　1日を生きていくだけだ、今を生きろ」と。

もちろん我々は2人のように
毎日緊迫した状況を生きているわけじゃない。
けれどもその分「明日」や「明後日」の陰に
「今日」が無意識に埋もれてしまいがちだ。

「今を生きろ」。
このメッセージは一般に
「過去」と「未来」の両方を用いて
説かれるものだと思う。
「過去に執着せず未来を恐れず今を生きろ」と。
でもこの作品では
「過去」への"執着"という要素は一切用いられずに説かれていた。
そのような状況では過去に執着なんてしている場合じゃないからだ。
このメッセージを「未来」だけを用いて説いてきたこの作品には
どこか新鮮さが感じられた。　

そして「今を生きろ」というメッセージが
今までよりもスッと心に入ってきた事に驚いた。