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ミニロボはたくさんの素材からできている
ミニロボの取扱説明書を見ると、使われている素材が書かれています!
これは非常に重要な情報なので覚えておきましょう。
特に、「プラスチック」と総称されてしまう部分には、実は特性の違う3種類ものプラスチックが使われています!
どのランナーがどの素材なのかよく確認しておきましょう。
PS:歴史ある加工しやすいプラスチック
ポリスチレンは原油・ナフサを原料としたスチレンモノマーを重合させて作られるプラスチック樹脂です。
1935年に初めて工業化され、80年以上の歴史があります。
ABS:いいとこ取りの万能プラスチック
ABS樹脂は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂ともよばれます。名前のとおり、アクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)、スチレン(S)という3種類のモノマーを使ってつくられる熱可塑性樹脂です。
アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンには、それぞれ以下のような特徴があります。つまりABS樹脂は、以下の特性を合わせもつ樹脂なのです。さらに、各モノマーの比率や結合方法を変えれば、さまざまな特性のABS樹脂を製造できます。
アクリロニトリル:耐熱性、機械的強度(剛性)、耐油性
ブタジエン:耐衝撃性(ゴムの特性)
スチレン:光沢性、成形性(加工性)、寸法安定性
POM:あらゆる性能が高い最強プラスチック
ポリアセタール樹脂(POM樹脂)は、メチル基(CH2)と酸素(O)が交互に規則正しく並んだ化学構造を持つエンジニアリングプラスチックです。
使う場所や用途によって異なる素材を使うことが重要です。
最強だからといって、全ての部品をPOMで作るとコストがとんでもないことになるので、耐摩耗性、耐油性、強靱性、自己潤滑性能などが求められる部分(キック機構やギアボックス、ギア、キックプレート)にのみ使われています。
ニッパーで切った感覚も少し異なるのがわかると思います。
POMはしっとりしている感じがしますね。
ドリブルプレートやタイヤカバーなど外装の下部は衝突による衝撃が非常に強いので、ABSが使われています。 (割れにくく、やや粘りがある)
ただし、接着や塗装には不向きな素材なので、ABS専用の接着剤を使ったり、塗装時はプライマーと呼ばれる下地塗装をすることで塗料によるダメージを最小限にします。
ボディ上部は加工しやすいPSが使われています。 柔らかく通常の模型と同じ接着剤を使って接着が可能です。 プラ板での加工とも相性が良いです。
プラスチック以外にも様々な材料がある
ミニロボには金属部品も使われていますね。
電気が流れる部品は全て金属です。
手で触ってしまうと錆びたり油脂がついて電気抵抗が増えてしまうので、できるだけ直接触らないようにしましょう。
タイヤはゴムが使われています。(どんな種類のゴムなのかは不明)
電子基板はガラス繊維でできています。
素材に応じた改造🤔
PSは一般的なプラモデルと同じで切削も接着も非常に簡単なので、外装は自由に加工ができます! もっと自由に改造しよう。
強度はそんなに高くないので、連続して衝撃が加わるような部分に使うと割れてしまうことがあります。
ABSはやや硬くて加工が大変かもしれません。 ABS専用の接着剤がないと接着強度が保てないことが多いです。
非常に丈夫で割れることも少ないので、軽量加工してもある程度強度を保ちやすいです。
そしてミニロボのPOM部品は加工可能な部分がない・・・かな
キックプレートのみ自由に加工可能です。
POMのような素材をエンジニアリングプラスチックと呼びますが、金属とプラスチックの中間的な、金属の置き換えにもなったりする夢のような素材です!
5大エンジニアリングプラスチック
ポリアセタール(POM)
ポリアミド(PA)
ポリカーボネート(PC)
変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)
ポリカーボネートはラジコンのボディで使われていますね😃
衝撃に強い、薬品に強い、摩耗に強い、紫外線に強い・・などなどエンジニアリングプラスチックは用途に合わせて様々な環境に対して強さがあるプラスチックです。
世の中にはその他にも無数の素材があります。
例えばミニ四駆の改造パーツを流用しようとすると、アルミやFRP、CFRP(カーボン)などミニロボにはない素材もあります。
改造をするときはじっくり材料を観察してみるのも面白いですね。
見た目、手触り、加工のしやすさ、材料の特性、、似ていても異なるものがたくさんあるので、違いをよく観察してみましょう。
材料にあった道具を使い、加工方法を学んでいくとより改造が洗練されていくと思います!
最後に
ミニロボはどこに着目するか、興味を持つかでその先に非常に深い世界が待っています。
素材の話が面白いと思えば、どんどん探求してみましょう。 今日の話はほんの入り口に過ぎません。
今後もミニロボをさまざまな観点で取り上げていきたいと思いますので、いつか大人になって、ミニロボやっててよかったなぁと思ってもらえるようなきっかけになっていれば嬉しいです。
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