ノベル流行スタイルのひとつを考える

webノベルとかの業界ではわりと、ひとつの傾向が流行すると似た傾向の作品がたくさん出るみたいな現象がしょっちゅう起きるらしい。転生チートがはやればそれ系が、悪役令嬢がはやればそれ系が、おっさんがはやればそれ系がたくさん出てくる。

そのうちのひとつに、パーティから追い出されたからソロでなんかする系のものがありまして…

最初に流行のきっかけを作った作品は確かに理不尽な理由で追い出された不憫な主人公が実は追い出される筋合いのないデキる人間だったのにパーティリーダーが人材を使いこなせてないだけだった、みたいなのだったのかもしれません。

でもだんだんそういうのが増えてきて他とネタがかぶらないようにいろんな「追い出され理由」を模索した結果、状況だけ見ればパーティから追い出されるのもいたしかたなし、みたいな作品もあったりするんですよね。

そもそもそれ自体が何者かにかけられたデバフのせいだったりして本人には責任はない事だったりするのかもしれませんが、デバフがかかってる状況により事実だけを見ると確かにパーティの足手まといでしかない。

ああいう小説の作者、webノベルサイトってちゃんと見たことないので仕組みはよくわからないけど、たぶんマンガサイトみたいにプロが連載してるほかに投稿枠みたいなのがあって素人投稿も受け付けてるみたいな感じなんだろうと思うんですけど、コミカライズされるものはある程度人気がなければだろうし、プロのノベルがほとんどなんじゃないかなって予想してるんだけど、だとすると、やっぱり編集さんと打ち合わせの末に内容を決めたりするんじゃないんですか? となると、編集さんも「いまこういうのがはやってるからこういうのかいてください」って言いだす人とかもいそうで、そうなるとそれに従うしかないみたいな作者も出ちゃうのかもしれない。

んでその結果そういうことになる。

というのも、あんまりパーティから追い出される描写が「パーティにとっては正当な理由」である場合、「この作者はネトゲやったことないのかな」って思っちゃうんですよね。

ゲームでさえ、パーティに貢献できないもの、足をひっぱるものはキックされるんですよ。

ノベル作品の劇中だったら、たいていは勇者パーティなんて命がけで魔王とかを倒すための旅をしている最中とかですよね。

命がかかってんですよ。ゲームじゃないんだから。

そりゃ足手まといはけるしかないでしょ。

って思っちゃうものもまああったりするんだよなあ。

ただ、実際にそういう正当な理由でけったはいいけどやっぱりパーティの人も鬼じゃなかったりして、気に病んでて、んで主人公がけられた後なんやかんやあって実力を取り戻したりパーティでは開花できなかった別の能力に目覚めてうまいことやってるところに遭遇したりして、よかった…ってなったり、やっぱり一緒にやってこうぜ、ってなったり、なんとか整合性を取ろうとしてるっぽいですが。

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