左半分

がうまく動かなくなったんよ、顔面の。レモンの苗木です。
顔が本調子じゃないのでタイトルも雑。全然関係ないんだけど、「本調子じゃない」って言われると「二上がりとかかな」と思ってしまう。
こんな感じで、今日は手を抜いても問題ないところはなるべく抜いていきたい所存です。

まあ、なにはともあれ顔よね。色々紆余曲折あったんだけど、自然治癒する気がしなかったから、18日に病院へ行ってきた。みんなも顔が半分だけ麻痺したら参考にしてね。

※当記事には症状を茶化すような表現が多々見受けられますが、本人は至って真面目に治療を受けております。

初期症状

「顔、ヤバくね?」
そんな自覚が芽生えたのは、卒論を提出したちょうど次の日からだった。日付で言えば、1月14日から18日の計5日間違和感を抱えてたことになる。
なんでもっと早く病院行かなかったの? って思うよな。わかる。すぐ病院へ行かなかった理由は、私の初期症状に関係している。

私のそれは、左側だけの味覚障害だった。このご時世にさあ………………
舌がなんかツルツルするなーと思ってたら、翌日、急にその部分だけ味がしなくなった。これはハチャメチャに由々しい。左側だけレッドブルの味がしないため、自動的に人生半分損してしまうのだ。
色々言っているが、これは人生の半分がどうなどという自分だけの問題ではない。感染症は他人にも影響がある病気なのだ。
血の気が引いた。ついに私の番か? 日夜報道されている数字の1人になってしまうのか?

ひとしきり血の気を引かせたあと、「味覚障害 コ口ナ」で片っ端から調べまくった。

調べまくった私は、ある事実にぶち当たった。
どうやら、舌の片側だけ味覚障害になるという症例はないっぽい。

え、じゃあ私はなに????
勝手に舌壊した人???

感染症じゃないのか? 検査受けれる? 誰とも接触してないしな……と困ってる間に、次の症状が発生した。

麻痺

なんか顔が動かしづらい。うがいで水がこぼれる。しかも、口角の可動域が左右で違って、どんな表情をしてもサイコパスになってしまう。
目も同様の左右差があって、閉じても左目だけ開眼したままだ。

あ、これ感染症じゃないわ。私は悟った。
顔の左半分限定でなにかが起きている。
これって俗に言う麻痺じゃないか? うがいとか、歯医者で麻酔したときとそっくりだ。

……麻痺?
え待って麻痺ってヤバくね? エグい病気の前触れなイメージある。オペとか必要で、生き死にに関わるようなやつ。ちょっとワクワクしてきたな、私こっからどうなるんだ?

私は、自分のことも他人事として楽しめるタイプ。だからこの時も、「ドラマティックやん!」とサイコパス面で笑みを浮かべていた。得な性格だ。
よくよく考えれば、人間としてここは怯えるべきだったと思う。本当に麻痺していたのは、私の危機管理能力なのかもしれませんね。

ドラマティックな展開にもリアリティーは必須だ。詳細を調べて今後の展開を探っていこう。
どこの病院も「勝手な自己診断はやめてください」と苦言を呈しているけど、私はドアホなのでバンバン自己診断をする。今度は「顔 半分 麻痺」で検索だ。

ざっと照らし合わせたところ、深刻な病気じゃなさそうだった。「そっかー」となって布団を敷いた。
こういう軽はずみが服着て歩いてるような人間が、勝手に手遅れになって死んでいくんだろうな。

自己診断的には、どの道病院へ行かなきゃならない案件みたいだ。
どうやら、顔を動かす神経が耳の横を通っているので、耳鼻科へ行くのがいいらしい。首から上の症状は耳鼻科のイメージがあるので、まあ納得。
でも耳鼻科かあ……なんだあ……
いや、「なんだあ……」じゃないんだけどな。期待の方向が大幅に間違ってるよ。
月曜の朝一で耳鼻科の予約を取り、その日は眠りについた。

診察

朝一番で行ったこともあって、耳鼻科は超ガラガラ。
あっという間に受付を通され、主治医の先生による診察が始まった。

開口一番「よく来ましたね」と褒め称えられる。顔の症状で耳鼻科に行こうという人はなかなかいないらしい。努力は陰でするものなので、自己診断の件は黙っておいた。

「最近お忙しかったですか?」「卒論の提出がありました」みたいな世間話を挟みつつ、問診が繰り返された。
「後ほど検査はしますが、末梢性顔面麻痺でしょうね」
見ましたネットで。言わんけど。
水疱瘡のウイルスが神経で悪さをしていて、その結果麻痺や味覚障害が起こっているらしい。すぐ病院へかかれば、1~2ヶ月で完治することが多いとか。よどみない説明で、記事を読むより分かりやすかった。さすがお医者だ。

総合病院へ行かれる方が多いけど、この情勢なので今回は最後までここで診ます、とのこと。

「すみません、不安ですよね。一応私もこの地域の担当なので、大丈夫だと思いますが……」

なぜか唐突に自分を卑下しだす先生。やめて? 悲しくなるから卑下しないで?
先生だって素晴らしいですよ、説明うまいし。

その後、聴力検査でやはり左耳だけ悪くなってることが判明したり、採血が上手くいかず、「きちんと朝ご飯を食べて来てください」と叱られたりした。
医者に叱られたのは人生で初めてだったけど、なんか、いいものだなと思った。こう、クるものがあった。

診察も終わろうというころ、先生から衝撃の一言。
「しばらく無理をしないように」

しばらく無理をしないように!
しばらく無理をしないように!!!!!!!

感動した。
私は、超がつくほどの健康優良児なのだ。インフルに一回も罹ったことがないし、特に病気もしたことがない。何があっても倒れない。もう超合金かゾンビのどちらかだ。

「身体は壊れてからでは遅いのだから、壊れないように大事にしろ」とよく言われる。
でもそれって、身体を物で例えてガラス玉くらいの強度だった場合であって、私みたいなボーリング球だったら、大事にしても損というものじゃないのか。どうせ壊れないのならば、それは長所なのだから派手に使ったほうがいい。

……と常々思っていたんだけど、ここに来てこのドクターストップ的セリフ。まさか自分が言われる日が来るとは。でも、医者が言うのであれば間違いない。なにもかも忘れて、存分に休むべきだ。
そりゃタイトルも雑になっちゃうよね。タイトルとかマジで無理みが深いから考えられないわ〜。なんたって医者から止められてっからな〜。困った困った〜

病院へは、翌朝また行くことになってる。苦労して行った採血の結果が出るらしい。楽しみだ。
楽しみってなに??? 病院はアトラクションじゃねえぞ。

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