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クレジットカードの適正な枚数

結論を先に書くと、クレジットカードは1枚で充分でしょうね。

ネットの情報には、やれ「生活スタイルによる」とか「収入による」などと、煮え切らないアドバイスが多いですが、それは、1枚でいいと言い切ると、「いや自分はこれこれこういう理由で何枚かいるんだが」と食い下がる人が必ず出てくるので、めんどくさいからじゃないでしょうか(なげやりな推測)。

そもそも、ショップや金融関係のサイトなんかは、「1枚で事足りる」などとは先ず言いません。加入してもらって、そして、使ってもらってなんぼの商売ですから。

カードの枚数が「生活スタイルによる」というのは、とどのつまりが、ツケで(後払いで)買い物をどれほど頻繁にするか、ということです。

また、「収入による」という説明には、ほとんど根拠がありません。あるとすれば、どえらい収入があって、なおかつハンパなく買い物をする、という人には当てはまるかもしれませんが。

主観だけで論じるのもなんなので、一応イギリスの金融関係の情報サイトをざっと調べた結果、やはり1枚でよいと確信しました。百歩譲って、違うカード会社のものを一枚ずつ、合計2枚って、とこでしょうか。これも、よほど明確な目的がある場合に限ります。

日本とイギリスでは事情が違うといわれるかもしれませんが、以下にあげる項目は、日本でも(特にミニマリストには)考慮に値するかと思います。

カードはたくさん持たない方がいい理由

1. 保有するクレジットカードが多いと、カード犯罪にあうリスクも増える:

海外旅行に行くとき以外は、私はクレジットカードを持ち歩かないようにしています。

ですが、たとえカードを盗られたり、番号を読み取られたりしなくても、カード犯罪にあう可能性はあります。

英語圏でとくに多いのは、フィッシング詐欺です。カード会社をかたったニセのメールが送られてきて、不正なリンクへ誘導し、個人情報を盗む手口です。

この偽メールが、それはもう驚くほど巧妙にできています。そういう偽メールが、イギリス国内だけでなく国外からも送り付けられてきます。

日本は、日本語という、ある意味、特殊な言語によって守られているので、海外から標的にされる率は英語圏より低いかもしれませんが、用心するに越したことはありません。

2. 保有するクレジットカードの数だけ、暗証番号を覚えないといけない:

複数のカードに同じ暗証番号を使用するのはよくありません。ひとつのカードの暗証番号を盗まれたら、一網打尽にやられてしまうからです。

だからといって、複数のカードにそれぞれ違う暗証番号を使っていたら、その分、余計なことを記憶する必要が出てきます。記憶力は、もっと生産的なことに使うべきです。

3. ポイントや特典は無駄使いの原因になる:

日本のクレジットカードはポイント制度やカード特典がついているものが多いですが、それって本当に得なんでしょうか。

クレジットカードの利用に応じて割引がある、ということは、割引を得るために使わないといけないので、無駄使いの原因になります。

そもそも、割引というのは、どうしたって企業側が儲かるようにできています。

4. 保有するクレジットカードが多いと使いすぎる:

複数のカードを持つと、トータルの限度額が増えるわけですから、ついつい使いかねません。それ以上に問題なのは、支払いを忘れたり、借金を作ってしまう可能性がある点です。

「大丈夫、私はそんなに使わないわ」と言うんなら、そもそも複数のカードはいらないでしょう。

5. 利用履歴の無いカードは信用情報に役立たず:

ローンを組む際には、クレジットカードが常に限度額以内で有効につかわれ、なおかつ、支払いが滞りなくされてきたかがチェックされます。支払い不足や延滞などもっての他です。

一方、利用履歴の無い(またはそれが少ない)カードを何枚もっていたところで個人信用情報はよくなりません。むしろ、悪くなる可能性のほうが高いです。

鉄則:カードはきちんと管理し、正しく処分

私が初めて自分のクレジットカードを持ったのは、大学を卒業して就職した時です。それ以来、保有枚数はつねに一枚です。

ときどき、「海外旅行が多いと、クレジットカードが複数いるんだよねぇ」と(なぜか自慢たらしく)言う人がいますが、私には意味がわかりません。

私はこれまで、日本、シンガポール、イギリスと3つの国に住み、異なる職種に従事しましたが、どれも海外出張の多い仕事です。

現在は大学勤務ですが、学者という職業は、調査や国際学会への出席などで、けっこうあちこち行かないといけません(欧米の大学でも、教育中心の大学だとそうでもないようですが、うちは研究大学なので、国際学会での論文発表は、ほぼ「義務」の範疇です)。

それでも、クレジットカードが複数枚いると感じたことはありません。

「万が一、紛失した場合のため」などというよけいな心配をするよりも、まずは、クレジットカードと銀行のキャッシュカードを一緒に持ち歩かないようにしましょう。そうすれば、たとえ何か起こっても、どちらかが手元に残るわけですから、再発行されたカードが届くまでの1週間くらいは生活できるはずです。

はっきり言って、2枚目のクレジットカードなんてものは、お守りのおふだみたいなもので、気休めにしかなりません。もしお持ちのようなら、頃合い(年会費の期限とか)をみて、断捨離しましょう。

その際は、きちんとした解約手続きをふんで下さい。当たり前ですが。

あと、カードはできるだけ小さく切って処分することもお忘れなく。
みじん切り状態にしたカードを、違うごみ箱に分けて捨てましょう。時間をあける(違う日に分けて捨てる)と、なおいいです。