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増殖し続けるコーヒーショップ

イギリスは紅茶のイメージがありますが、コーヒーショップは年々増加の一途です。

2015年時の統計によると、イギリスには2万店以上のコーヒーショップがあるそうです。最近では、サンドイッチ・ショップやパブ、ファーストフード店なども、「コーヒーあります」と強調する店がふえました。

私の自宅は職場まで歩いて15-20分ほどですが、その途上にあるコーヒーショップだけでも10店近くあります。

私はコーヒーはめっきり飲まなくなりましたが、それでも、仕事で大学の外に行く機会があると、たまにコーヒーショップに立ち寄って、デカフェの豆乳ラテを頼みます(実は大の豆乳ラテ好き)。

イギリス国内におけるコーヒーショップ市場のシェアのトップは、だんトツで Costa(コスタ)です。さすがは地元イギリスの会社だけあって、Costaはもうイギリスの至る所にあります。

2位はアメリカの会社、スターバックス。スタバは日本でも人気ですね。世界市場ランキングだとシェアトップのスタバですが、イギリス市場ではCosta の後塵を拝しています。3位には、イタリアの会社 Caffé Nero が続きます。

増殖し続けるコーヒーショップですが、イギリスに限っていうと、コーヒーの国内消費量に大きな増加は今のところないらしいです。ちょっと驚きですが。

コーヒーショップ・ビジネスを支える大きな要因は、コーヒー消費の増加よりも、むしろコーヒーを「家で飲む」生活から「そと(コーヒーショップ)で飲む」という、コーヒーの消費スタイルが変化したためである、と言われています。

とはいえ、これだけコーヒーショップが増えると、おのずとコーヒーの消費量も増えていくでしょう。

コーヒーを外で飲む心理

では、なぜコーヒーをわざわざ外(コーヒーショップ)で飲むのか。

コーヒーなんて自分でも淹れられるし、最近はインスタントでもいろいろ種類が豊富にあることを考えると、不思議な話です。

思いつく理由としては、

  • お店のコーヒーのほうが単純においしい(と感じる)

  • カフェイン中毒気味で、何かの合間にとりあえず飲みたい、あるいは飲まずにいられない。

まぁ、こういう人たちにとっては、コーヒーショップは不可欠なんでしょう。

でも、コーヒーショップがこれほど増えた人気の理由は、それだけじゃないような気がします。

うがった見方をすると、
1.消費欲・購買欲の一種: 無駄使いや、おやつの買い食いが止められないのと同じで、その場で代価を払ってコーヒーを購入し、快楽を即座に得たい、という欲求です。

2.給仕されたい: 自分でやるよりも、誰かにちゃんとしたコーヒーを淹れてもらいたい、人にしてもらいたい、という欲求。

この 1. と 2. は、人間の欲求を価値におきかえ、それに価格を付けるという、マーケティングの基本手法です。需要があって、商品と価格が妥当なものであるなら、別に悪いことではありません。というか、ビジネスでは当たり前のことです。いきすぎれば話は別ですが。

これ以外に考えられるのは、
3.実は社会的・社交的活動への参加欲求:
オフィス内や自宅ではなく、他の人々が集まっている外界に身を置きたい、直接かかわり合いたくはないが人ごみにまぎれていたい、という気持ちが、わざわざコーヒーショップにコーヒーを買いに行く、または店内にとどまって飲む、という行動に駆り立てる、という見方です。

いわば、「人恋しい」ってやつですね。うがち過ぎな気もしますが、まぁ、人間は本来、社会的な動物なので、わからないでもないです。

さみしい人が増えてるんでしょうか。